漢方の血海。不妊症との関係

不妊症

不妊症と五志の憂

なかなか子供ができないことに対する周囲の声や責任を感じて気持ちが落ち込んでしまったり、赤ちゃんが、できないと考えてしまい不安が膨らむ人、イライラする人など自律神経が弱ってしまう方も多く見受けられます。

東洋医学では自律神経を五志の憂と捉え、ホルモンに大きく影響を及ぼしていると考えています。

漢方治療

太陽堂漢薬局は、不妊症を卵子と精子の受精だけを考えた治療ではなく、東洋医学を駆使し五志の憂、自律神経も調節しながら心身ともに確率を高めていけるような体質作りをしております。

不妊症は、カップルによっては山あり谷ありの長い道のりになります。赤ちゃんが出来ない原因で自分や相手を責めないで、お互いの気持ちを思いやり、分かり合いながら治療に取り組んで下さい。

そんなお二人の良き相談役、パートナーになれたらと思い、不妊症の漢方治療のお供ができればと考えております。

東洋医学の独自の漢方治療

東洋医学で妊娠できる身体の概念は、西洋医学と異なり独特な考え方があります。

漢方の古典、黄帝内経素問の上古天真論篇第一に「女性は14歳になると生殖能力が出来ます。任脉が完全に流通し、血海である衝脈も盛大になります。月経が定期的に下り、子を胎む能力が完備します。」とあります。本来の東洋医学では、不妊の方の血海を通じさせることにより子供ができやすい身体を作っていきます。

血海とは奇経八脈の中の衝脈と言う経絡です。私の師匠の故入江正先生は、この血海を通すことにより不妊症患者さん12人中9人の妊娠に成功した改善例を報告をされています。

血海が通じれば確立の問題はありますが、年齢は関係なくなります。漢方治療は、高齢不妊の方に強い味方となります。太陽堂漢薬局では、師の教えに従い、任脉の裏の血海、衝脈のみを診る糸練功の技術を確立しました。

東洋医学独自の治療が太陽堂漢薬局の自慢であり、また非常に多くの不妊症の患者さんに喜ばれている所以だと自負しています。

漢方医学の考え方

漢方薬は体の免疫力を高め体質改善していきます。別のお病気で漢方薬を飲んでいたにも関わらず、「諦めていたのに妊娠しました。」という報告をされる方が少なくありません。

また、お医者さんの治療を受けてもなかなか妊娠できなかった、お医者さんで検査したけど、何も原因がなく体調も良いのに、なかなか子宝に恵まれないという方々からも喜びの声を多くいただいております。

妊娠しやすい体づくり、赤ちゃんの居心地の良いベッドづくりが不妊症治療の基本です。そのため漢方薬だけでなく、生活指導も組み合わせて行っていただきたく食事等の指導も致します。

不妊症治療は、タイミングの問題もありますので、必ず赤ちゃんが出来るとは言い切れません。しかし赤ちゃんにとって居心地の良いベッドは貴方にとっても快適なはず。そんな体を目指し、貴方と一緒に取り組んでいけたら幸いです。

漢方薬で不妊症治療をご紹介

東洋医学の原因別に漢方治療をご紹介します。

脾胃の虚証がある場合

食欲不振、胃腸虚弱などがある不妊症と高齢の方。小建中湯などの建中湯類、六君子湯、補中益気湯、呉茱萸湯など

六君子湯

卵管閉塞、卵管狭窄の方に使用します。

適切な駆瘀血剤、瘀血を除く漢方方剤との併用で卵管が通る場合が多数有ります。クラミジアが原因の場合は特に駆瘀血剤の併用が必要です。

何故、効果があるのか分かっていません。卵管の自浄能力を上げるのか、今後の研究を待たなければなりません。

瘀血のある場合

下腹部の抵抗圧痛、月経異常、口唇下帯紫色などのある。子宮内膜症による卵巣嚢腫がある場合も。桃核承気湯、大黄牡丹皮湯、桂枝茯苓丸、甲字湯、温経湯など

桂枝茯苓丸、甲字湯

桂枝茯苓丸に生姜と甘草を加味したのが甲字湯です。江戸時代日本の原南陽の加味方です。

瘀血、多血症、血液リンパの欝滞、黄体ホルモン過剰等の代表的な古方の処方です。唇や舌の辺縁が暗紫色を呈し、皮膚がくすんだり瘀血の症状を呈する不妊症に使用します。

この薬方は妊娠が判明した時点で中止するのが妥当です。妊娠後も服用を続けると流産する恐れがあります。妊娠しやすいのに、妊娠後は流産しやすい漢方薬の部類に入ります。

温経湯

古典の金匱要略を出典としています。太陰病位で瘀血のある場合に使用します。太陰病位は陰証、瘀血は陽証。陰陽が混ざったタイプの不妊症に使用します。

不正出血や生理不順、また月経過多、或いは月経寡少の方に合います。

血虚のある場合

貧血色、冷えなどのある不妊症。高齢の方の卵巣機能を改善します。四物湯、当帰芍薬散、人参当芍散、芎帰調血飲、芎帰膠艾湯など

当帰芍薬散、人参当芍散

当帰芍薬散は不妊症で最も有名な処方です。古典の金匱要略には「婦人懐妊腹中」とあり、本来は妊娠中の下腹部痛、流産しかけた時に使用する方剤です。これを黄体機能が弱い方や習慣性流産に応用します。

人参当芍散は、当帰芍薬散の川芎を半減し桂皮、人参、甘草を追加した処方です。

寒証のある場合

手足冷、寒がり、顏色不良などのある不妊。卵巣機能を改善します。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯、当帰芍薬散、白朮散、温経湯など患者さんの状態に応じて駆瘀血剤や利水剤を用いることも多々あります。特に温経湯は高齢の方に適応することが多いです。

