パニック障害

パニック障害

パニック障害について

パニック障害では、突然の発作に襲われ、動悸や身体の振るえ、気が狂うかもしれない恐怖、自分自身をコントロールできない不安感、これが続けば死んでしまう怖さ等に襲われます。
1度起きると、徐々に発作が起きやすくなります。1日に数回、発作を繰り返す患者さんも多いようです。
また、うつ病を引き起こすこともあります。

パニック障害とは

  1. パニック発作
    突然の呼吸困難、発汗、動悸、手足の振るえ、めまいが、激しく発作的に起きます。短時間の人が多いですが、人によっては時間が長い人もいます。
  2. 予期不安
    発作をくり返すことで、また次の発作が起きるのではとの不安が、パニック障害では生じます。
  3. 広場恐怖
    発作が起きた時、周囲に見られている恐怖感。この広場恐怖により外出が困難になる人も多いです。

漢方太陽堂で治療をされた患者さんは、「バスに乗るとパニック障害を起こすので、怖い」等の一定の条件で起こす患者さんもいらっしゃいました。
そのため仕事にも行けない状態でした。
漢方で原因治療で治されると、外出も問題なく出来るようになります。仕事や学校へも行けるようになります。

パニック障害と漢方

東洋医学は、原因治療です。他の精神神経症と比べ効果スピードが早い傾向にあります。
臓腑経絡理論により君火の治療で改善する事が分っており、漢方太陽堂では治療法が確立されています。

また食養生として、治るまでコーヒーや、濃いお茶等を避けることも大事です。カフェインとの関係です。
東洋医学的な原因である君火の気の上衝を、更に上に発散させる升の漢方薬で症状が消失していきます。
東洋医学的には、コーヒー等の苦味は君火を引き下げる降の働きです。升とは逆の作用になります。西洋医学でもコーヒー等のカフェインにより、パニック障害が誘引されることが判明しています。
いつ起きるか分からない不安と苦しみ。必ず治ると信じて一緒に治していきましょう。

病理

パニック障害には肉体的な異常はありません。以前は不安発作やうつ病と同様に考えられていました。

うつ病との違い

パニック障害が、うつ病等と異なるのが判明したのは、三環系抗うつ剤、トフラニール成分名イミプラミンにより、発作が起きなくなる病態グループがある事が分ったからです。
トフラニールは、セロトニン、ノルアドレナリンの吸収を阻害します。トフラニールを服用すると体内にセロトニン、ノルアドレナリンが増えていきます。私は漢方太陽堂を始める前、このトフラニールの開発メーカに所属する薬剤師でした。
セロトニン、ノルアドレナリンの体内量、体内動態と関連があると思われます。しかし明確な原因は分っていません。

またピル、ホルモン剤や気管支拡張剤でもパニック障害が誘引されることが分っています。
間違いやすい症状に、過呼吸、過換気症候群が有ります。
東洋医学では異なる病態です。過呼吸は漢方の臓腑が異なり、漢方薬も異なることが多いです。

対応する漢方薬

伝統医学である日本漢方古方派を中心とした代表的な漢方薬をご紹介します。

桂枝加竜骨牡蛎湯

虚弱で、痩せて、神経過敏で疲れやすく、寝汗があります。憂うつで物忘れし、夜眠れず、少しのことで驚きやすい傾向があります。
女性では生理が不順な場合もあります。また、インポテンツや夢精があったり、脱毛症の人も多いです。

苓桂朮甘湯

立ちくらみ、動揺感などの眩暈によく用います。眩暈は起立性で頭を動かすと起きるのが特徴です。
同時に、動悸、血圧上昇があったり、尿の回数が少ない場合があります。

連珠飲

貧血を伴う動悸、眩暈、耳鳴り、顔面浮腫などに用います。ただし貧血が酷かったり、胃腸軟弱で下痢がちな人には用いられません。
方意は、四物湯証の血虚による貧血、顏色不良。
苓桂朮甘湯証の気の上衝、水毒の動揺による動悸、眩暈、耳鳴りに対応します。
苓桂朮甘湯で気の上衝を治めて水毒を去る方意と、四物湯の血液を清め貧血を治す薬方の合方です。

実際の改善改善例

パニック障害を改善された患者さんからの報告です。

パニック障害で6年間、苦しみ続けました

女性35歳
約6年ほど前から、一人になると不安になりパニック障害がでます。電車もバスにも乗れません。
現在は他の医療機関で、2種類の漢方薬を服用していますが改善しません。

漢方薬服用1ヵ月後

最近、色々あり精神的に不安な時もありましたが、パニック障害はあまり無かったです。

漢方薬服用2ヵ月後

糸練功の合数が、上がっていたので嬉しかったです。
最近は、漢方薬に頼りながら自分も変わろうと、いろいろと行動する努力をしてみようと思ったりもしています。
まだまだ不安感等ありますが、前よりは、ましな気がいたします。

漢方太陽堂から患者さんへ

東洋医学は、漢方が3割、お食事を含む生活養生が7割と言われます。漢方を続けながら、いろいろ努力されようとしていらっしゃるのですね。
良い方向に向かって大きな進歩だと思いますよ。

漢方薬服用4ヵ月後

普段は不安感はありません。1ヶ月の内、パニック障害は何日かあるだけに改善しました。

漢方薬服用2年後

落ち着いています。
今はめまいがします。眩暈は回転性ではないです。クラクラした感じがします。方向を変えた時や、目をつむって立っているとクラクラします。吐き気は時々ありますが、吐くことはありません。
集中力が散漫して頭がボーとします。

漢方太陽堂から患者さんへ

東洋医学的には、眩暈もパニック障害も自律神経失調症も同じ原因と考えられています。その症状において、同じ証でも少しづつ組み合す漢方薬が異なってきます。

眩暈の漢方薬に置き換えますね。眩暈のお薬もパニック障害などにも効いてきます。現在までご服用中の生体内環境のお薬と、眩暈のお薬をご提案しますね。
食養生では、サラダで食べられる緑色のお野菜をたくさん召し上がって下さいね。

漢方太陽堂より

妊娠にて、1年ほど漢方薬をお休みしましたが、その後はパニック障害は無くなりました。