漢方

漢方生薬

地黄、竹節人参、知母、釣藤鈎、猪苓

地黄は、アカヤジオウやシロヤジオウの根を薬用に使用しますが、シロヤジオウの栽培が困難なのでアカヤジオウの根を薬用として使用しています。アカヤジオウの根を水に入れると、比重がより小さい時は水の表面に浮き、中程度の物は水中に浮遊します。比重の大なる物は水底に沈んでしまいます。
漢方生薬

瓜子、冬瓜子、藿香、葛根、滑石、栝楼仁、瓜呂仁

冬瓜子は冬瓜の種子であり、漢方では消炎性利尿、排膿薬として水腫および癰腫に用いられます。冬瓜は、他の瓜類より遅く成熟し、霜が降るようになって後に熟すので冬瓜の名を得ました。
漢方生薬

乾姜、甘草、栝楼根、瓜呂根、枳殻、枳実、桔梗

干した生姜のことを乾姜といいます。生姜中の揮発しやすい精油を取り除いて、辛味成分のみにしたものです。乾姜は茶褐色で澱粉が糊化して乾燥された固い塊になっており、口を焼くような精油らしきものがないのが特徴です。漢方の古典では小生姜を使用します。奈良時代に日本に漢方薬として伝わって来ています。一方、現在の日本の生姜は大生姜で、江戸時代に伝わって来た生姜です。
漢方生薬

陳皮、朝鮮人参、地楡、竹茹、沈香

ミカンの果皮を陳皮に当てています。黄色くなったミカンの果皮を日乾しにして長く保存し古いものとして使いますので、陳久なものが良いとして陳久皮、陳皮となりました。陳皮の働きは精油が重要で、あまり古くなりすぎたものは精油が無くなっているため、良くありません。
漢方生薬

竹葉、淡竹葉、丁香、津蟹、天麻、天南星

ハチクの葉で、マダケ、モウソウの葉をやむなく間に合わすことがあります。薄く手触りの柔らかいものが良いそうです。呼吸器流感や肺炎、気管支炎、麻疹、百日咳、気管支喘息などの大熱があって、そのあと余熱があり、呼吸困難、咳を生じて胸苦しくなっている方に用います。
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菊花、橘皮、牛胆、羗活、独活、杏仁

リョウギク甘菊の花弁をとって薬用とします。菊の花には数百種類ありますが甘菊が最良で、花弁は黄色で長いほどよく、甘みがあり微やかに苦味のあるものがよく、苦味のきついものはあまりよくありません。品物が古くなったものは、働きが鈍くなるので新品を使うべきです。野花はよくありません。
漢方生薬

天門冬、田七人参、当帰、杜仲、桃仁

クサスギカズラの根を2、3月、もしくは7、8月に採集して皮を剥ぎ、四つに割って芯を取り去ります。根の中心を貫いている白色の筋はとても苦いので取ります。焙って薬として使用します。柳のコシキに入れて、酒を少し注いで蒸します。その後、乾燥させて使用したり根を酒に浸して使ったりします。
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金銀花、金箔、銀杏葉、苦参、枸杞子、地骨皮

スイカズラの花を採って陰干ししたものです。スイカズラの葉は忍冬になります。スイカズラの花は白い花ですが、白い花を開いてからは赤、黄、白とかわっていくので金銀花の名を得ました。蜜槽から甘い蜜を出すので子供たちは喜んで蜜を吸うようです。このスイカズラの葉は寒くなっても枯れず、冬でも耐え忍ぶところから忍冬ともよばれています。漢方の抗生物質とも呼ばれています。
漢方生薬

燈心草、灯心草、土鼈甲、冬虫夏草、忍冬

燈心草は、水田や湿地に自生するイグサ科の全草あるいはその髄を用います。日本でも燈心草と呼びますが、古くからイあるいはイ草と呼ばれ、その茎は畳表や花むしろの材料として利用されてきました。室町時代から栽培されるようになり、特に江戸時代以後に瀬戸地方で盛んに栽培されていました。
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桂皮、桂枝、荊芥、決明子、玄参、膠飴

普通の葉は、中心に1本太い筋が入っていて細い筋が左右に出ているのが、ケイの葉は中心に3つの大きな筋があってその形を圭といいます。古代国王が、その身分を表す為に用いた印の型に似ているので、圭に木辺をつけて桂枝と呼ばれるようになりました。
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紅花、降香、厚朴、粳米、牛黄

紅花はベニバナとも言います。その昔、頬紅として使用されていました。ベニバナの種子から取れる油は、サフラワー油と呼ばれ塗料、石鹸を始め、サラダ油やマーガリンの原料として用いられています。抽出液には、血小板凝集抑制、血管拡張、マクロファージー活性化、動脈血流量増加の薬理作用があります。
漢方生薬

香附子、牛膝、呉茱萸、牛蒡、牛蒡子、黒胡麻、五味子

牛膝はイノコヅチの根を乾燥したもので、イノコヅチの茎は牛の膝に似た節があるので牛膝の名を得ました。イノコヅチは方々の山野に自生していますが、節が大きく茎が紫色で根が太くて長く、柔軟性があり、潤いのあるものほど効力があり、節が細く茎が青色で根の短いものは、なるべく避けたほうが良いとされています。