せめて顔だけでも、子供を想うご両親のお気持ち

その他の皮膚病

尋常性白斑と診断された男の子。かけ橋掲載分

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子供さんの尋常性白斑

2002年生、男性

病院で尋常性白斑と診断された男の子の相談を受けました。お手紙には痒みや痛みなど全く症状はなく、ただ色が抜けて白くなっているという事でした。

白斑部位は左眼と右眼周囲、さらに頭皮の白斑部からの髪の毛も白いという事でした。せめて顔の白斑だけでもどうにかなればという子供を想うご両親のお気持ちが切々と伝わりました。
糸練功でチェックした結果、3つの証を確認しました。2つの証を粉薬で、1つの証を外用のエキス剤で取り組んで行きました。

年齢が低い程、白斑の進行は早く進む傾向にありますが、この方の患部の広がり方は一進一退でした。
幼い男の子ですが、きちんと漢方薬を飲んで早く症状を改善させようと一生懸命頑張っており、その中で糸練功の反応としては、より深い原因の証や生体が症状を改善させようとする時に出現するであろうと考えられる証などを確認し、漢方薬を変更して行きました。
また、皮膚の新生を促す外用のエキスも改良を重ね、より良いものへと変わって行きました。

当初は患部の拡がりを抑えるのが精一杯でしたが、今では白斑部の範囲が少しずつ狭まって色素が付いてきました。

白斑はまだ分からない事が多く、今回の例でもまだまだ白斑部は広いです。ただ、今回の例や他の例をヒントに、改善率がこれからグンと伸びるような手応えを得た気がします。これからも今の状態に満足せず、より良い方法がないか探して行こうと考えています。

皮膚病。手術跡の張りと痛みに悩む女性

1941年生、女性

右手の人差し指の先から菌が入り、2ヶ月前に手術を受けた後、1ヶ月前に退院し、手術跡の傷の張りと痛みに悩む後縦靭帯骨化症治療中の60代女性から相談を受けた。
指先から肘辺りにかけて、縫った手術跡周りは盛り上がり手全体もパンパンに張っている。見た目も痛々しく、手術で縫った部分が柔らかくなるものを希望された。

糸練功にて確認した所、人差し指先の腫れにまだ患部の膨張が十分でない証を確認。証から推測し化膿が残っていると思われた。代用として気満を取る粉剤を選択。傷跡には皮膚の新生を助ける外用を薄く伸ばして塗って頂くように差し上げた。後縦靭帯骨化症は知覚神経に対するもののみ継続。

1ヵ月後、手の腫れは治まったが、痛みが出てきたという。神経の調子が戻ってきたのかもしれないが辛いと訴えられる。手術跡の盛り上がった感じは先月よりかなり引いていた。
糸練功にて確認した所、痛み症状は五志の憂からきており、気うつと気の上衝の証と思われ、気分を落ち着かせてくれる作用を高める補助剤を一緒に差し上げた。現在、傷跡に対しては外用の塗布と気満を取る粉剤、五志の憂治療を継続中である。

この女性は骨化症そのものはかなり改善してきており、漢方治療をしてきた為か、入院等をしても、以前のように落ち込む事はなかったと言う。
しかし、もっと早く漢方太陽堂での傷跡治療を始めれば、より早く改善へ向かう事が出来たかもしれない。また、指先から菌が入った場合も、特に初期なら漢方治療が役立つ点は多く、周知が必要と思われた。

皮膚病。白斑の女の子

1998年生、女性

白斑、白癜が胸に出来た女の子の相談を受けた。まだ4歳の痩せ型で控えめな、笑顔の可愛い女の子である。

白斑は右胸上部に出来ている。大きな白斑を中心に島状にあり、肌の色が浅黒いため余計に目立つ。現在まで皮膚科にて治療を続けるが効果は無かったとの事。

糸練功で白斑部分を調べると、脾の臓陰証0.5合3プラスに異常を確認。その他、心の臓陰証。0.5合2プラスに異常がある。

脾の臓陰証は、以前から気付いていた白斑患者さんに共通の証である。従来は脾の臓の治療のみを行ってきた。ずばり効いたという印象はない。今回は脾の臓に加え心の臓陰証の治療に挑戦してみた。
脾の臓陰証に白参製剤加蜂蜜、心の臓陰証に生薬エキスを選薬。生薬エキスは、半信半疑で嫌がるお母様を説得し御家庭で造って頂き塗布した。
1ヵ月後、脾の臓0.5合、心の臓。0.5合。全く改善せず。話を聞くと生薬エキスの塗布を忘れがちのようである。毎日小まめに塗布するよう固く約束する。
4ヵ月後、脾の臓3.2合、心の臓2合。症状の変化なし。生薬エキスの塗布を徹底して頂く。
6ヵ月後、脾の臓8合、心の臓6合。徐々に白斑が消失。ご両親も何処に有ったのか分からないと言われる。
その後、1年間再発防止で漢方薬を服用し治療を終了となった。

皮膚病。病院でカンジタ症と診断されたご婦人

1933年生、女性

カンジタ症を発病して3年になるという患者さん。3年間病院で内服薬と外用薬で治療してきたが治らないとの事で相談を受けた。陰部の痒みが強く、以前は発赤もあったとの事。
問診をすると、帯下は無く、やや不眠がちである。舌診の結果は、苔は無く乾湿中間。最高血圧は120。最低血圧80で安定している。定法通りの肝経に沿った下焦の炎症の証である。
糸練功のチェック結果も肝の臓の瀉1合3プラスの色黒浅く便秘気味の人が多い証。それと五志の憂が腎の臓に確認される。体質的血虚を持つ不安神経症に対する証である。
9月30日、感染症に対して煎じ薬、橙の皮を主成分とした粉剤、めまいやのぼせに対する補助剤を投薬する。今回不安神経症の症状は軽い為、上の投薬のみとする。
10月13日、肝の臓は6合1プラス。痒みが殆んど取れ、もう治った様な気がすると患者さんは大喜びである。
11月12日、肝の臓は8合プラス3。
12月15日、肝の臓は10合プラスマイナス1。陰部の痒みは消えたが、心の不安を訴えられる。神経症の治療として、煎じ薬を前記薬方に追加。
翌年3月25日、カンジタ症も神経症も治り、投薬終了となる。
2年後、この患者さんは再来され「あれ以来カンジタ症も神経症も良くなったが、今回は半年前から腰が痛い」と訴えられる。
膀胱経に0合の腰痛を確認。今回は傷ついた骨や軟骨を修復する接骨木葉製剤とミネラル豊富なミネラル製剤を1ヶ月服用したら治ってしまった。