出産後より肛門が出て、排便の時は必ず脱出

脱肛

出血と痛みがある脱肛。かけ橋掲載分

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脱肛で悩むご婦人

1956年生、女性

脱肛の相談を受けた。

患者さんは出産後より脱肛が始まり、排便の時は必ず脱出するそうである。出血と痛みが酷いと訴えられる。
問診の結果、血圧は最高血圧96、最低血圧50、低血圧症である。生理は順調で生理痛も無い。冷たい物を摂ると下痢をし易い、あまり汗は掻かないそうである。舌診では薄い白苔があり、やや湿り太陰病位を窺わせる。

糸練功で確認すると太陰脾の臓1合4プラスに脱肛が確認される。また陽明大腸の腑3合1プラスに神経症も確認される。

脾の脱肛に対し脾虚改善剤と肌や筋肉に弾力をつける製剤を、大腸の腑、神経症に対しては自律神経のバランスを整える漢方薬を選薬する。

15日後、脱肛3合1プラス、神経症5合プラス3に急激に改善が始まる。

3ヵ月後、脱肛6合プラス2、神経症9合プラスマイナス1。

4ヶ月後、脱肛8合プラスマイナス1、神経症10合プラスマイナス1に改善。自覚症状の脱肛もこの頃より殆ど無くなってくる。

7ヵ月後、脱肛9合プラスマイナス1、神経症10合プラスマイナス。脱肛は消失し、自覚症状は全く無くなる。

その後、再発防止の為に10合プラスマイナスまで漢方治療を続けた。
脱肛は、痔核と同じ痔の分野ではあるが、原因は全く異なる病態であり脱肛は内臓下垂の一つとして考えると治療しやすい。

また、脱肛は漢方の得意分野の一つである。