糸練功の練習。漢方研究会で発表
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糸練功
2015年11月、伝統漢方研究会第12回全国大会。日本、京都東急ホテル
満木伸行。福岡県、太陽堂漢薬局
はじめに
漢方家は誰でも問診を重要視していると思います。問診は患者様の情報から、より正確な証を導き出す為の大事な篩いになります。その篩いに掛けた物の中から選び出す為の糸練功について考えてみます。
最近になり、木下先生のチェック無しで患者様を診る機会が増えてきています。その中でいかに患者様の為の処方を正確に出せるかが鍵になり、漢方知識、問診と同様に糸練功が重要と感じています。
意外と忘れてしまうストレッチの効果
朝のストレッチはされていますか。ストレッチは糸練功の上達の為にするわけではありません。ではなぜするのか。
足の腎経、脾経、両脇の肝経を伸ばす事で、気の流れをスムーズに流す事が出来る為です。糸練功を上達する為に練習しても気の流れが上手く流れないようでは充分な力が発揮する事が出来ません。その為に糸練功をされる前、朝にストレッチをした方がより自分の能力や感度が高くなります。
その時の注意点として、ストレッチをした後は10分間程糸練功を取らない事です。糸練功を取る事で気が漏れてしまい、よりご自分の能力が引き出せなくなってしまいます。
何処でも出来る糸練功の練習方法
私自身が糸練功を始めた時の練習方法として、毎朝冷やした瓶を使用しました。冷やした瓶にセンサーを近づける事でテスターが少しずつstになり、瓶から離す事で少しずつsmとなるのを確認していました。
始めは「これかな」と思う所から始まり、3ヶ月間毎日続け、時間としては30分程です。毎日続けた事でセンサー、テスタ共に感度は上がっていき、反応するスピードも早くなってきます。糸練功を始めて間もない方や、反応がまだ遅い方などにお勧めです。
太陽堂漢薬局では、全国にお送りする患者さんと来局される患者様がいらっしゃいます。お送りする患者様の糸練功を次第に多く取る様になり、その中でご来店される患者様も少しずつ増えて、より早く糸練功を取れる様になる為に感度を更に高くして、より知識をつける必要があります。知識は事前にこの症状にはこの証が出易い。レベル1、レベル2や過去に使用した漢方薬をピックアップします。
そして、感度を上る為に自分の姿勢などを意識する様になりました。姿勢では人それぞれに一番良い姿勢があると思いますが、意識する点として、センサー側の胸を張る様にする事で、センサーは自分の真横より少し後ろに残る様な感じになります。そして、テスター側の足を自分の身体の中心にくる様に体重を乗せます。そうする事で今までより感度が良くなった様に感じました。
今では紙包磁石を用いて練習をしています。準備する物は、厚紙か薄めのダンボールに腹診をコピーした紙を貼り付けるか、書きます。厚紙かダンボールの裏に紙包磁石をテプなどで貼り付けて糸練功を取ります。
この時に注意することは、事前に磁石本体を糸練功にて合数、補瀉、労宮の強さなどを調節しておきます。この時、自分で貼り付けるのでは無く、他の方に貼り付けてもらえるとより練習になります。初めは2、3ヶ所位から始める事で、正解率が少しずつ上がっていきます。正解率が高くなってきた所で4ヶ所、5ヶ所と増やしていきます。
この練習方法は糸練功を始めたばかりの方は2ヶ所から選び、数を増やすと上級者まで出来る練習方法です。この練習方法は歴代の太陽堂漢薬局卒業生もされていた練習です。今までより、患者様の事を治したい気持ちがある方は是非お試し下さい。