痔ろう(痔瘻)

痔ろう(痔瘻)は、化膿性疾患で他の痔とは異なります。
痔核は下半身の血流が悪く、それにより血液の欝滞が原因で生じます。
切れ痔は肛門部分の裂傷で、一般的には痔核になると皮膚表面が硬くなり切れて起きます。
脱肛は腸の下垂か又は痔核の脱出になります。

痔ろう(痔瘻)について

哺乳動物の肛門には肛門腺があります。これは皮脂腺が変化した臭腺です。
この肛門腺が細菌感染し化膿したのが痔ろう(痔瘻)です。
スカンクは肛門腺からの分泌物を危険な時などに護身のために出します。麝香鹿やジャコウネコは雌を引き付けるフェロモンとしての誘惑腺として臭腺を使用しています。カメムシの匂いも臭腺です。

この臭腺である人間の肛門腺に細菌が感染し化膿したのが痔ろう(痔瘻)です。他の痔は温めると改善しますが、本症は化膿ですので温めすぎると悪化します。また感染を繰り返し化膿を続けることで、癌化することもある恐ろしい病気です。

痔瘻(痔ろう)は肛門腺が化膿し肛門周囲の皮膚が開口します。肛門部の化膿性疾患です。
お尻を触ると冷たいです。お尻は血流が悪く、化膿も治り難く、抗生物質も効きにくいです。西洋医学的には手術しか方法がありません。

しかし漢方でお尻の血流を改善すると、化膿は収まります。
お尻を清潔に保つ事が大事です。特に化膿性疾患では気をつけてください。また冷やさない事も大事です。しかし温め過ぎると逆に良くないです。一般的に肛門部と言うより下半身を冷やさないようにします。

痔ろう(痔瘻)とは

◎痔瘻(痔ろう)、肛門周囲膿瘍の進行と症状

  1. 肛門の歯状線付近には多数の肛門線が開口しています。この部分には糞便がたまりやすいです。
  2. 肛門線に細菌が感染し化膿を起こします。この急性の化膿性炎症を肛門周囲膿瘍と言います。
  3. 肛門周囲膿瘍では肛門線に沿って外側に膿がたまります。激しく痛み、肛門の周囲が赤く腫れる肛門周囲炎の状態になります。大量の膿が排膿することもあります。
  4. 肛門周囲は血流が悪いです。そのため肛門周囲膿瘍は自然に治癒する事は期待できません。
  5. 化膿が進み膿が更に貯まると、最終的に膿は直腸の中か肛門周囲に口が開き出ていきます。
  6. この膿が出た穴が塞がらず、細長く深いトンネル上になったのが瘻管です。
  7. 瘻管が形成されると、赤く腫れたり痛むなどの症状が無くなることが多いです。そのため痔瘻(痔ろう)になったことに気づかない事が多いです。ただ肛門周囲がジクジクしたり、下着が汚れて気づく事もあります。
  8. 痛みが無いため治療をせずに放置しておくと、痔瘻(痔ろう)の範囲はますます広がっていきます。最後には直腸の大部分を切り取らなくてはならず、人工肛門が必要になることもあります。

痔ろう(痔瘻)と漢方

お尻、臀部の化膿には抗生物質があまり効果が無く、現代医学では手術により摘出するしか方法がありません。西洋医学的には、手術以外の治療では治す事が難しい疾患です。またクローン病や潰瘍性大腸炎に併発することもあります。

漢方太陽堂では、治療期間が1年必要となりますが、適方を合わすと殆どの方が治ります。独自の治療方法があるからです。漢方太陽堂では長年の経験により、この疾患を治す独自の治療ノウハウを30年以上前に確立しています。漢方太陽堂では再発無く、ほとんどの患者さんが治ります。

手術はいつでも出来ます。手術をする前に、漢方薬で治療する(私も治しました)。試してみる価値があると思いませんか。

漢方太陽堂の治療法

痔瘻(痔ろう)は、肛門周囲が化膿し瘻菅を形成する治りにくい痔の疾患です。抗生物質も効果が無く、通常は手術しか方法が無い疾患です。
漢方でも一般的に非常に難しい疾患です。(しかし漢方太陽堂では独自の治療法を確立しています)
漢方太陽堂で治療を行うと、1~2年の期間を要しますが、治る患者さんが多い疾患です。漢方太陽堂の治療か、又は手術しか、他に治す方法は無いと考えています。

