- 2016年5月19日
桂枝加厚朴杏仁湯、桂枝加芍薬湯、桂枝加芍薬大黄湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、桂枝加苓朮附湯
日本漢方の古方派を中心とした漢方薬、処方をご紹介します。一般の方から専門家まで馴染めるよう、改善例、処方薬味、適応疾患、……

日本漢方の古方派を中心とした漢方薬、処方をご紹介します。一般の方から専門家まで馴染めるよう、改善例、処方薬味、適応疾患、使用目標、漢方の証、方意をご紹介。
半夏 |
人参 |
乾姜 |
消化機能が衰えてみぞおちが硬く、吐き気、嘔吐がとまらない方に対して用います。

3歳、女性。漢方処方応用の実際より引用
少女は顏の色も全身の色も黒くて光沢がなく、寝ても起きても息切れがして苦しみ悶え、よだればかり吐いて、元気がなく言語に力がなく咳は少しも出ない。
すでにいろいろの治療をうけたので、今では薬を飲むことも怠けて空しく灸だけすえているという。
その時は6月の頃で、先に見た医者は皆8月までは命がもつまいといったと聞く。自分は「人の寿命は明日をも知ることはできないが8月まで寿命があるものなら、治療をすれば9月、10月までは延びるだろう。また少しでも治ったら来春まで生きられるだろう。このように引きのばしてゆけば、5,60年にもなってしまうだろう」というと、その家の人は大笑いして、どうか薬を下さいという。
そこで病人の様子を詳しく尋ねると、寝る時に思わずよだれが出て枕の下が大変ぬれ、夜具の下まで通るという。ここで甘草乾姜湯を与えて「この病気は一朝一夕でなったのではない元来、生まれつき悪いところがあって水血の毒が全身に停滞し種々な治療が全身を疲労させ体液のめぐりが悪くなり、その上、労咳などと聞いて13歳とはいえ死期の近いことを心労し、胸腹に動悸甚だしく、からだは痩せてしまったのだ。先ず、夜思わずよだれが出ることと、唾を吐き呼吸が促追することを治しましょう」と言い、20日ばかり、夜間よだれが少なくなり昼間吐く唾も半分になった。
そこで柴胡桂枝乾姜湯に人参、黄耆を加えて用いた。これはよだれが止んで全身に陽気がめぐるようになった時、ときどき盗汗がでて、口唇が乾燥し、少し口渇が出たからである。禹余糧丸を兼用したところ3,4日のちに、下肢に膝の下から足首まで腐爛したでき物が生じ、日に日に酷くなって、膝頭から足の甲までひろがり、膿汁血汁が出て起坐歩行もできなくなり、床に寝たままになった。
ところが、そのうちよだれはさっぱりと止み、また胸腹の動悸も盗汗も気分の憂鬱なのも皆治ってしまい、飮食、大小便共によく調うようになった。
下肢の出来物は7月の末から10月の初めまで出ていたが、出来物が出るにつれて全身の黒い色がだんだん除かれ色が白くなり光沢が生じて、翌年2月には全快しみちがえるような美少女になった。
乾姜 |
甘草 |
ヒョウ疽、肺結核症、よだれ、赤痢、大腸炎、胃腸疾患で激痛の激しいもの、遺尿、萎縮腎、急性の鼻炎
手足の厥冷、多尿、多唾を目標として用います。そのときの尿も唾液も稀薄です。誤治によって急激に手足が冷え、煩躁、吐逆、口内乾燥などを起こした場合に頓服として用います。平素から冷え性で、尿遺頻数、多唾、眩暈などがあるものに用います。弛緩性出血、後陣痛、凍死しそうな時にも用います。

甘草 |
半夏 |
乾姜 |
人参 |
黄芩 |
黄連 |
大棗 |
胃腸炎、口内炎、神経症、夢遊病、不眠症
上焦の熱証、上焦の熱証による精神症状からくる不眠、感情不安定。脾胃の水毒による激しい下痢、腹鳴、食欲不振。

甘草 |
急性咽喉炎、胃痙攣、反射性咳嗽、激しい痔核、ヒョウ疽などで疼痛の甚だしいもの、口内炎の痛み、発作性の腹痛、打撲の痛み
種々の急迫症状、急に起こる非常に激しい症状のある方に用います。

甘草 |
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桂皮 |
附子 |
慢性関節リウマチ、関節痛、神経痛、感冒
寒証による骨節煩疼、悪寒、熱感のない発熱。表の水毒による稀薄多量の鼻水、くしゃみ。
病位、虚実。少陰病、虚証
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薬剤師。長崎大学薬学部卒業、日本薬剤師会会員、日本東洋医学会会員、東亜医学会会員、伝統漢方研究会会員。20代前半に、現代薬理学から漢方医学に入り40年以上が過ぎました。色々な流派の先生に師事し、最後は故入江正先生に師事し臨床医学を継承しています。