メニエール病(メニエル病)

めまい

眩暈に有効

眩暈(めまい)には有効な漢方薬があります。メニエール病には様々な症状があります。

・天井がグルグル回る。
・ふわふわと雲の上を歩いているよう。
・頭を動かすとフラッとする。
・眩暈だけでなく吐き気、嘔吐を繰り返す。

メニエール病は、吐き気、耳鳴り、難聴、耳の閉塞感を伴ったりもします。
突然、めまい発作が現れ、30分~数時間のあいだ継続し、治っては繰り返します。これらの症状が、周期的(3ヶ月単位、3年単位等、人によって異なります)に現れるようになります。
西洋医学では内耳の三半規管の異常、耳石、聴覚神経周囲の浮腫(むくみ)等を原因として捕らえています。
医療関係者の中にはご自分のメニエール病が漢方で治り、西洋医学から東洋医学へ専門を変わられた方も多いと聞いています。

メニエール病(メニエル病)の発見

1861年、フランスの耳鼻科医メニエールが内耳の障害によって眩暈(めまい)が起こることを発見し、この病名がついたそうです。
働きざかりの真面目な人に多く、ストレス、過労、睡眠不足などが誘因となります。

メニエール病(メニエル病)の原因からみる漢方治療

メニエール病は漢方の得意分野です。

漢方医学での原因

漢方では病の大元の原因を病因と言います。
気毒、血毒、水毒に分け、それに寒熱を組み合わせて判断していきます。

気血水

1.水証、脾胃の水毒、脾胃の虚証。
2.気の上衝を主とした気証。
3.血証。瘀血、血虚と気血水。
などの病因に分けます。

気血水に寒熱を組合せます

関係する原因となる熱証は
1.胸脇の熱証
2.心下の熱証
3.裏の熱証
に分けて治療をしていきます。

水証

水毒が原因の場合です。

メニエール病(メニエル)で最も多いタイプです。浮腫、尿不利、上腹部振水音等の症状を伴うことがあります。

苓桂朮甘湯

立ちくらみ、のぼせ等の「気の上衝」を伴う眩暈(めまい)に苓桂朮甘湯は適応します。漢方では胃内停水が原因で気の上衝が起きると考えています。
眩暈、メニエール病に繁用される処方です。

澤瀉湯

回転性、急激に起こる激しい眩暈(めまい)発作があります。
立ち眩みの眩暈に回転性眩暈が混在している時は苓桂朮甘湯と澤瀉湯を合方します。
漢方太陽堂では経験的に、症状が改善してくると合方せずに併方した方が体質改善力が増すと考えています。

五苓散

口渇があるのが特徴です。頭痛を伴う事が多いです。頭痛が伴う時は五苓散加川芎白芷にします。

真武湯

顏色不良、低血圧の方、貧血がちで冷え性の方に適応します。真武湯証の眩暈はフワフワした陰証の眩暈が特徴です。

脾胃の虚証、水毒、食欲不振、胃腸虚弱がある人。

四君子湯

食が細く、疲れやすい、気力体力の減退が目立つ場合。

半夏白朮天麻湯

メニエール病(メニエル)のフワフワ目眩に繁用されます。
悪心、嘔吐、フワフワ感などの「脾胃の水毒」を伴う陰証の眩暈(めまい)。頭痛や血圧の上昇(特に最低血圧が高い)がある場合があります。

半夏瀉心湯

舌に白苔、心下痞、口内炎などの「上衝の熱証」を伴います。下痢がちでお腹にガスがよく貯まる方(腹鳴)に適します。

呉茱萸湯

冷え、嘔吐を伴う回転性眩暈(めまい)が適応します。嘔吐が激しい事があります。吐き気がする時は漢方薬を冷服します。吐き気が治まると温服した方が効果が増します。
東洋医学では胃が冷えるとことが原因と考える眩暈です。飲食物で冷たい物、苦い、アクのある物は厳禁です。ビールは冷たく苦いです、特に慎みます。

気証

気毒が中心の場合です。ベースに血毒や水毒を伴う事が多いです。

気証。精神神経症状が目立つ場合です。

炙甘草湯

不整脈、のぼせ、動悸を伴います。

女神散

顔面紅潮し、気の上衝があります。妊娠経験のある中年の女性に多いです。

釣藤散

中年以降の早朝頭痛が有ったり、脳動脈硬化症が疑わしい人に合います。イライラや短気で怒りやすい人が多いです。

半夏厚朴湯

発作性に心悸亢進があったり、喉に何か詰まっている感じを訴える方。取り越し苦労の多いタイプです。

血証

血毒が原因の場合です。

瘀血証。下腹部の抵抗、圧痛、月経異常があります

桃核承気湯

「裏の実証」を伴い、症状の強い方。赤ら顔で便秘がちの方です。

桂枝茯苓丸

上気により起こる眩暈(めまい)。顔は逆上せるのに、逆に下半身は冷える方が多いです。

血虚。貧血、顏色不良が見られる方

当帰芍薬散

虚証、血虚、水毒を伴う。生理痛が有ったり生理不順を伴います。

連珠飲

立ちくらみ、クラッとする症状があります。

熱証

眩暈を起こす時の熱証です。

胸脇の熱証。胸脇苦満、口苦、肩背強急がある場合。

柴胡加竜骨牡蠣湯

不眠や自律神経症状のある方。体質的に強いタイプです。

加味逍遙散

抑鬱気分や瘀血による月経異常等がある方。イライラや鬱気分、不定愁訴があります。

柴胡桂枝乾姜湯

虚証で、口乾、自汗等のある眩暈(めまい)。頭から発汗する頭汗も特徴です。

上焦の熱証。他の原因も考えられます

三黄瀉心湯

裏の実証(便秘)があり、高血圧を伴う。

黄連解毒湯

便秘を伴わない、高血圧を伴うことが多いです。

上記漢方薬を症状と原因を考えて組み合す事もあります。
例えば、苓桂朮甘湯合桃核承気湯、五苓散合柴胡加竜骨牡蠣湯などです。証に従い縦横無尽に漢方治療をしていきます。

メニエール病(メニエル)の症状からみる漢方治療

メニエール病の症状のタイプは大きく3種類に分けられます。症状からみる漢方薬方の例を挙げておきます。

回転性の「めまい(真性めまい)」メニエール病(メニエル)の激しい目眩に対応

苓桂朮甘湯、澤瀉湯、呉茱萸湯など。

立ちくらみ(仮性めまい)

苓桂朮甘湯、苓桂朮甘湯加澤瀉など。
脳内の貧血を伴うことがある眩暈です。脳梗塞などがある場合も有ります。注意が必要な眩暈の1つです。

浮動性の「めまい」雲の上をフワフワ

半夏白朮天麻湯、真武湯など。

メニエール病は、再発しない体質改善をお勧めします。ぜひ漢方太陽堂でご相談ください。