猪苓湯、通導散、桃核承気湯、当帰飲子、当帰散
慢性膀胱炎。女性、漢方処方応用の実際より引用。30年来膀胱炎で悩んでいる婦人が訪れた。体質は虚弱で冷え症、胃腸はきわめて弱い。この人は30年の間「排尿には不快感が伴うもの」と思っていたということであった。この患者に猪苓湯と当帰芍薬散の合方を与えた。ただし当帰芍薬散の当帰、川芎はごく少量用いた。胃腸の弱い人にはこの薬がすぐに胃にこたえて食欲が減ったり、胸にもたれたりするからである。これで半月にもならないうちに自覚症状が無くなり「排尿には苦痛などは無いものだった」と言うようになった。このとき患者は服薬をすぐ止めてしまった。その後に再発し、再び服薬すると1ヶ月もたたないうちに、症状は再び軽快し、身体が丈夫になって余り疲れなくなり、約1ヶ月服薬して治療を終了した。