薬局内3。海竜、海馬、黄柏、杜仲。他15品展示

漢方生薬

海竜、海馬、黄柏、杜仲、真耆、綿黄耆、霊芝、黒芝、錦紋大黄、芍薬、紅参、雲南天麻、白朮、蒼朮、当帰、麻黄を常設展示しています。

太陽堂漢薬局の生薬展示紹介

海竜

  • 前側に展示
  • 海馬と同じ科に属するが、タツノオトシゴより細長く直線的な魚です。
  • 五味は甘。五気は温。
  • 漢方薬の働きとしては、海馬とほぼ同様で、補腎、壮陽の効があり、強壮薬として慢性病やインポテンツ、分娩促進などに用います。

海馬

  • 奥に展示
  • タツノオトシゴにはいくつかの種類があり、生薬の海馬も区別される。
  • オオウミウマやサンゴタツが最も一般的です。そのほか体長が7センチ以下の幼少なものを海ソあるいは小海馬、背中に刺突起のあるイバラタツを刺海馬といいます。
  • 五味は甘。五気は温。
  • 補陽、強壮、活血に効があり、インポテンツや遺尿、夜間頻尿、老人性咳嗽、難産、腹部腫塊などに用います。

黄柏

黄柏

  • 最前列右側に展示
  • 皮が厚く深黄色で苦く、黄柏末を水で練る時、粘りのある物が良品です。老木の皮は劣品になります。
  • 五味は苦。五気は寒。
  • 消炎、健胃、収斂作用があります。胃腸炎、下痢、黄疸等に用います。打撲には末を外用します。

杜仲

  • 左側に展示
  • 杜仲は、厚く潤いが有り、折ると銀色綿状の粘液が出る物が良品です。若木の薄い皮は粘液が少なく劣品となります。
  • 五味は甘、微苦。五気は温。
  • 鎮静、鎮痛、強壮、降圧作用があり、神経痛、身体疼痛、高血圧症、流産防止等に用います。

真耆

  • 右側に展示
  • 日本市場では束黄耆として流通していたが、日本薬局方では除外されている。
  • ただし、中国ではこの真耆も黄耆のひとつとして扱われ、むしろ本品のほうが尊ばれています。
  • 真耆には黄耆と同様に利水、止汗、補気作用があり、浮腫、盗汗、麻痺、脱肛、子宮下垂に用います。

綿黄耆

  • 後方に展示
  • 甘く香気のある物が良品。スカが入ったり硬い物は劣品です。
  • 綿黄耆は黄耆の上品となり、補薬の長と言われています。
  • 五味は甘。五気は微温。
  • 止汗、利尿、降圧、強心、強壮作用があり体表の水毒を除きます。虚弱者、盗汗、浮腫、小便不利、脱肛、子宮脱、内臓下垂等に用います。

霊芝、黒芝

霊芝

  • 神農本草経では芝草を紫芝、赤芝、青芝、黄芝、白芝、黒芝の六芝に区別されている。ちなみにマンネンタケの傘の色は初めは卵黄色、のちに赤褐色から黒色に変化する。
  • 五味は甘。五気は平。
  • 強壮、安神、健胃、止咳の効があり、体力低下や慢性疲労、不眠症、神経衰弱、老人性気管支炎、気管支喘息、胃腸虚弱などに用います。

錦紋大黄

芍薬

  • 左側に展示
  • その左には唐大黄を展示。別名将軍と言います。
  • 肥大で深黄色、又は紫地錦紋で良く締まり、軽質の物が良品です。頭大黄と言います。年数を経て古い物ほど良く、服用しても腹痛がない物が良いです。
  • 痩せて細く芋情の物は小天大黄で次品となります。黒く硬く重い物は最悪品となります。
  • 五味は苦。五気は寒。
  • 消炎、清熱、瀉下作用を有し、腹痛、便秘、尿利異常、黄疸、腫膿等に用います。

芍薬

  • 手前に展示
  • 芍薬は、冬に根を取り乾燥します。指のように太く硬い物が良品です。外皮が淡紅色で肉質が白い物ほど良品です。肉質が黒い物は薬用として使えません。
  • 白芍は外皮を除いてあります。
  • 五味は苦。五気は微寒。
  • 緩和、鎮痙、鎮痛作用あります。腹満、腹痛、手足攣急、下痢等に用います。
  • 赤芍は血に対し清熱作用があり、白芍は鎮静、鎮痛、鎮痙、補益効果が強いです。

紅参

  • 奥に展示
  • 朝鮮人参を蒸処理した物です。
  • 一般に白参と同様に使いますが、厳密には異なります。実地では、最高級白参を証に合わせ、匙加減した方がシャープな効果を経験する事が多いようです。
  • 五味は甘、微苦。五気は微温。
  • 健胃整腸、強壮、強精作用があり、胃腸衰弱、新陳代謝機能減退、食欲不振、倦怠感、腹痛、下痢、免疫低下等多くの病態に用います。

雲南天麻

  • 右側に展示
  • 一般に冬と春に採取し、春のほうが多く採れるが、冬に採取したもの、冬麻の品質が優れているとされています。
  • 雲南天麻は天麻の中で、最も上質のものとされています。
  • 五味は甘。五気は微温。
  • 平肝、定驚、鎮痙、鎮痛作用があり、眩暈や意識障害、痙攣、頭痛、ヒステリー、関節痛などに用います。

白朮

  • 最前列左側に展示
  • 良く肥り、根が白く柔かい物は三好白朮で上品です。根が堅い物は劣品になります。
  • 展示の白朮は多少ですが蒼朮との雑種に成っていると思われます。現在、白朮の純粋種は中々手に入りません。
  • 五味は甘、微苦。五気は温。
  • 鎮痛、鎮静、利水作用があり、腎炎、浮腫、胃腸炎、下痢等に用います。

蒼朮

  • 五味は苦、辛。五気は温
  • 白朮は、温、燥で補益力が強いです。身体の深い部分に使用します。
  • 蒼朮は燥、散で利水作用が強いです。主に体表の利水や身体痛等に使用します。
  • 和産では佐渡蒼朮だけが蒼朮の純粋種になります。
  • 蒼朮の中でも、古立蒼朮は精油成分が多く、綿カビ状の結晶が出て良品です。

当帰

  • 右側に展示
  • 日本で栽培されているものには吉野地方の大和当帰と北海道の北海当帰の2種類があります。品質は大和当帰、収量は北海当帰が優れています。
  • 五味は甘、辛。五気は温。
  • 補血、活血、調経、潤腸の効があり、生理不順、虚弱体質、血虚、腹痛、腹腔内腫瘤、打撲傷、しびれ、皮膚化膿症、便秘などに用います。
  • 当帰は婦人科の領域の主薬であり、また血中の気薬ともいわれ、非常に多くの処方に配合されています。

麻黄

  • 奥に展示
  • 噛むと舌上に麻痺を覚えます。
  • 麻黄は、六陳八新の六陳の一つです。必ず寝かして、やや古くして用います。新しい物は心臓負担等があります。
  • 五味は辛、苦。五気は温。
  • 発汗、解熱、鎮咳、利水作用があります。咳、身体痛、水腫等に用います。

薬局内展示生薬

目次
薬局内1。茯苓、白檀、五八霜。他5品展示
薬局内2。猿頭霜、琥珀、桂皮、蘇木。他12品展示
薬局内3。海竜、海馬、黄柏、杜仲。他15品展示
薬局内4。石膏、牡蠣、雪蓮花、真珠。他13品展示
薬局内5。桔梗、海馬、半夏、黄連。他20品展示
薬局内6。柴胡、黄連、太子参。他24品展示