漢方

漢方薬

白虎加人参湯、茯苓飲、茯苓杏仁甘草湯、附子湯、分心気飲

原因不明の高熱に白虎加人参湯。44歳、女性。数年前に胃がんを手術し、やせ衰えてふらふらしていた。しかし、六君子湯を飲んで元気となり術後6年も再発しておらず、元気に家業に従事しているので現在は、手術した大学病院で調査の対象となっている患者であった。ある灼熱の暑さの夏の日であった。患者の夫が相談に来られた。患者が4日前から40度を越す高熱が出て、いろいろ注射もしてもらったが、解熱せず原因がなんとも分からずに困っているから、ぜひ来てもらいたいということであった。
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平胃散、平肝流気飲、防已黄耆湯、防已黄耆湯加麻黄、防風通聖散、補中益気湯

適応疾患。急性慢性胃カタル、急性、慢性胃腸炎、胃アトニー、胃下垂症、胃腸虚弱、胃拡張、喘息、貧血症。使用目標。胃の消化が悪く、宿食、停水が停滞して、膨満感があり、時に下痢がある方に用います。漢方の証、方意。病位、虚実。少陽病、虚実中間の実証。十二臓腑配当。胃。方意。上焦の気滞、上焦の水毒による食欲不振、悪心、息切れ、胸満感に対する方剤です。備考。平胃散証の方は、胃は弱っていないが、怠けている状態だと考えられます。
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補中冶湿湯、麻黄加朮湯、麻黄加苓朮湯、麻黄附子細辛湯、麻黄湯、麻杏甘石湯

適応疾患。浮腫、水腫、腎炎、ネフローゼ症候群、腹水。漢方の証、方意。病位、虚実。少陽病、虚証。麻黄加朮湯、麻黄加苓朮湯。金匱要略。適応疾患。関節炎、慢性関節リウマチ、一酸化炭素中毒、腎炎、ネフローゼ症候群、慢性副鼻腔炎。漢方の証、方意。病位、虚実;太陽病、実証。十二臓腑配当。心、胃、膀胱。方意;表の水毒。身煩疼、四肢疼痛、頭痛。
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麻杏薏甘湯、麻子仁丸、木防已湯、熊胆円、薏苡仁湯

発熱して特に夕方熱が上がり、諸関節や筋肉が腫れて痛む方に用います。この腫脹は特に強いものではなく、痛みも割合緩和です。方意。虚実。少陽病、実証。十二臓腑配当。手の関節筋肉の腫れ、四肢の疼痛、浮腫。燥証としての午後のほてり、皮膚の枯燥、フケ。表の寒証としての悪寒、発熱。備考。麻杏薏甘湯証は、汗が出た後、風に当たり、長い間身体を冷やしたために起こることが多いです。これを東洋医学の言葉では、風湿といいます。この風湿により関節が腫れて激痛があるものには蒼朮、附子を加えると効果を示します。
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柴陥湯、柴葛解肌湯、柴胡加竜骨牡蠣湯、柴胡桂枝湯、柴胡桂枝乾姜湯

小柴胡湯証に準じ咳が酷く、かつ胸が痛むものに用います。胸脇部の充満感、圧迫感と咳が出るときや呼吸を深くしたときに胸が痛み痰が切れ難い人に特に用います。小柴胡湯と小陥胸湯の合方です。小柴胡湯単独より消炎鎮痛作用が大きいです。
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抑肝散、理中湯、人参湯、竜胆瀉肝湯、六君子湯、立効散、五味立効散

抑肝散加陳皮半夏は抑肝散に陳皮と半夏を加えたものです。抑肝散加芍薬は抑肝散に芍薬を加えたものです。抑肝散加芍薬黄連は抑肝散に芍薬と黄連を加えたものです。適応疾患。神経性衰弱症、ヒステリー、婦人更年期障害に発する神経症、中風、夜啼、疲労症、不眠症、四肢痿弱症、悪阻、小児の癇症、血の道症、チック、脳卒中後遺症、くる病、癲癇、夜の歯ぎしり、パーキンソン症候群。使用目標。不機嫌で怒りやすく、神経過敏で、せっかちになり、興奮してよく寝れない方に用います。
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苓甘姜味辛夏仁湯、苓桂朮甘湯、苓姜朮甘湯、連珠飲、六味丸、六味地黄丸

