吐き気や眩暈、動悸が1ヶ月で改善

眩暈

写真は鹿児島県と宮崎県の県境、高千穂の峰の馬の背越え。

眩暈、動悸。かけ橋掲載分

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吐き気、眩暈、動悸

1968年生、男性

吐き気の様な気持ち悪さ、フワッとした眩暈の様な症状に悩まされているという男性から相談を受けた。
車酔いの様な、なんともいえない気持ち悪さ、フワッとした感覚は前かがみになると起こりやすいとの事。
また夜中に動悸や息苦しさで起きる事があり、なかなか寝付けないとの事であった。
問診と糸練功にて、半夏白朮天麻湯証を捉えた。

当薬局では交感神経の興奮で脳血流が低下する事による眩暈、主にフワフワとした眩暈に使われる事が多い。
この男性は普段からイチョウ葉エキスを健康食として常用していたが、イチョウ葉は半夏白朮天麻湯の働きを強め過ぎてしまう可能性がある。
しばらくは飲む事を控えるよう指導した。

服用開始から1ヶ月、吐き気のような気持ち悪さやフワッとした眩暈のようなものはほとんど感じなくなったとの事。
また夜中の動悸や息苦しさで起きる事も無くなり、朝までぐっすり眠れる日が多くなったとの事であった。
漢方薬での体質改善には、時間が掛かる印象を持たれがちである。疾患や症状によっては、正しく証を見極める事で非常に早い改善を辿る事もある。
この男性は、漢方薬の治療終了判断をする前に来られなくなってしまったが、改善が見られた後強く感謝しておられたのが印象的であった。気になる症状は遠慮なくご相談頂きたく思う。

東洋医学の証を見極めると改善が早い眩暈

1949年生、男性

回転性の眩暈と目の前が真っ暗になる様な症状を訴える男性から相談を受けた。男性は仕事で船に乗る機会が多い。

万が一、船の上で眩暈を起こしたらと思う不安から体質改善を希望された。

東洋医学で眩暈は、大きく3つに分ける事ができる。

  1. 自分や周囲がグルグル回って見える、回転性の眩暈
  2. 雲の上を歩いている様なフワフワした、動揺性の眩暈
  3. 脳貧血の様な急に立ち上がった時に起こる、立ちくらみ

多くの眩暈は命に関わる心配はないが、稀に脳梗塞等の血栓が原因で起こる事も有る為、注意が必要である。
問診と糸練功にて苓桂朮甘湯と澤瀉湯を捉えた。

苓桂朮甘湯証の眩暈は立ちくらみの様な脳への血液が不足する事で起こるクラッとするような状態であり、澤瀉湯証は自分や周囲がグルグル回って見える様な水毒の動揺による激しい回転性である。

養生として

  • 運動や長風呂等で発汗する事
  • 発表作用のある白胡椒やわさび、生姜、葉物野菜等を摂取する事を勧めた。

服用開始から1ヶ月。眩暈が起こる事なく過ごせていると嬉しいご報告があった。
体質改善の為暫く服用頂くが、非常に順調な改善である。

嘔吐する酷い眩暈が1ヶ月で改善

1969年生、女性

突然耳に違和感を感じるようになり、その後クラクラする眩暈を感じるようになった女性から相談を受けた。
病院の診断は、頚椎5番から6番の圧迫が原因ではないかと言われた。

眩暈の原因は様々あるが、眩暈の症状として

  • グルグル回る回転性眩暈
  • ゆらゆら揺れているように感じる動揺性眩暈
  • フワフワする浮動性眩暈
  • クラッとする立ち眩み

に大別できる。

女性は、元々皮膚に湿疹などの症状があり、当薬局の漢方薬服用により完治した為、眩暈も漢方薬で治そうと考えていたそうだ。

問診と糸練功により苓桂朮甘湯証を捉えた。
胃腸の水毒が、気の上焦に伴い、眩暈を起こしていると考えた。気の上焦が起こると、眩暈だけでなく、胸がドキドキしたりと神経症状を引き起こすこともある。
養生として

  1. 運動や半身浴で発汗
  2. 葉物野菜、白胡椒、ワサビ、シナモン摂取で発散

をお勧めした。漢方薬服用1ヶ月で眩暈が軽くなり、減薬しながら5ヶ月で漢方薬終了となった。

疾患や症状によって、正しく証を見極める事で非常に早い改善を辿る事がある。しかし、眩暈は脳溢血など命に係わる場合もあり、漢方薬を試す前に一度検査をされる事をお勧めする。