男性不妊

不妊症

現代男性の環境

現代では環境ホルモンやストレス、不規則な生活や偏食など様々な因子により男性不妊が増えています。
ここ20年間で男性の精子量が3分の2に減少し、その他運動率の低下や奇形率が上昇傾向にあり増えていると言われています。

精子は射精されてから、卵子と出会い受精するまでに長い長い旅をします。受精するために量や運動率など、非常に大切な男性不妊の因子となりますので、検査を受け質の良い状態を作っていく必要があります。

男性不妊の検査

妊娠しずらい原因は男女共に1対1と言われているため、男性不妊の検査も重要です。検査は3から7日間の禁欲期間が望ましいようです。

精液

精液量、精子数、運動率、奇形率などを調べます。
製造工場である精巣、睾丸の働きが上手くいかず造れなくなったりします。造れても運動能力が悪い、奇形、数が少ないなどが男性不妊の問題として最も多く9割と言われています。

男性不妊の原因として、現代の食生活やストレスなども大きく関わってきます。
男性の1回で射精される精液の量は、3から5ミリリットルと言われます。
1ミリリットルの中には6000万から1億の精子が含まれます。1ミリリットルに4000万以下だと漢方薬などによる改善が必要となります。

男性不妊の検査項目

西洋医学の検査です。

精子数

精液1ミリリットル内に存在する数。
2000万以下なら乏精子症。
全くいない場合は無精子症と診断されます。精液中に精子を認めない状態です。通常では妊娠は得られません。

原因は大きく二つに分けられており、精巣が精子を作れない造精機能障害、機能性、非閉塞性無精子症と、精子を運ぶ精管がつまっている精路通過障害、閉塞性無精子症とがあります。造精機能障害が男性不妊の70から90パーセントを占めます。

運動率

運動率を調べます。正常な精子が全体の50パーセント未満の場合、精子無力と診断されます。

奇形率

奇形がどれくらいいるかを調べます。正常形態が全体の30パーセント未満なら、精子奇経症と診断されます。

白血球数

精液1ミリリットルに含まれる白血球数を調べます。100万個以上なら膿精子症と診断されます。精液中に増えた白血球が精子を食べ、その際に出る酵素が他の精子の受精能力を低下させます。

精液検査の判定、正常値の基準。日本産婦人科学会の基準

  1. 精液量。2から6ミリリットル
  2. 精子濃度、精子数。1ミリリットル中4000万以上
  3. 精子運動量、運動率。50パーセント以上
  4. 奇形率。15パーセント以下

男性不妊の精子の量と質を低下させる原因

不妊の原因、飲みすぎ
お酒の飲みすぎ
タバコ、男性不妊の原因
タバコの吸い過ぎ
ストレスを除く事
ストレス、睡眠不足
性欲低下
風邪などの高熱は精子数が減る事があります。
風邪、発熱
食生活も大事です
ミネラル、ビタミン不足
 

その他、熱すぎるお風呂、長風呂、偏食、運動不足等も男性不妊の原因となります。

精索静脈溜

精索静脈瘤とは、腎静脈から内精索静脈へ静脈血が逆流する事より、陰嚢上部での蔓ツル状静脈叢が怒張、うっ血している状態です。
精索静脈溜は一般の健康な青年男性の約10パーセントと高率に認められ、さらに精索静脈溜の程度は精巣容積の減少、精液所見の悪化と関連があり男性不妊の原因の一つと言われています。

一般に精液所見が不良な人や静脈溜に伴う症状のある人、陰嚢部の痛みは、手術適応となり手術によって約60から70パーセントの人で精液所見の改善があり、約30から50パーセントの人でパートナーの妊娠が得られると言われています。男性不妊の重要な原因と考えられています。

精巣

精子がいるかどうか、成熟していない場合でも、どこまで造られているか調べます。
無精子症や、基準以下と診断された男性に行われる検査です。視診や触診によって精巣をチェックしますが、場合によっては精管精嚢造影検査や精巣生検などの詳しい検査が行われます。
精巣の機能に問題があるのか、清液の輸送経路に問題があるのか。それを区別するのが精管精嚢造影検査です。局所麻酔をし、精巣の一部、マッチ頭程度を切除して顕微鏡で調べます。

抗体

普通、男性に精子抗体はありませんが、まれに過去の外傷や感染症などが原因で、抗体が造られている場合があります。判断のため血液検査で調べます。

ハムスターテスト

ハムスターの卵子を使って、受精できるかどうか調べる男性不妊の検査。透明帯を取り除いたハムスターの卵子に、採取したヒトの精子をつけて受精率を調べます。
受精能力によって、人工授精、体外受精、顕微受精のいずれの方法をとるかを決定する時に役立ちます。

ホルモン

血液を採取し、ホルモンの状態を調べます。黄体化ホルモンLH、卵胞刺激ホルモンFSH、プロラクチンPRL、テストステロン、男性ホルモンTが影響してないか調べます。

漢方治療。男性不妊

精神神経症状のある場合

患者さんにとって大変なストレスを抱えている場合が多く、神経症状、五志の憂を軽減するだけで妊娠につながる場合も多いです。

  • 半夏厚朴湯
  • 桂枝加竜骨牡蠣湯
  • 抑肝散
  • 香蘇散
  • 柴胡剤など

脾虚のある場合

脾虚を治療することにより、造精能力を高めます。

  • 人参湯
  • 補中益気湯など

腎虚のある場合

腎虚を治療することにより、造精能力を高めます。

  • 六味丸
  • 八味丸など

漢方薬は精母細胞を活性化し、原因別に男性不妊を治療していきます。