適応疾患。肺気腫、慢性気管支炎、気管支喘息、心臓弁膜症、慢性腎炎、ネフローゼ症候群、心不全、百日咳、花粉症。使用目標。喘鳴、喘咳、咳嗽、息切れなどがあり、浮腫を伴う方で、冷え性で貧血症の方に用います。漢方の証、方意。病位、虚実。太陰病、虚証。十二臓腑配当。腎。方意。上焦の水毒による稀薄な喀痰、咳嗽、顔面浮腫や寒証としての顏色不良、貧血、手足の冷え。虚証としての疲労倦怠。しばしば水毒による浮腫、尿不利などにも用います。
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柴胡清肝湯、柴胡疎肝湯、柴胡疎肝散、柴芍六君子湯、柴朴湯、柴苓湯

頸部リンパ腺炎で発熱頭痛し、なかなか化膿しない方に用います。肝火の頭痛、特に偏頭痛に効果を示します。こういう頭痛は上逆強く、耳のほうへの痛みが連なるものが多いです。小児腺病体質の改善薬、肺門リンパ腺腫、頸部リンパ腺腫、慢性扁桃炎、咽喉炎、アデノイド、皮膚病、微熱、麻疹後の不調和、疳症、肋膜炎、神経症、頭部諸瘡。
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三黄瀉心湯、三物黄芩湯、酸棗仁湯、滋陰降火湯、滋陰至宝湯

歯茎出血、男性。漢方処方応用の実際より引用-歯茎出血があって毎朝起きると出血し、しばらくすると止まるが昼寝して起きた時も、しばらくの間出血する。しかしその他には特別な症状がない。ただ舌に褐色の苔が少しあり、また考え事をすると酷く出血するということであった。種々の治療を受けたが1年以上たっても少しも効果がなかった。
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四逆散、四君子湯、四物湯、紫根牡蛎湯、七物降下湯、八物降下湯

軽度の神経症、男性。漢方処方応用のコツより引用。数年前から下肢がだるく、疲れやすく、仕事の能率が上がらないという。やや小柄な体格だが、肉付きは中くらいで病院ではどこも悪くないと言われているとおり特別な所見はない。腹診すると前述のような腹証をしていたので、四逆散を投与した。一ヶ月も経った頃、身体が軽く感じ、下肢のだるさは意識しなくなり疲れなくなった。その後、食事のせいか、心下部が痛んだ時は柴胡桂枝湯に変えて良くなった。
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炙甘草湯、芍薬甘草湯、瀉白散、十全大補湯、十味敗毒湯、十味敗毒散

シェーグレーン症候群、41歳、女性。漢方処方応用の実際より引用。4、5年前から動悸を感じ、疲労甚だしく、腹満、腹痛がよく起こり眼が酷く乾燥し、顔面に浮腫みを生じ両手が痺れた。都立の某病院で以上の診断を元に約1年治療を受けたが、全く効果がなく紹介状をもって来院した。中背、痩せ型で顏の皮膚に黒い色素沈着がおこり、軽度の甲状腺腫が認められた。手足が冷え、朝方は反って煩熱する。夜はよく眠れない、眼が乾燥するので乗物内では眼が開けられないという。心音が増強し、脈沈細数、腹部は全体に軟弱で臍の上部に動悸を触れた。
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潤腸湯、正気天香湯、生姜瀉心湯、生脈散、小陥胸湯

適応疾患。老人、虚弱者、術後回復期、動脈硬化、慢性腎炎などにみられる常用性兎糞状便秘。使用目標。頑固な便秘の方に用います。麻子仁丸の証に、さらに体液の欠乏の甚だしい状態の方を目標にします。したがって老人や衰弱者に適応が多いです。漢方の証、方意。病位、虚実。少陽病から太陰病、虚証。方意。燥証による兎糞状便、皮膚枯燥。備考。潤腸湯は、麻子仁丸の変方で、滋潤の剤です。体液が欠乏して、大腸の粘滑性を失ったために起こった弛緩性または痙攣性の常習性便秘に用います。兎の糞のような硬いコロコロ便が出るのが特徴です。