なんとなく不調でやる気が出ない男性

その他の病気

写真は鹿児島県と宮崎県の県境、高千穂の峰の登山口。

頻脈、手掌汗。かけ橋掲載分

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気力が無い

1973年生、男性

気力が無く、なんとなくいつも不調を感じている男性から相談を受けた。
詳しく話を聞くと、脈が早くなる事があり、病院に行くほどではないが寝起きが特に怠いので、何とかしたいとの事。
問診と糸錬功により桂枝加竜骨牡蠣湯合小建中湯証を捉えた。
食事が取り難く、気が巡らない為、元気が出ずに倦怠感、やる気、無力感等、負の連鎖が起こる。酷い方は不眠の症状が出る。
服用開始から少しずつ調子が良くなり、3ヶ月後には睡眠も食事も良く取れるようになったとの報告。
元気になって来られた為、漢方薬の服用だけでなく自宅での発汗発散の養生をお伝えした。

  1. 運動やストレッチで発汗する事。20分以上の有酸素運動
  2. 半身浴で発汗する事
  3. 葉物野菜を多く摂り発散する事

なんとなく不調と言うのは我慢しがちであるが放置しておくと病になる可能性も秘めている。
この男性は、頻脈、手掌汗等様々出ていた症状が落ち着き1年程度で治療終了となった。
このような病名をつけ難い症状には一度漢方薬を試して頂きたい。身体に元気が溢れてくるのが、よくわかる。

身体のバランスが整い、元気になったご婦人

1974年生、女性

お子さんの漢方治療をしていたお母様より、自分も一緒に漢方を服用したいと相談を受けた。
主な症状としては、身体の怠さ、心配事があると何も手をつけられなくなる。精神的な事をきっかけに体調不良が起こり、食事も取れなくなるとの事。
病院では特に異常がなく、器質的な問題も全くない。

問診と糸練功により、逍遙散証を捉えた。一般的には逍遙散に牡丹皮山梔子を加えた加味逍遙散を使用するが、瘀血や炎症がなかった為、逍遙散を使用した。
また鎮静、安神作用のある補助剤を服用頂いた。

養生としては、副交感神経を優位にしやすい20分以上の有酸素運動やぬるま湯で半身浴などをお勧めした。
適度な発汗は、リラックス効果をもたらし、症状の改善に繋がる。

数か月漢方薬を服用後、体調が良くなって来た為、減薬し補助剤も休薬した。
さらに半年後には、不安に思うことが減り、とても調子が良いと嬉しいご報告を頂いた。

西洋医学では異常がなく診断がつかない疾患でも、患者様が訴える症状を東洋医学の証として捉え、身体のバランスを整え、自然治癒力を高める全体的な治療を行うことができる。
西洋的治療が出来なかった方には、ぜひ漢方薬を試して頂きたい。

新型コロナ罹患後7キロ痩せた女性

1963年生、女性

新型コロナウイルス感染症罹患後の体調不良で女性より相談を受けた。
本来ならば1週間程度の休暇後出社予定だったが、ふらつき、息苦しさ、痺れ、食欲がない等様々な症状が出て仕事に行く事が出来なかった為、漢方薬の服用を考えられた。体重は7キログラム減った。

問診と糸練功にて帰耆建中湯加膠飴をお出しした。
この漢方薬は、桂枝湯に補血作用のある当帰、さらに病後の体力を補う黄耆、膠飴を加えた処方である。
補助剤として、ミネラル、アミノ酸を豊富に含んでいる牡蠣肉エキスをお出しした。食事が摂れない方には栄養補給としても使用できる。証から考えると、とてもお辛い状況だという事が伺える。

漢方薬服用後1週間程度で仕事に復帰されたが、夜になると、眩暈が出るため引き続き服用頂いた。
食事では、体力を補う穀類の米、イモ等。鶏肉、蓮根、干し蒲陶などをお勧めした。最初に来局されてから約1ヶ月服用され、身体が元の状態に戻ったので治療終了となった。

新型コロナウィルスは、咽頭痛、嗅覚、味覚異常、咳、倦怠感等の症状が残る方がいる。その方の症状と体質を考慮して漢方薬はお出しする為回復が早い。
漢方薬は、慢性病に効果があると思われているが、急性病にも効果がある。ぜひ一度試して頂きたい。