眩暈や立ち眩み。かけ橋掲載分
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C型肝炎患者さんのメニエール病
1936年生、女性
娘さんのパニック障害が良くなられたので、私も良くして欲しいとお母様が相談に来られた。元々C型肝炎があり、メニエール病の発作に苦しんでいると訴えられる。
この患者さんの地区はC型肝炎の方が異常に多く、何らかの原因があると推測される地区である。
患者さんは、まずC型肝炎よりメニエール病をどうにかして欲しいと言われる。発作は回転性の眩暈と吐き気、胸苦しさがあるとの事。当初、回転性眩暈を目標に脾胃の水毒を改善する粉薬を、胸苦しさと不安感を除くため気の上衝を発散する煎じ薬を選薬した。
1ヵ月後糸練功で調べると、裏の寒飲証が出現している。気の上衝を発散する煎じ薬を裏を温める煎じ薬に変更する。15日後、気分が良く調子が良いとの連絡がある。更に1ヵ月後、糸練功で診ると脾胃の熱い水毒と気滞証が有るのに気づく。裏を温める煎じ薬を清熱利水の煎じ薬に変更する。
それから3ヶ月間服薬し、メニエール病と自律神経失調症の治療をほぼ終え、続けて再発防止とC型肝炎の治療を開始した。
肝炎は肝硬変になっており、補法の証である。ウイルスを消失させるために肝細胞の再生をする煎じ薬に抗ウイルス作用のある薬味を追加した。
その後、半年間の治療にて肝機能数値は正常化、メニエール病と肝炎の再発防止を約3年間行い治療終了となった。私が糸練功を始めて3年目、実は失敗した例である。漢方薬の見立てを見間違っていた。自分の驕りを恥じ毎日欠かさず糸練功の訓練を14年間続けている。
メニエール病で苦しんでおられる男性より相談
1954年生、男性
2年前からメニエール病で苦しんでおられる男性より相談を受けた。グルグルと回転する眩暈が起こり、立ちくらみ傾向にある。
東洋医学で、眩暈は頭眩と言われている。古来からの病態で、漢方治療の得意分野でもある。ふらつく、天井が回る、雲の上を歩くような等、いくつかの証がある。漢方薬は、原因となる水毒や気毒、内臓の冷え等を改善する。この男性の場合、水毒が原因となる証と水毒と気毒が原因となる証の2つを併せ持っていた。
漢方薬を投薬して2週間後、眩暈は殆ど無くなられた。症状が無くなっても、メニエール病の根本原因を絶つ為、引き続き漢方薬の内服を継続して頂いた。その後、糸練功による合数は、9合プラス1から10合プラスマイナスへ辿り着くまで半年程掛かった。根が深かったのではと推測する。
あと1ヶ月で治療終了と思った矢先、眩暈発作が起きた。今までと異なる裏寒飲証が出現。季節的に寒気で症状が酷くなっていると思われた。裏寒飲証は、頭痛や吐き気を伴う場合が多い。寒熱に対する食養生を指導しながら、裏寒飲証の治療にも取り組んだ。全ての合数は順調に10合プラスマイナスへと向かい、体調良く元気なお身体を取り戻された。
回転性眩暈のメニエール病
1954年生、男性
メニエール病でお悩みの男性から相談を受けた。2年前から回転性の眩暈が起き、立ち眩みの傾向がある。
糸練功にて、水毒証と水毒、気毒証の2箇所の治療点を確認した。水毒証は回転性の眩暈、水毒と気毒証は立ち眩みの状態に出現する。
それぞれの漢方薬を投薬した所、2週間後には眩暈が大部分改善され著効であった。漢方治療開始から5ヶ月後、水毒証は10合プラスマイナス1、水毒、気毒証は8合プラス1まで改善されてきた。その後も順調に改善が進み、更に5ヵ月後には、両証とも10合プラスマイナスとなっていた。
それから3ヵ月後、水毒証、水毒と気毒証とも治療を終了した。3ヵ月後、眩暈発作が起きた。胃の寒飲証と脾胃の水毒証が出現していた。
胃の寒飲証は内臓の冷えが原因で眩暈や頭痛、吐き気などが生じる。胃を温める漢方薬と脾胃の水毒を改善する漢方薬と併せて疲労感に対しての漢方薬も投薬した。発作はすぐに治まり、しばらくの間、疲労感をとる漢方薬のみ続けられた。疲労感をとる漢方薬は体質改善力にも優れていた。一時期、飲み忘れの多い時期もあったが、継続しての服用を指示した。
その後、水毒証、水毒と気毒証、胃の寒飲証の一時的な悪化はみられたものの、それぞれの漢方薬を内服するとすぐ眩暈は落ち着き、疲れても調子良く過ごせるようになられた。
眩暈は東洋医学の証を判断し治療すれば、漢方の得意分野である。