適応される漢方処方

伝統漢方古方派を中心とした一般的薬方をご紹介。痔ろう(痔瘻)の場合は、以下の処方のみでは改善が難しいです。漢方太陽堂では、プラスαの治療を加えることにより治癒率を上げています。

千金内托散・内托散

この処方は太陰病位の処方です。
化膿症の比較的早い段階に応用し、膿を造り排出を促し潰瘍を治癒させます。陽病の葛根湯や十味敗毒散・荊防敗毒散を使用し炎症を抑え内攻を防ぎます。次に希薄な膿が治まらず傷口が回復しない時に用います。

内托は、「内側を助け支える」の意味です。ご自分の力では膿の産生や傷口の回復が難しくなった時に炎症の限局と膿の熟成を促進します。
治癒力を上げる虚証向けの漢方薬です。これを服用すると化膿が治まりやすく、腐肉が消え新肉の成長を助けます。
その後も本方を持続すれば、潰瘍を治し再発を防ぎます。

托裏消毒散

古典の「外科正宗」を出典とする処方を用います。
種々の化膿症で、局所の発赤、腫脹、疼痛などの炎症症状が著明な方、化膿傾向のある方に用います。
千金内托散と同様に太陰病位の処方ですが、少陽の虚証から太陰病にかけて使用できます。わずかに陽証の虚熱が残った状態です。

出典が「外科正宗」と「万病回春」の2種類あり、処方内容も異なります。
便宜的に托裏消毒散・托裏消毒飲と処方名を変えて使い分けています。漢方太陽堂では外科正宗を使用することが多いです。

体内に細菌が侵入すると白血球と戦います。細菌を食べた白血球の死骸が膿になります。膿の量が少ない、希薄と言うのは、白血球が十分に細菌と戦えていないとも考えられます。痔ろう(痔瘻)等の膿が長引く、傷口が回復しない時に使用します。

当帰連翹湯

温清飲から黄連・黄柏・川芎を抜き、他の薬味を加味した処方です。
後世方の一貫堂医学で言う解毒症体質や悪液質体質に使用します。解毒・代謝が上手く出来ないタイプで、体質的にリンパが腫れやすく、頸部リンパ節腫脹が慢性的に観られる患者さんに使用する事が多いです。
この処方を服用すると、悪液質が改善し細菌に対する免疫力が上がっていきます。

大黄牡丹皮湯

下焦(下半身)の激しい化膿性疾患に使用する方剤です。急性盲腸炎で有名な処方です。
化膿も激しく痛みや発熱を伴うこともあります。痔ろう(痔瘻)の激しい化膿や急性期の炎症の強い時に使用する事があります。
処方内の薬味である大黄・芒硝を増量すると、効力を上げることが出来ます。

騰竜湯

大黄牡丹皮湯の加減方です。やや炎症が弱い時でも慢性期にも継続して使用できます。
処方中の大黄・芒硝を抜くと、更に温和に長期に使用できます。

伯州散

伯耆の国(島根県)に伝わる家伝薬です。効果が良いので「外科倒し」と言われた処方です。反鼻霜・鹿角霜・津蟹霜又は土竜霜の黒焼きを混和するので「伯耆の黒くすり」と呼ばれる伝統薬です。
痔ろう(痔瘻)等で、肉芽新生が弱い時に内服又は外用(紫雲膏と混ぜ伯州散軟膏を造ります)をすると、肉芽が新生し著しく改善します。

痔ろう(痔瘻)には、上記以外に漢方太陽堂独自の治療法がございます。

実際の改善改善例

痔ろう(痔瘻)を改善、治癒された多くの皆様から、勇気と希望をもらえたら良いですね。
漢方治療を少しでも御理解して頂きたく、漢方太陽堂で実際に治療された患者さんの改善例を御紹介致します。
諦めずに!1人じゃないですよ!希望を持って、一緒に考えましょう。

