排便時に軽い出血及び痔核の突出。かけ橋掲載分
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妊娠、出産後の痔核
1974年生、女性
妊娠時に内痔核を発症、その後一時的に改善されたが、また発病された女性から相談を受けた。肛門全体が腫れたようになったり、肛門の一部が盛り上がったようになったりするという。
糸練功で確認したところ
肺経0.2合甲字湯証の痔核のような状態、脾経0合補中益気湯証の脱肛のような状態、心包経0.2合大甘丸証の便通の状態を確認。灯盞花製剤、丹参製剤、瘀血改善目的で、また便通に対しても漢方薬をお出しした。
1ヵ月後、脱出と肛門の腫れ感が減り、排便も楽になり、気持ちよく過ごされている。2ヵ月後、肛門の腫れはなく、イボがかなり小さくなったが、生理前後は少し症状改善が後退。3ヵ月後、生理後は特に酷く、脱出状態。米粒半分くらいの新しいイボが増えた。
4ヵ月後からは脱出がなくなり、その後は良い状態を維持され、7ヶ月経った現在は1ヶ月で2、3日、排卵や生理前後辺りで少し腫れる事がある程度となった。
出産後に痔で悩みながらも、どこにも相談できず悩んでいる女性はとても多い。痔核は肛門部の瘀血が関係している。
妊娠中や生理前は痔核が悪化しやすい
妊娠中や生理前は当然下腹部に瘀血が溜まる為、同じ下腹部の瘀血が原因である痔核も悪化しやすい。この方は痔核が原因の脱肛であった為、まず原因の痔核から治療を開始した。
妊娠中の場合は痔に対する積極的治療はできないが、出産まで少しでも症状が軽く済むよう、また産後は産後の肥立ちと併せて漢方治療を行い、順調な経過を示されている方も多い。
痔核の男性
1980年生、男性
2007年の夏に来福するという事で初来局されました。症状は排便時に軽い出血及び痔核の突出。
痔核の痛みが強くお辛いご様子
痔核を戻す時は痛みがあり、その痛みが持続するという事でした。最近になって痛みがかなり強くなり、以前から歩く運動も出来ない状態なので、完治を目指したいと仰っていました。
糸練功でチェックした所、主な原因として考えられるものとして、乙字湯証を確認しました。症状が出てから油物やお酒も控えているという事でした。それでもお酒はほぼ毎日飲んでいるとの事でした。
痔核には、便秘とアルコールが大敵
痔核の症状は食養生や便の状態と深い関係がある事を説明し、ご理解された上で実践して頂きました。漢方治療一週間後には便の状態はかなり改善され、痛みも相当緩和したという事でした。
その後も便の状態や痛み、イボの大きさは改善へ進んでいます。こちらの男性は食養生もしっかり実践し成果も上がり、改善のスピードが早いです。合数がまだ低めなので、これから先まだ症状の波があると思いますが、養生をしっかりと続けていく事で症状の波が穏やかになるのは早いでしょう。
肛門部の疾患は食事による影響が大きい
どの痔にも言える事ですが、肛門部の疾患は特に食事による影響が強く、毎日異なる食事によって症状が常時左右されています。より早い改善には、きちんとした養生をした上で漢方治療をする事が必須であるという事を改めて実感した一例です。
痔核手術の対象20年前から
1946年、男性
20年前から痔の症状があり排便時に出血がある男性。病院からは痔核、2度から3度の間と診断され、手術の対象だった男性から相談を受けました。
糸練功にてお調べした所、桂枝茯苓丸証を確認しました。痛みや出血もあり進行している為、食事での御養生がとても大切とお伝えし、アルコールや刺激物は特に気を付けて頂きました。
状態が良くなってきました
漢方治療3ヶ月頃から痛みが軽くなり膿や汁は少し出ますが、状態が良くなってきました。
その後も状態良く改善して行きましたが、お仕事などのストレスにより痛みが出てしまう症状が出てきました。清熱作用のある薬味を加える事で翌月には症状が治まりました。毎月薬味の微調整をする事で良い状態を維持されました。
漢方薬を少しずつ減らしながら再発防止に努めて頂きました
痔核の状態が進行していた事もあり、とてもゆっくり改善して行きましたが、症状が出なくなっても痔はしつこい為、漢方で再発防止に努めて頂きました。
1日2回を1回に、正式処方を補助剤に、症状が軽くなるにつれ漢方薬の分量を減らしました。症状が安定した状態を維持された為、更に少しずつ漢方薬を減らしました。最終的には2日で1包の状態で、症状が安定した為、無事に漢方治療を卒業する事となりました。
漢方治療をはじめ6年掛かり、順調では無かったが漢方薬を続ける事で治癒した漢方治療の一例です。