大防風湯、澤瀉湯、托裏消毒散、治頭瘡一方(大芎黄湯)、竹茹温胆湯

日本漢方の古方派を中心とした漢方薬、処方をご紹介します。
一般の方から専門家まで馴染めるよう、改善例、処方薬味、適応疾患、使用目標、漢方の証、方意をご紹介。

大防風湯(ダイボウフウトウ)-和剤局方-

処方薬味

生薬-当帰当帰 生薬-白朮、蒼朮蒼朮 生薬-生姜生姜
生薬-芍薬芍薬 生薬-黄耆黄耆 生薬-杜仲杜仲
中国42-生薬-大棗大棗 生薬-人参人参 生薬-川芎川芎
生薬-羗活-独活羗活 生薬-地黄地黄 生薬-牛膝牛膝
生薬-甘草甘草 生薬-附子附子 生薬-防風防風

適応疾患

関節痛(特に下肢)、慢性関節リウマチ、坐骨神経痛、脊髄炎、産後の下肢運動麻痺

使用目標

体質的に虚弱な方や、疾患の慢性経過により衰弱傾向のある方の膝関節や足関節その他の関節の腫れ痛み、筋肉がやせて下肢が細くなったものに効果を示します。ただし、胃腸虚弱のものには用い難いことがあります。本方は「鶴膝風」のタイプの方に用いると良いとされます。膝風とは熱証の少ない膝関節の慢性炎症で、腫脹、疼痛があり上下の筋肉のやせ細った状態を言います。

漢方の証、方意

  • 病位、虚実;太陰病から少陰病、虚証
  • 方意;寒証による関節痛、筋肉痛、下肢の脱力、歩行困難。虚証、血虚による貧血。

澤瀉湯(タクシャトウ)-金匱要略-をご紹介

生薬-澤瀉

処方薬味

生薬-澤瀉澤瀉 生薬-白朮、蒼朮白朮

適応疾患

胃下垂症、メニエール症候群、感冒その他の眩暈

使用目標

胃内停水があって、頭冒感(頭が重く、何かものが頭にかぶさった感じ)、眩暈に苦しむ方

漢方の証、方意

  • 病位、虚実;少陽病から太陰病、虚実中間
  • 十二臓腑配当;腎、小腸、膀胱
  • 方意;水毒の動揺としての回転性の眩暈、激しい眩暈、昏倒や、脾胃の水毒としての心下痞、上腹部振水音、尿不利など。

托裏消毒散(タクリショウドクサン)-外科正宗-をご紹介

生薬-忍冬-金銀花

処方薬味

生薬-甘草甘草 生薬-白朮、蒼朮蒼朮 生薬-当帰当帰
生薬-川芎川芎 中国39-生薬-茯苓茯苓 生薬-桔梗桔梗
生薬-忍冬-金銀花金銀花 生薬-人参人参 生薬-皂角子皂角子
生薬-芍薬芍薬 生薬-黄耆黄耆 生薬-白芷白芷

適応疾患

癰、疔、セツ、蜂ソウ織炎、化膿性中耳炎、化膿性乳腺症、痔ろう、その他の諸種の急性化膿性炎症、ヒョウ疽

使用目標

種々の化膿症の初期、急性期で、局所の発赤、腫脹、疼痛などの炎症症状が著明な方、化膿傾向のある方に用います。

漢方の証、方意

  • 病位、虚実;少陽病、虚実中間からやや虚証
  • 十二臓腑配当;脾
  • 方意;表の熱証、表の湿証による化膿、極期を過ぎた発赤、軟性腫脹や、時に脾胃の虚証

竹茹温胆湯(チクジョウンタントウ)-寿世保元-をご紹介

生薬-竹茹、竹葉

処方薬味

生薬-陳皮陳皮 生薬-竹茹、竹葉竹茹 生薬-生姜生姜
生薬-麦門冬麦門冬 生薬-半夏半夏 生薬-香附子香附子
生薬-桔梗桔梗 生薬-人参人参 生薬-柴胡柴胡
中国47-生薬-枳實・枳殻枳実 中国39-生薬-茯苓茯苓 生薬-黄連黄連
生薬-甘草甘草    

適応疾患

感冒が遷延して咳が酷いもの、煩躁、不眠症気管支炎、肺炎、発作性心悸亢進

使用目標

病気になってから日数が経っているので、何となく元気が薄く、攻撃するようなお薬は使いにくい病態に用います。小青竜湯(ショウセイリュウトウ)の証に温胆湯(ウンタントウ)の証を兼ねたような方に用います。感冒が遷延して熱が長引き、しかも水飲による精神不安や不眠、心悸亢進などの状態がある方で、体温の上昇がない方に用います。

漢方の証、方意

  • 病位、虚実;少陽病から太陰病
  • 十二臓腑配当;胆、腎
  • 方意;上焦の熱証:咳嗽、喀痰。上焦の熱証による精神症状:不眠、心悸亢進、感情不安定。
  • 備考;加味温胆湯(カミウンタントウ)は上焦の熱証による精神症状が最も重要な病態であるが、竹茹温胆湯は上焦の熱証が中心になっています。口渇、熱のある方には石膏を加えることもあります。

参考文献、出典

  1. 漢方診療医典 大塚敬節、矢数道明、清水藤太郎 著
  2. 漢方処方 応用の実際 山田光胤 著
  3. 漢方方意ノート 千葉古方漢方研究会 著
  4. 漢方治療百話第1~3集 矢数道明 著
  5. 腹證奇覧 稲葉克文礼 和久田寅叔虎 著
  6. 漢方処方応用のコツ 山田光胤 著
  7. 薬局製剤 漢方194方の使い方 埴岡博、滝野行亮 共著
  8. 勿誤薬室方函口訣 長谷川弥人 著
  9. 漢方診療30年 大塚敬節 著
  10. 皇漢医学 湯本求真 著
  11. 黙堂柴田良治処方集 柴田良治 著
  12. 類聚方広義 吉益東洞 著