精神神経症状のある場合

気証だけでなく、様々な病態から派生。高齢不妊は患者にとって大変なストレスを抱えている場合が多く、知覚神経症状、五志の憂を軽減するだけで妊娠につながる場合も多いと思われます。女神散、加味逍遙散、半夏厚朴湯、桂枝加竜骨牡蠣湯など

流産癖のある不妊症の場合

血虚に対応するものが多いのですが、実証の瘀血や、脾胃の虚証に対する薬方が有効なこともあります。温経湯、当帰芍薬散、人参当芍散、芎帰膠艾湯、当帰散など

当帰散。金匱要略出典

似た名称で当帰湯、千金要方が有りますが別物です。また当帰散を当帰芍薬散と勘違いされる漢方専門家も多いです。当帰散の出典は金匱要略です。古典には妊娠中の安胎薬としての記載があります。

太陽堂漢薬局では、この処方を不妊症の方に使用し多くの成功例を納めています。この処方が合う方は、排卵から高温期への立ち上がりが悪い、高温期が安定しない、抗核抗体等の免疫の問題、受精卵のDNAの問題、不育症の方々が多いです。

膀胱炎、尿道炎症状を伴う帯下がある場合

感染症の可能性もあります。大黄牡丹皮湯、竜胆瀉肝湯など

太陽堂漢薬局の改善例

不妊症を太陽堂漢薬局で治療された改善例をご紹介します。漢方の不思議な力を信じて。一緒に取り組みましょう。

高温期が綺麗になり

女性37歳

子どもが出来ました。不妊症で年齢的にもう無理かと思っていたのに、とても嬉しいです。ずっと欲しかったんです。

少しムカつきはありますが、悪阻はありません。ご飯が食べられないというようなトラブルもありません。

子どもは諦めて、アロマテラピーのスクールを申し込んだところだったんです。嬉しいです。

太陽堂漢薬局からコメント

今までの不妊症治療は一時休止しましょう。今回からは赤ちゃんが元気に無事に生まれてくるよう、漢方薬を変更しますね。

妊娠中に砂糖類を取り過ぎると、赤ちゃんがアトピー性皮膚炎になりやすいです。元気な赤ちゃんが生まれるように、お祈りしております。

体調の変化などがある時は、いつでもご連絡下さいね。

多嚢胞性卵巣症候群で赤ちゃんが

女性48歳

多嚢胞性卵巣症候群に対し、1ヶ月の不妊症の漢方薬治療を行い、妊娠反応を確認の報告がありました。

太陽堂漢薬局からコメント

妊娠反応があって良かったですね。

昨日、中止して頂く漢方薬をお伝えしましたが、養生法もお伝えしますね。踵の高いヒールなどは履かないようにしてください。車に長時間乗っているのもよくありません。食べ物としてイカは、できれば控えて下さいね。また何かありましたらご連絡くださいね。

不妊症の漢方の効果です

女性40歳

こんにちは。いつもお世話になっております。さて不妊症の方ですが、今周期高温期16日目で未だに生理が来ません。高温期になって、毎日37度以上の体温が続いています。

先月は24日で生理になりましたので、本日30日目に妊娠判定薬を使いましたら、まだ薄い色ではありますが陽性でした。病院は来週火曜に行ってこようと思っています。

前周期始めに転院して、まだ検査段階でした。この2周期は、お薬も注射も何もしておりません。高温期の体温が連日こんなにも高いのは、漢方薬の効果だと思っています。

太陽堂漢薬局からコメント

妊娠判定の陽性反応が出て良かったです。

イカ、ニガウリ、なすび、コーヒー。苦いもの、アクのあるものは血流を低下させ、子宮を収縮させます。控えめにされて下さいね。また妊娠中に砂糖類を摂り過ぎと赤ちゃんがアトピーになりやすいですよ。

やはり妊娠していました

女性34歳

以前問い合わせさせて頂いておりまして、妊娠の可能性があるので、確定次第また連絡するとの事でメールをしていました。

そして、やはり妊娠していました。再度どんな漢方薬が良いのか教えて頂きたいので、よろしくお願い致します。

太陽堂漢薬局からコメント

妊娠おめでとうございます。

改めて糸練功を取り直しましたのでご報告しますね。細かく言いますと、妊娠によって痔と脱肛の症状は必ず悪化します。

また以前ご提案した痔の漢方薬は妊娠の時は飲めません。ですから今回は妊婦さんでも飲める粉剤で対応していきたいと思います。こちらは痔核様の証を完全に改善する事はできませんが、妊娠中にできるだけ改善し得るものをご提案しました。

また、安胎に用いられる漢方薬は、主に流産防止の為の漢方薬です。それと安定するまでは、くれぐれも動き過ぎないように安静にして下さいね。

お病気に対して

不妊症は他のお病気と違い、特別な症状がありません。それだけにご不安だと思います。ストレスやご心配をされると、筋肉は強張り子宮も収縮します。ストレスで子宮への血流も低下します。基礎体温もストレスになる時は、逆に付けない方が良いかもしれません。

太陽堂漢薬局には、ミトコンドリアのエネルギー活性を増すと言われる動物薬も有ります。40歳を超えた方に使用するとホルモン値が安定される方が多いです。

不妊症の漢方治療

目次
不妊症
不妊症の検査とタイミング法と周期
漢方の血海。不妊症との関係
不育症
卵管狭窄
妊娠
高プロラクチン血症
男性不妊
二人目不妊