太陽堂漢薬局の生薬展示紹介
猿頭霜、琥珀、桂皮、桂皮、蘇木、唐厚朴、露蜂房、穿山甲、犀角、羚羊角、鹿茸、鹿角を常設展示しています。
猿頭霜
右奥に展示。サルの頭の黒焼。自閉症や統合失調症、神経症に使用します。
琥珀
- 右側手前に展示。現在の日本漢方では使用しない薬物です。
- 木の樹脂の化石です。金珀を透明な深紅色、銀珀は色の淡い物、蝋珀は淡黄色の物、黒色の順で質が落ちます。砕いて粉にして用います。
- 五味は甘。五気は平。
- 鎮静、利水、瘀血を除きます。不眠症、血尿、結石、腹痛等に使用します。
桂皮
- 左手前に展示
- 肉桂の別名の通り、皮が厚く重く、精油の辛味と甘い香気の強い物が桂皮の良品です。裏面が黒い物や辛味の少ない物は使用出来ません。
- 五味は甘、辛。五気は大熱。
- 気の発散、発表、通経の効があり、虚弱者、頭痛、悪風、下腹冷痛、月経過少、身体痛等に用います。
桂枝
- 右側に展示。
- 五味は辛、甘。五気は温。
- 桂皮は温める働きが強く、桂枝は発散力が強くなります。
蘇木
- 中間に展示
- 木部にはブラジリンのほか、フェランドレンやオシメンなどを主成分とする精油が含まれています。
- 五味は甘、鹹。五気は平。
- 蘇木は、活血、通経、止血の効があり、外傷や腹痛、無月経、産後の瘀血など婦人科疾患に用います。
唐厚朴
- 奥に展示
- 内面が緻密で爪でも欠け易く、気味が強く微に苦味のある物が良品です。
- 現在日本の漢方薬として使われている和厚朴は代用品で種も異なる偽物です。効果もあまり期待出来ません。
- 代用和厚朴は内面茶褐色。唐厚朴は内面が黒色です。
- 五味は苦、辛。五気は温。
- 漢方では気の鬱滞を取る重要な薬味です。
- 鎮痙、健胃整腸作用があります。腹部の緊張、膨満、腹痛、下痢、喘咳、嘔吐に使用します。
露蜂房
- 薬用には、雨露に当たったアシナガ蜂やスズメ蜂の巣が良いと言う意味で露蜂房と言う名が付きました。
- なるべく大きく表面が黄色と黒で文様が出来ている物が良品です。
- 黒焼や末にして酒で服用したり、砕いて煎じて用います。作用が強い面があり、過量投与は厳禁です。
- 五味は甘辛、五気は涼。
- 鎮痙、鎮静、殺菌解毒作用が有り、小児疳の虫、ひきつけ、インポテンツ、乳腺炎、リンパ腺炎、化膿症等に用います。また殺菌作用を目的として軟膏に混和したりします。
穿山甲
- 左側に展示。
- アルマジロとは別種です。
- 鱗に褐色の光沢が有り、大きい鱗が良品です。尻尾の鱗が最も効果が高いと言われています。
- 火で暖め軟らかくし、細かく刻み薬研にて細粉とします。
- 五味は鹹。五気は微寒。
- 穿山甲は、排膿作用、排毒作用があります。母乳の分泌を促します。乳腺症、初期膿瘍、関節痛などに用います。
犀角
- 右側に展示。
- 周りが灰白色で、中心と上部が黒色を呈するのはインドサイの鳥犀角。木口切にし天日に透見した時、光沢のある黒色を呈するのは鳥犀角の特徴です。光沢のない暗色のもはアフリカクロサイの水犀角です。
- 激しい炭火で急激に熱し、使い慣れた包丁で木口切にします。又は鑢で粉にし服用します。
- 五味は苦、酸、鹹。五気は寒。
- 強心、解熱、解毒、鎮静、止血作用があります。高熱、麻疹、痘瘡に用います。
- 羚羊角は、鎮痙作用に優れ、犀角は清熱解毒作用に優れています。
羚羊角
- 左側に展示。
- 鑢で削り粉にして用います。粉にした物は出来るだけ空気に触れないようにします。
- 尖端部と節の外層部分が効果が高いです。内部は薬用に耐えません。
- 五味は鹹。五気は寒。
- 清熱、鎮痙、解毒、鎮痛、鎮静作用があります。高熱、痙攣、意識障害、緑内障等に用います。
鹿茸
- 右側に展示。
- 冠鹿茸、梅花鹿茸、馬鹿茸、馬毛鹿茸を展示。
- 血抜きがされた軽い物で尖端が太い程良品です。根元の硬い骨化部は使用しません。
- 火で毛を焼き木口切にして用います。散剤としても使用します。
- 五味は甘、鹹。五気は温。
- 補腎、補血、強壮、強精作用があります。心不全、極度の貧血、神経衰弱、陰痿、子宮出血、盗汗に用います。
鹿角
- 手前に展示。
- 淡褐色の小さい物が良く、粉にしたり黒焼にして用います。
- 五味は鹹。五気は温。
- 鹿角は、強壮、排膿作用があります。化膿症に用います。
- 後方に移っているのは、最高級品の馬鹿茸です。
薬局内展示生薬
目次 |
薬局内1。茯苓、白檀、五八霜。他5品展示 |
薬局内2。猿頭霜、琥珀、桂皮、蘇木。他12品展示 |
薬局内3。海竜、海馬、黄柏、杜仲。他15品展示 |
薬局内4。石膏、牡蠣、雪蓮花、真珠。他13品展示 |
薬局内5。桔梗、海馬、半夏、黄連。他20品展示 |
薬局内6。柴胡、黄連、太子参。他24品展示 |