患者さんとの「かけ橋」です。漢方相談

太陽堂漢薬局の患者さんに、毎月お配りしています。

漢方治療を少しでも御理解して頂きたく、太陽堂漢薬局での実際の症例を毎月御紹介致します。 患者さんにとって、少しでも御参考・励みになれば幸いです。

(注;東洋医学で言う臓腑経絡は、西洋医学の内臓とは異なります。)

【 自律神経失調症 】と漢方症例報告

自律神経失調症で左手と口唇が麻痺した男性 2002年11月

(昭和6年生、男性。No.2287)

左手と口唇左側が麻痺した男性の相談を受けた。

3月末より麻痺が生じ、4月より1ヶ月程入院したが麻痺は改善しなかった。病院では脳卒中の疑いで検査されたが原因が分からないとの事である。

西洋医学的治療で麻痺が改善しない為、退院後1週間程してから、当薬局に相談に来られた。

問診を行うと、軽度の不整脈が有る以外に特別な特徴が無い。望診上は虚実中間よりやや虚証、痩目で年齢にしては筋肉に締まりがある。

糸練功で麻痺の部分を調べると0.5合に異常がある。また同じ合数に五志の憂が一致する。他にこれと言った異常は見つからない。

五志の憂による知覚神経・運動神経障害だと考えられる。

5月7日、脾胃を整え自律神経を安定するF曲参製剤と▵▵製剤を同時服用にて投与。

6月27日、糸練功のCheckでは4合Ⅰに改善。自覚症状の改善はまだみられない。

10月1日、6.5合+(2)に改善。

翌年2月16日、7.5合+(1)に改善。この時期より急速に麻痺の改善が始まる。

5月8日、治療開始より1年が経過。8合±(1)に改善。手の麻痺も足の麻痺も完全に回復。風邪も引かなくなったと患者さんに喜ばれた。

6月11日、投与量を半分に減らし、再発防止の目的で以後3ヶ月ほど服用し治療終了となった。

自律神経失調症-知覚神経障害-尿道を痒がる男性 2002年10月

(昭和47年生、男性。No.4871)

病134

一昨年の秋、69歳の男性の相談を受けた。団体役員で礼儀正しく、几帳面で頑固な男性であった。

話を聞くと2年前に前立腺の手術をしたそうである。それから時々、尿道が痒いとの事。どうも表面に出ている陰部ではなく、尿道の中が痒いらしい。

「痒い時には掻く事も出来ず、居ても立っても居られない」そうである。何軒かの病院へ行ったが良くならなかったと訴えられる。

話を聞いている間に知覚神経の異常だと感じた。

糸練功で調べると、腎経の経絡病陰証1合Ⅳに異常がみられた。同様に自律神経に反応する「五志の憂」にも1合に異常がみられた。

平成12年10月18日、気の発散をして自律神経を整える煎じ薬と補助剤になるF曲参製剤を15日分投与した。

漢方が不安だったのか、その後来局されなかった。

翌年8月始め、再び同じ症状を訴えられ来局。

糸練功で調べると以前より酷く、0合に悪化している。10ヶ月前と同じ薬方を投与。 今回は几帳面に服用された。

15日後、腎経4合Ⅰに改善を始める。「依然として尿道の痒みは酷い」らしい。

約2ヵ月後、腎経7合+(2)に改善。本人は「痒い時はあるが、忘れる時が多くなった」との事。

治療開始5ヵ月後、腎経9.5合±(1)に改善。本人は「症状が消え、治った」と喜ばれる。

再発しないよう最後まで服薬を勧める。

その後、また来局されなくなった。最終の糸練功Checkが±(1)の時に服薬を中止している。恐らく、また再発しているのではと危惧している。

自律神経失調症のご婦人が更年期障害 2002年7月

(昭和23年生、女性。No.2254)

風景001

患者さんは以前より円形脱毛があり自律神経失調症で治療を続けていたそうである。又、一昨年、子宮筋腫と卵巣の摘出手術を受けている。

最近は更年期障害が重なり症状が酷くなっていると訴えられて相談に来られた。

症状は、頭に帽子を被っているような頭帽感、後頭部痛、不眠、やる気が起こらない等を訴えられる。

舌診の結果は薄い白黄苔がありやや乾燥している。口渇は無いが低血圧症である。

問診・望診の結果、虚証であるが陽証と推測される。

糸練功で調べると「五志の憂」に「心経の陽0.5合Ⅴ」、心経の瀉法が適する状態である。他に異常は見当たらず、更年期障害というより自律神経失調が酷くなっただけだと思われる。

1月18日、頭帽感・不眠等の自律神経を整える煎じ薬と改善スピードを速める補助剤2種類を選薬する。

1月31日、3.5合Ⅱに改善が始まり出す。しかし自覚症状は依然として改善していない。

3月5日、6合+(3)に改善。概ね調子は良いが、まだまだ眠れない日が多いとの事。

4月2日、8合+(1)。殆ど症状は消失。霧が晴れたように気持ちが良いと言われる。

5月10日、10合±。完全に、不眠を始め症状が消失。長年苦しんだ自律神経失調が嘘の様だと喜ばれる。円形脱毛症も髪が生え、分からなくなっている。その後、再発防止に発散作用のある漢方薬を暫く続けた。

自律神経失調症-知覚神経障害-口が開けられない女性 2001年12月

(昭和40年生、女性。No.2219)

病171

非常に珍しい症例に出会った。患者さんは30代の女性である。 口が小さくしか開かないと訴えられ、実際に口が少ししか開けられない。また、常に右下の歯茎が腫れた感じがするとの事である。

先月まで色々な病院に行ったが治らなかったそうである。

糸練功でCheckすると、腎の臓-1合Ⅱに血虚+脾胃の水毒証。小腸経1Ⅱに神経麻痺様の証。

大腸の腑8+(1)気滞+水毒証が確認される。どうも神経症の三分類中ヒステリーによる知覚神経障害と運動神経障害だと思われる。

10月17日、血虚+脾胃の水毒証と神経麻痺様の証に対し、F曲参製剤+Bミネラル製剤を投与。気滞+水毒証に対し、エキス剤を投与する。

10月31日、腎2Ⅰ、小腸3Ⅰ、大腸9±(1)に改善し始めるが、症状は全く改善しない。治るのでしょうか?」と不安を訴えられる。

11月30日、腎5、小腸6、大腸9に改善。途中より自覚症状が急速に改善し始め、全く症状が取れたそうである。口も開くようになった。

その後も同じ漢方薬を服用し続け体質改善を図る。

翌年5月16日、三臓腑経絡とも10合±に改善。

翌年6月6日、再発防止も含め、「今日が最後です」と言い最後の投薬をした。 本人は治らないと諦めていた為、大喜びであった。

最後に

東洋医学の治療は、西洋医学と異なり体質改善や原因療法の傾向が強いです。それだけに、効果の出る時間に個人差があります。「かけ橋」・「多くの漢方治療歴」が、患者さん同士の希望に繋がることを願っています。

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