後縦靭帯骨化症と漢方薬治療

後縦靭帯骨化症

後縦靭帯骨化症と漢方

後縦靭帯骨化症の方は非常に多いです。ご存知のように手術しか方法がなく、手術でも症状を一時的にしか緩和できない病気です。

太陽堂漢薬局では今まで多くの後縦靭帯骨化症の方々の改善をお手伝いしてきました。改善の差は個人個人ありますが、漢方薬によって多数の方が日常生活に差し支えないまでに改善していらっしゃいます。望みを捨てないで改善できる方法を探しましょう。
漢方太陽堂では、同時に頚椎、脊椎の損傷や知覚神経などの異常が無いか判断し治療を組み立てていきます。

後縦靭帯骨化症と漢方薬治療

漢方太陽堂では、数百人の骨化症の患者さんを治療をしてきています。
多くの患者さんを診るなかで、共通の東洋医学的な証が4つある事に気づきました。
漢方では病因を気毒、血毒、水毒の3つに分けますが、この病気では気毒、水毒の2つが出ており、血毒が診られないのが特徴です。

  1. 骨化症本体の証
  2. 周辺の骨の損傷
  3. 大腸経絡の五志の憂、東洋医学的な分類による心因的要素
  4. 心小腸経絡の五志の憂

この4つの証は、患者さんごとに強弱は有りますが、それぞれ治療していくと、骨化症の症状が改善していく方が多い4つの証です。

後縦靭帯骨化症は、難病だけに色々な方向からのアプローチが必要となり、どうしても漢方薬の種類も多くなってしまいます。漢方薬は全て多くの患者さんの方を治療してきた経験の中で選ばれてきたものばかりです。漢方治療ポイントと考えているものは主に以下があります。

  • 骨化による違和感、麻痺や痺れ
  • 周辺の筋肉の状態、凝りや痛み
  • 周辺の他の脊椎の状態
  • 五志の憂、知覚神経の状態

後縦靭帯骨化症は骨だけの問題ではなく、知覚神経、東洋医学では五志の憂と密接な関係があるという学会報告もあります。

漢方太陽堂では一人一人の状態を確認し、後縦靭帯骨化症による症状が強いのか、あるいは知覚神経からの症状が強いのか確認致します。症状の現れ方によって知覚神経の治療を優先する場合もございます。

また漢方治療では色々な方向からアプローチするため、治療ポイントが多くなり必然的に漢方薬の種類も多くなります。そのため患者さんによっては一度に全ての治療ポイントに対し漢方薬を飲むことが出来ない場合もございます。
時間の掛かる病気の為、続けられる方法を探し治療していきましょう。

体質に合わす漢方処方

伝統漢方古方派を中心とした一般的薬方をご紹介。

桂枝加朮湯、越婢加朮湯

桂枝湯は虚証向き、越婢湯は実証向きです。
骨化の部分は、東洋医学的には実証を呈していると考えています。
桂枝加朮湯と越婢加朮湯を実証向きに比率を変えて投薬します。症状が緩和される患者さんが多い組み合わせです。

茯苓飲

茯苓飲は、胃内停水と気塊の方剤です。水毒が中心の漢方薬になります。水毒に対する漢方薬は、体内のミネラルを動かすことにより水分を動かしていると考えられます。
手術経験のある方には、桂枝湯と越婢湯の効果が見られない患者さんがいらっしゃいます。本方を中心に投薬すると確率が上がり、改善される方が増えます。

加味八仙湯

後縦靭帯骨化症からの下半身麻痺に使用します。歩きづらかったり感覚の異常などに使用します。

黄耆桂枝五物湯

黄色靭帯骨化症の方の下半身麻痺に使用します。

なぜか理由は分かりません。後縦靭帯骨化症の場合とは、使い分けなければ効果が見られません。

半夏厚朴湯

知覚神経障害と思われる症状を除きます。大腸経絡の五志の憂に使用します。水毒と気塊が特徴です。
理屈に合わない矛盾した訴え、症状などが、患者さんの特徴になります。

桂枝加竜骨牡蠣湯

知覚神経障害と思われる症状に対応します。心小腸経絡の五志の憂です。水毒と気の上昇が特徴です。桂枝湯に竜骨と牡蠣を加えた処方です。
牡蛎は安神薬で鎮静作用があります。
竜骨は動物の化石です。古い物は効果が無く、骨髓が残っている程度の化石です。イライラや、周囲の環境に敏感になるのを抑えます。

後縦靭帯骨化症に対する漢方薬の治療経過

これまで漢方太陽堂では非常に多くの後縦靭帯骨化症患者さんの治療を行ってきました。
進行が止まって痺れなど症状が取れ、今では再発防止だけをされ趣味のゴルフをされたり仕事に復帰された方も多数いらっしゃいます。

また考えにくいことですが、患者さんの中には病院でレントゲンを撮ったら「骨化が無くなっていた」、「減少していた」という方も複数いらっしゃいました。
漢方薬を飲まれて全ての方が快方に向かうわけではありません。全く変化の見られない方や少ししか改善されない方もおられます。
漢方太陽堂では、改善された方や改善されなかった方を比較し、有効であった漢方薬を選別しております。

約3ヶ月間、漢方薬治療をされ、まったく症状の変化が見られない場合、漢方薬のみでの改善は難しい場合もあります。
逆に3ヶ月間しっかり漢方薬を飲まれ、少しでも変化を感じられるようでしたら漢方薬による回復の見込みが非常に高いです。

後縦靭帯骨化症でお悩みの方、一度ご相談下さい。