漢方生薬の記事

漢方薬の原料である生薬の質の鑑別や働きを解説します。

漢方生薬

貝母、麦芽、麦門冬、薄荷、蜂蜜、半夏

イネ科の大麦の少し発芽した種子を乾燥したものです。大麦を水に浸し、発芽して3から5ミリになった後、取り出して日干しにしたものです。ヨーロッパでは、有史以前から主食の一つでしたが、グルテンを含まない為パンには出来ず、現在は食用ではなく飼料やビール、ウイスキーの醸造用として栽培されています。
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反鼻、枇杷葉、白芷、白朮、蒼朮、白斂

マムシの内臓を除去した後の全体を用います。薬としては現在では、殆ど韓国産のマムシが使用されています。薬材として使う場合は、皮をはいで棒状にしたものを反鼻あるいは五八霜と言います。皮付きのまま蒸して円盤状にしたものをマムシの蒸し焼きと呼びます。マムシのヘビ毒は、血液毒成分と神経毒成分が含まれて血液循環障害や出血、壊死、浮腫などが出現します。
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檳榔子、茯苓、附子、仏手柑、防已

シュロ科の檳榔の種子を乾燥したものです。果皮部分は大腹皮と言います。中国産を大腹檳榔と言って良品となります。オランダ産の物はやや品質が落ちます。昔、貴いお客さまが来客した時にビンロウの果実をご馳走に出したものですが、賓とか郎は貴客の名称であるので賓郎から檳榔の名を得ました。
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芒硝、防風、牡丹皮、牡蠣、蒲黄

芒硝は、古くは結晶硫酸マグネシウムでしたが、本草綱目という本を書いた中国の李時珍という人が誤って結晶硫酸ナトリウムを芒硝と思い違いをしました。その為に中国より誤って伝えられて来て、日本でも硫酸ナトリウムを芒硝として使用していました。
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麻黄、麻子仁、木通、木香、益母草

麻黄には色々なアルカロイドが含まれていて、渋いような麻痺させるような味があり、黄色なので麻黄と呼ばれるようになりました。新鮮な麻黄は、青みを帯びた緑色なので、麻黄のことを青色の薬という意味で青竜と言います。
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薏苡仁、竜眼肉、竜骨、竜胆、竜脳、良姜

ハトムギの果実の果皮、種皮を取ったものと言われていますが、果皮と実の付いた物が良いと言われています。食用と薬用があります。日本で薬用として使用されている薏苡仁はモチ型です。東南アジアで食用とされている物は大粒のものが多いです。
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羚羊角、連翹、蓮肉、鹿角、露蜂房、芦根

羚羊角は、蒙古および中国に棲息しているレイヨウの角です。日本のカモシカの角も和レイヨウとして使用しています。貯蔵には、風に当たることを避け袋に入れて貯えます。風に当たると薬効が落ちると言われています。使用する場合は、ヤスリで粉末にして使用します。
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柴胡、細辛、細茶、山査子

香附子には、シペレン、シペロルなどの精油が入っているので、香ばしい匂いがするので香附子と言われています。精油が有効成分で、その香りが気の薬と言われています。気とは気分のうっとおしい状態や、のぼせ上がっている状態で、香附子は各所の臓器が働きすぎたり、鈍ったりしている機能亢進、衰退を調える働きがあります。
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山梔子、山茱萸、酸棗仁、山薬、山椒、蜀椒、花椒

山梔子の本名は梔子です。梔子は酒の入れ物で、山梔子の形は梔子の入れ物の形に似ているため、梔子と言われました。子は実の意味で山梔子はくちなしの実です。シシの形のくちなしの実ということで山梔子という意味になります。
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山帰来、蒺藜子、芍薬、麝香、車前子

別名土茯苓ともいいます。中国からインドにかけて分布するユリ科のつる性落葉低木の根茎を用います。別名の土茯苓は中国での生薬名となります。現代でも家庭薬の皮膚疾患治療剤として、サンキライの名でしばしば配合されています。
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縮砂、朱砂、乾生姜、小麦、升麻

別名砂仁とも言います。果皮を除いた種子塊で、大型で堅く充実した仁が豊満で香味の強いものを良品とします。弱った臓器に力をつけて活性化させます。気をめぐらし胃腸系を調えます。胃腸の活動を促進し、腹部膨満感、飮食停滞を解消し、消化不良による下痢を治します。
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辛夷、神麹、紫苑、紫根、真珠

辛夷はコブシ、またはタムシバの蕾を乾燥させたものです。コブシの蕾は、手を握ったコブシのようなのでこの名を得ました。辛夷は、辛味があるので辛の字を得、その形は芽が出たような形であるので辛夷となりました。