国内研究会発表論文の記事

漢方理論

五色、五行説で考える甘麦大棗湯の働き

東洋医学、漢方で言う心の五味は苦。五色は赤。味で考えるか、色で考えるか、どの物差しで考えるかによって治療法、攻め方が異なって来る。心の正常化を色の物差しで考え、五行説の相生関係、肝と心の関係に当てはめた時、心に属する大棗の独特の働きが見えて来る。
漢方理論

糸練功上達の鍵

漢方家は誰でも問診を重要視していると思います。問診は患者様の情報から、より正確な証を導き出す為の大事な篩いになります。その篩いに掛けた物の中から選び出す為の糸練功について考えてみます。
不妊症

女性ホルモンの東洋学的な婦人科へのアプローチ

不妊症治療を含め婦人科を行う際、FSH、PRL、LH等の臨床検査数値が薬方決定の決め手になることがある。それぞれの数値によって用いる方剤や薬味が絞り込めるからである。FSHに繁用する桂枝加竜骨牡蠣湯を関連付けて、バセドウ病や無月経に対して薬方を組んでみた。数名の手ごたえある例を得たのでここに報告する。
じんましん

柴苓湯に蕁麻疹の方意

蕁麻疹で悩まれる患者さんは、非常に多いと思われる。皮膚の血管周囲のマスト細胞からヒスタミン等が遊離されることにより生じる。マスト細胞からの顆粒放出の原因は、様々である。機械的な刺激、アレルギー性、非アレルギー性等考えられる。また発汗によって引き起こされるコリン性も患者数は多い。
漢方理論

左後頭部を中心とした4箇所の五志の憂への治療と考察

従来の五志の憂の漢方治療では、前頭部の髪の生え際付近を反応穴として使用し治療してきた。今回、前頭部と異なる反応穴3箇所が見つかったので報告する。以下は判明している反応穴である。
その他の病気

溶連菌、溶血性連鎖球菌と家族間感染への対策

溶連菌、溶血性連鎖球菌は細菌の一種です。喉に感染し、扁桃炎や咽頭炎、それに小さな赤い発疹を引き起こす猩紅熱などが主な症状です。同病に対して、黄連解毒湯で改善は確認出来ていたが、黄連解毒湯以外にも漢方の薬味が有効であったので報告致します。
痔核

なかなか良くならない肛門の痛み

肛門に出来る病気には、肛門周囲膿瘍、裂肛、肛門癌、突発性肛門痛等がある。報告する例は、痔核の治療途中に激しい痛みを再発し、なかなか改善しないと訴える婦人。痛みの原因を東洋医学独特の概念、五志の憂と捉え治療したところ、痛みが消失した。
漢方理論

漢方の魅力について

西洋医学では、治りにくい病気や西洋学では諦められている病気が治るというのが漢方の魅力の一つになります。去年の論文でお伝えしました肺MAC症も西洋学では治らない病気の一つと言われています。今回の論文では、東洋医学で治すことが出来る病気についてお伝えできたらと思います。
漢方理論

薬味に対応する経穴を使った治療の試み

昨年は漢方薬の証に対する鍼灸治療の試みとして、糸練功を使って薬味の作用に対応した経穴を見付け、その経穴を組み合わせる事で漢方薬の証に対しての治療の試みを行いました。今回は薬味の作用に対応した経穴に金粒、銀粒を貼る事で改善効果を高める試みを行いました。
耳鳴り

バレーリュー症候群、耳鳴り

バレーリュー症候群Barre。Lieousyndromeとは、1925年にフランスの神経学者JA_Barreが発表し、1928年にはその門下生のYCLieouが、頚椎症に伴う症状の詳細な臨床研究を相次いで報告した症候群である。漢方治療においても、病態の一部にあることを疑い、糸練功による紙包磁石で頚椎の治療シュミレーションを行ったところ、関連性のある病態が多く存在することを確認した。
統合失調症

統合失調症と竜骨牡蛎の関係

東洋医学では、統合失調症は神経症や癲癇等の精神神経症と同じ五志の憂として捉える。五志の憂とは、東洋医学の独特の精神神経症概念。五志とは、東洋医学の概念で怒、喜、思、悲、恐驚の5種の精神状態のことを言う。
漢方理論

五臓六腑

漢方医学では五臓六腑という内臓の分類概念を、人体の生理的機能単位の分類方法として用いている。概念は本来は解剖学的な内臓の認識から発展したものなのであろうが、単に解剖学的な内臓の概念の範疇を越えて、人体の生理的機能や精神活動まで、それぞれの臓腑の機能による働きとして捉え、説明がなされている。