しこりの様な腫れ

男性、50歳代
痔ろう(痔瘻)、出血有り。痔瘻にはアルコールと甘い物が大敵です。この患者さんは、毎夜のアルコールを続けながらも改善した例です。

治療開始
補脾剤と、漢方薬(痔の適方)、代謝賦活剤の服用を開始する。

服用4ヵ月後
なんとなく腫れも小さくなり、楽になってきたような気がしています。

服用6ヵ月後
小さな腫れに伴い膿も出ていますが、以前に比べれば格段に楽になりました。

服用8ヵ月後
この1ヶ月は元に戻ったように、良くない状態が続きました。(アルコール服用習慣あるため)。漢方の肝機能改善薬の服用を開始。

服用10ヵ月後
一時期の、良くなりかけた状態になってきました。痛みを感じるような腫れは無く、膿も少量になってきました。

服用24ヵ月後
ようやく治ってきたことを実感できるようになりました。1ヶ月以上腫れもなく、患部が小さくなってきています。膿は気にならない程度で、漏れ出ています。
下痢体質が改善されてきているのと同調して、良くなっているように思われます。

服用34ヵ月後
従来から患部を触って膿が出ているのを、ヌメリと臭いで確認していますが、量も頻度も少なくなっているような気がします。殆どヌメリを感じず、臭いで膿が出ているのを確認できる状態です。

服用37ヵ月後
たまに、にじみ出ていた膿も、出ているのか出ていないのか良くわからないような日々が続いています。

漢方太陽堂からコメント

化膿性疾患には、甘い物、アルコールは大敵です。養生をお守り頂くことをお願いしています。

とても良くなっている気がします

薬歴No.6410男性38歳
前回、新しい漢方薬を追加して頂いたおかげだと思いますが、いつもより良くなっている気がします。
痔瘻(痔ろう)を触った感じも、腫れが引いていて、とても良くなっている気がします。

漢方太陽堂からコメント

こんにちは。解毒・消炎作用のある漢方薬を加えてから、更に良くなって来たのですね。
化膿も、より早く改善すると思います。
引き続き、ご養生も併せて取り組んで行きましょうね。

便秘と共に大分改善されたことを実感

薬歴No.6132女性〇歳
膿もすっかり出なくなり、肛門周辺の皮膚も柔らかくなりました。
ただし、痒みが出て参りました。便秘薬の粒剤も少量で良くなり、便秘と共に大分改善されたことを実感しています。

漢方太陽堂からコメント

こんにちは。膿の状態は落ち着き、また便秘もかなり解消されて来ましたね。
痒みが出て来たとの事、「痔の痛みに対する粉剤」と「古血を除く粒剤」と、同時にお飲み頂く「粒剤」で改善します。こちらの粒剤は塊を取る働きがあります。出来ましたら一緒にお飲み下さいね。

余り意識しなくて過ごせます

薬歴No.181女性51歳
痔ろう(痔瘻)は凄く調子が良いです。先月位までは、排便後に膿だまりの様な所に膿が溜まっていましたが、最近は少なく痛みも腫れもありません。
膿は当然ながら非常に少ないです。最近は余り意識しなくても過ごせる様になっています。
今までは気になっていた痔核も、同じく意識しなくて済んでいます。大きさの事ですが、以前より小さくなったと思います。しかし、まだ消える所まではいっていません。
気持ち的にも強くなった様な気がします。身体に自信が出来たのか、イライラしなくなりました。

漢方太陽堂からコメント

痔ろうも痔核も調子が良いのですね。
膿は少なく、痔核も小さくなったのですね、何よりです。
体調が良いからイライラも減ったのでしょう。引き続き完治目指して、漢方とご養生を続けましょうね。

痔ろう(痔瘻)の疼きも少なく快適に生活しています

薬歴No.4593男性29歳
漢方薬を飲み始めて20日間は疼きや、しこりも指で触ると分かる程でしたが、今はしこりが少し小さくなって疼きも少なく、快適に生活しています。
慢性化していた下痢も殆ど無くなりました。体質が少し改善されたと言う事でしょうか?
仕事も忙しく、漢方薬を飲むタイミングが難しいのですが、毎日飲む事を心がけています。あと食生活にも気をつけています。

漢方太陽堂からコメント

症状が少しづつ落ち着いて来ている様ですね。本当に良かったですね。
下痢も今は殆どない状態と言う事なので、何よりです。漢方薬が合っているのでしょうね。
でも、まだ糸練功の合数は低いので油断は禁物ですよ。大事なのは、漢方薬を毎日飲み、食事と生活習慣に気を付ける事です。引き続きご養生されて下さいね。

