漢方生薬の記事

漢方生薬

秦艽、蜀漆、石膏、川芎、穿山甲

リンドウ科の多年草、秦艽をはじめ、チベット、雲南、四川などに分布するソケイジンギョウ、チベットリンドウなどの植物の根を用います。いずれもリンドウと同じゲンチアナ属の植物です。リウマチなどの関節痛や筋肉痛、痺れ感などに用います。
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赤芽柏、阿膠、芦薈、威霊仙、茵蔯蒿

別名将軍木皮といいます。若芽が赤い為アカメといい柏餅のカシワの葉のように食べ物を包んだりした由来からアカメガシワという名前になりました。日本の民間薬として古くから切らずに治す腫れ物の薬として用いられて来ました。
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蝉退、接骨木、川骨、赤小豆、石決明

セミの抜け殻のことです。セミの幼虫が地中を出て成虫となる時に脱皮した殻です。脱皮する時は地上に出て、多くは樹上に昇り樹上1、2尺のところで脱皮します。これを木ゼミと称しこの抜け殻を乾燥すると茶褐色になり堅く且泥土を付着しているので薬用としては下品となります。
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前胡、青皮、皂角子、皂莢、桑白皮、蘇木

ノダケの根を採集して水洗いし、後に日干ししたものです。柴胡に類する根にして、外面は灰黒色で内部は白色で質は柔らかいです。芳香があり味は微かに苦みがあります。アレルギー毒による中毒症を軽減します。特に首の凝りをとり痰をとり胃腸を整えます。
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茴香、鬱金、烏薬、烏梅、如発如而矢

茴香精油のよい香りが働き、血液経路等全身を回って刺激させる働きがあるため回香のある草、すなわち回に草辺をつけ、ウイキョウとなりました。虚弱体質の人が神経不安定になり消化不良、低酸症になったり、逆にそれでは消化できないと身体が自然の本能フィードバックで過酸症になってしまった胃の消化促進をしてくれます。
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蘇葉、蘇子、続断、大黄、大豆黄巻、大棗

シソの葉を蘇葉、シソの種子を紫蘇子として薬用に使用します。シソには良い香りのペリラアルデヒド、その他の精油があり血行を良くし、気分を爽快にするので人を蘇らす働きをなすと言うことから紫蘇の蘇の名を得ました。また、シソの葉の色をみると、背面青い片面シソ、両面青い青シソ、表裏共に紫色の紫シソとありますが、紫の多い方が効果があり紫の蘇より紫蘇の名を得ました。
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延胡索、黄耆、黄芩、黄柏、桜皮

チカラシバやスモウトリバナは、花梗を絡ませて互いに引張りあう勝負をしたものです。伊勢地方では太郎坊といえばスミレ、次郎坊といえば次郎坊延胡索のことでどれも花の距に絡ませて勝負したことに由来します。中国産が良いとされ、粒が肥大してよく揃い、黄色の濃い鮮やかなもので、質が充実し苦味の強いものが良いとされています。
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大腹皮、沢瀉、丹参、淡豆豉、大蒜

マレー半島原産のヤシ科のビンロウジュの成熟果皮を乾燥したものです。種子は檳榔子と言います。日本には奈良時代に薬用や染料の目的で輸入されたという記録があります。毒性を取り去る為、原植物を採取して濃い酒に浸し洗います。次に黒豆の煎汁に浸し洗い、日乾しした後に用います。
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黄土、伏竜肝、黄連、遠志、艾葉、何首烏

カマドの下の焼土のことで、カマドに神があってその神を伏竜と言い、それより伏竜肝との名を得ました。焼き土を使っても効果が上がりますが、瓦を細かく割って、火で焼いて、水中に数回放り込んで、水溶物質を溶かしても焼き土と同じ効果があります。
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地黄、竹節人参、知母、釣藤鈎、猪苓

地黄は、アカヤジオウやシロヤジオウの根を薬用に使用しますが、シロヤジオウの栽培が困難なのでアカヤジオウの根を薬用として使用しています。アカヤジオウの根を水に入れると、比重がより小さい時は水の表面に浮き、中程度の物は水中に浮遊します。比重の大なる物は水底に沈んでしまいます。
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瓜子、冬瓜子、藿香、葛根、滑石、栝楼仁、瓜呂仁

冬瓜子は冬瓜の種子であり、漢方では消炎性利尿、排膿薬として水腫および癰腫に用いられます。冬瓜は、他の瓜類より遅く成熟し、霜が降るようになって後に熟すので冬瓜の名を得ました。
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乾姜、甘草、栝楼根、瓜呂根、枳殻、枳実、桔梗

干した生姜のことを乾姜といいます。生姜中の揮発しやすい精油を取り除いて、辛味成分のみにしたものです。乾姜は茶褐色で澱粉が糊化して乾燥された固い塊になっており、口を焼くような精油らしきものがないのが特徴です。漢方の古典では小生姜を使用します。奈良時代に日本に漢方薬として伝わって来ています。一方、現在の日本の生姜は大生姜で、江戸時代に伝わって来た生姜です。