1週間程で落ち着いてホッとしています

薬歴No.1983女性33歳
お陰様で腫れは治りました。熱まで出て一時はどうなるかと、食事も喉を通らないほど不安でしたが、1週間程で膿が出て落ち着いてからホッとしています。
それでも、この前トイレで強く力んでから肛門内が少し切れた様で痛みがあります。

漢方太陽堂からコメント

熱は引いて腫れは治まり、膿が出なくなって、本当に良かったですね。
合数も安定しておりますよ。また悪化状態にならない様、引き続きご養生と漢方薬を続けて下さいね。

痔瘻(痔ろう)肛門周囲膿瘍。私の苦い思い出

漢方太陽堂、薬剤師、木下順一朗

私には、非常に恥ずかしくて苦い経験があります。
漢方の勉強を始めて6~7年した頃です。その頃の私は精力的に夜まで勉強や仕事をしていました。眠るのは夜の1時、2時は当たり前。仕事をしない夜は遊びに行っていました。
東洋医学を勉強する身でありながら、好きな食べ物は肉類、油物、甘い物、刺激物、アルコール。朝まで飲み明かした事も何度もあります。甘い物も大好きで食後には必ずデザート、3時のお茶に甘いお菓子と不摂生の生活でした。
ちょうど32歳の頃、急にお尻が腫れ痛みがありました。肛門周囲膿瘍の化膿による腫れでした。東洋医学を勉強し、相談の仕事をしている立場にも関わらず恥ずかしい話です。日頃の生活の不養生、食事の不摂生が祟ったのです。
しばらくすると、お尻の左側に穴が開き痔瘻ができ膿が出始めました。膿が出ると少し楽になりました。そして、治ったかのように穴は塞がり膿が止まりました。
2~3日すると、また腫れて痛み、膿が出ます。椅子に座るのも辛い毎日でした。酷い時は寒気がして熱が38度を越した事も何回かあります。

半年ほど経ち、知り合いの病院に相談に行きました。担当の先生にお尻を診せ指を入れられました。そして「木下先生、手術しか方法が無いですよ、、、」と告げられました。痔ろう(痔瘻)、肛門周囲膿瘍には抗生物質も効きません。

痔瘻(痔ろう)肛門周囲膿瘍で手術は、したくありませんでした。
せっかく東洋医学の世界に居るのだから、漢方で治そうと決心しました。それから痔ろう(痔瘻)に対する方剤を調べていくと、幾つかの薬方がピックアップされました。更に治験例を調べ上げていきました。治った例はありますが、残念な事に「確実にこれで」と言う改善例は有りませんでした。それでも「絶対、自分で治そう」という決心は変わりませんでした。

治療を開始して1年以上が過ぎました。私の痔ろう(痔瘻)は、一進一退で良くも悪くもならない状態でした。その間も膿は出て、下着が汚れないようにガーゼをお尻に当てる毎日が続きました。だんだん「既成の漢方処方では治らないのでは?」と感じ出していました。
その頃、私はある難病に対する漢方処方を開発中でした。その自分で開発した薬方薬を改良し自分に使用してみました。飲みだすと、それからは毎月毎月改善し、膿も出なくなりました。結局1年ほどの服薬で完治しました。あれから30年以上が経ちます。再発もしていません。

漢方太陽堂から

漢方太陽堂では痔ろう(痔瘻)の患者さん全員に殆ど同じ治療をしています。遅い人早い人ありますが、皆さん改善しています。
治療法は手術しかなく既成の漢方薬も効かない疾患を、私自身が治しました。そうです。手術を考えている人へ「手術はイツでも出来ます。」

また患者さんが最も多い痔核は、痔ろう(痔瘻)に比べ効果も早く治しやすいものです。一人一人病状や生活環境が違いますので絶対とは言えません。しかし今までの経験では、適切な漢方治療をすると、ほとんどの人が治ります。
私自身が、あの辛い毎日から救われました。手術しかないと思っている方。もう一回考えて見る価値があります。

お病気に対して

痔ろう(痔瘻)は肛門部の感染です。しかし抗生物質が効かないため、手術しか治療法がありません。漢方太陽堂の漢方治療で、手術せずに治癒された患者さんが大勢いらっしゃいます。手術はいつでも出来ます。

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