2020年10月28日;
玄米食
「三白の害」と言われて久しいです。
白砂糖、白米、塩です。
玄米を精米したのが白米です。
2000年以上前から玄米は漢方薬として使用されてきました。
激しい口渇を訴える糖尿病に使用する白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)には、構成薬味として粳米(ウルチマイ)があり玄米を入れます。
玄米の働きは「寒、潤、降、散」です。
潤の働きで口渇を抑え、降の働きで血糖値を下げます。
玄米を使うことにより、様々なお病気が良く成ります。
玄米食は、高血圧や肥満症、多血症、瘀血証、糖尿病などに効果が有ります。
玄米は下薬?
玄米は漢方薬の上薬、中薬の正常化作用ではなく、化学薬品と同じ一方的な働きの下薬と同じ動きをします。
(※上薬、中薬、下薬に関しては東洋医学の正常化作用をご覧ください。)
もし低血圧や痩せ型、貧血症の方が玄米食を続けると、どうなるでしょうか?
妊娠中の場合だと、玄米の降の働きで流産しやすくなります。
玄米は食品であると同時に薬効のある「下薬」に該当します。
玄米にはフィチン酸と言うアクが有ります。
フィチン酸は体内の重金属やミネラルを体外へ排泄します。
体調が改善したら、玄米食を止めます。1~3ヵ月が目安です。強実証(体力的、体質的に非常に充実した)の人でも6ヵ月が目安になります。
玄米食を続けると、身体に必要なミネラルまで排泄し続けます。
虫歯が出来る方も多いです。骨はミネラルの塊です。骨粗しょう症も進みます。
玄米食を止めた日本人
日本人は食養生として元禄時代に玄米食を止めています。
玄米は素晴らしい食、漢方薬です。しかし食べた方が良い人も居れば、食べてはいけない人も居ます。
誰でも、いつでも良いわけではありません。
玄米は玄米の働く場が有るのに。
漢方の素晴らしいい薬味である玄米の薬効を無視し、玄米を誰にでも推奨するのは玄米に失礼です。
毎日食べるお米は7分付、5分付がお勧めです。
また押し麦(大麦)を1~2割ほど入れた麦ご飯をお勧めしています。
腐った物
現在の私達の食生活は、新鮮な物を食べる事が当たり前になっています。
私達の祖先は山で狩猟をし木の実を採り生活していました。
獲物が獲れる日もあれば、獲れない日も有ったでしょう。
収穫があり、獲れたての新鮮な獲物や果物など、「生き物」を食べれる日。
獲れない日は命を繋ぐため、数日前に獲った獲物「死んだ物」や腐りかけの物でも食べていたと思われます。
私達のDNAの中には、何千年、何万年の食生活の歴史が刻まれています。
異物や腐りかけ、細菌、ウイルス、それらに接する事により私達は免疫力を付けていきます。
冷蔵庫が出来て数十年。
冷蔵保存すると、「死んだ物」でも腐らず新鮮に見えます。
腐ったものを食べる事をお勧めしているわけではありません。
発酵食品
発酵は人間が上手に腐らせたものです。
ヨーグルト、アンチョビ、漬物の糠付け、タクアン、千枚漬け、キムチ、納豆、味噌、醤油他。
私達のDNAに刻まれた歴史に従い、「生き物」を食べ、腐った物(酵素、発酵食品)を食事の中に上手に取り入れていきます。
雑菌も食の一つ
お母様の身体の中に居る時、胎児は無菌状態です。腸内細菌叢も存在しません。
出産し生まれてくると、様々な細菌に触れ、感染する事により免疫能力を獲得していきます。
無菌室で育てられた動物は非常に免疫力が弱いです。
免疫グロブリン量なども低く、免疫機能が活性化していません。
強くなるはずの赤ちゃんを無菌状態で育てたいですか?
常在菌と共存
私達は常在菌という菌類と何万年、何十万年と共存してきています。
私達の祖先は自然の中で生きてきました。野生動物と一緒です。
細菌に感染し共存し、細菌に守ってもらい生きて来ました。
私達の身体は細菌が感染しないと生きて行けない身体に成っています。
皮膚には、ブドウ球菌が共存しています。ブドウ球菌が皮脂を脂肪酸とグリセリンに分解してくれます。その脂肪酸が他の病原菌を防いでくれています。
また常在菌自体が他の感染を防いでくれています。
新型コロナウイルスも有ります。殺菌も手洗いも必要です。
しかし神経質に皮膚を殺菌し過ぎないことです。
貴方を守ってくれている常在菌も洗い流し殺してしまいます。
口腔内、鼻の中、性器にも常在菌がいて共存しています。
腸内細菌叢
その中で最も重要で大量の細菌が居るのが腸内です。
乳児の時から、食材に付着している菌や、手指を舐めたり、落ちている物を食べたりして、細菌も一緒に食べて一人一人の腸内細菌叢が出来あがります。
腸内細菌叢は私達の身体に必要なビタミン類(ビオチン、リボフラビン、ニコチン酸、パントテン酸、ピリドキシン他)などを製造してくれます。
そして様々な免疫も支えてくれています。
ミトコンドリアは大腸菌の一種
20億年前、我々の祖先の細胞に大腸菌の一種が感染しました。
この細菌はエネルギーを造ることが出来ます。我々の祖先は、このエネルギーを使い進化し多細胞の生命体になり、現在も生きて行くことが出来ます。
それがミトコンドリアです。ミトコンドリアは私達の細胞に感染、侵入している大腸菌類似の細菌です。
洗う事、消毒する事は大事です。
しかし細菌に生かされ共存している我々は、神経質になりすぎない事です。
虫も食わない清潔な野菜か。虫がいて虫が食べられる安全な野菜か。
貴方はどちらを選びますか?
雑菌も栄養の内です。
発酵食品
発酵食品や酵素などは食事に多種あります。
発酵したものはやや温
大豆は平(身体を温めも冷やしもしない)です。大豆を発酵した味噌は温(身体を温める)です。しかし塩分が多いと少し身体を冷やします。
また同じ大豆の発酵食品である納豆は涼(身体を少し冷やす)になります。
緑茶は涼です。緑茶を半発酵したウーロン茶は平に成ります。全発酵した紅茶やプアール茶は温に成ります。
干したものもやや温
干した物や乾燥させると食性が変わります。カツオが鰹節になるようにアミノ酸が変化し味も変わります。
イカは平~微温ですが、日に干したスルメは温に変化します。スルメに成ると味も変わります。
柿も涼ですが、干し柿は微涼と変化し冷やす力が弱まります。
発酵は酸味
発酵すると酸味が生まれます。
1.酸味は「収」の働きで脱肛、下痢等に効果があります。
2.酸味を多食すると筋肉や内臓筋も弱り、逆に脱肛や内臓下垂を引き起こします。東洋医学で言う脾虚が生じます。
3.酸味を過食すると胃腸機能が弱くなり、更に脾虚が酷くなります。
摂り過ぎは禁物
身体に良い物でも多くの量を、或いは毎日の様に摂り過ぎると逆に身体に害になります。
多くの種類の食材を摂ります。
五味では
1.酸っぱい(酢の物、発酵食品、酸味の果物他)
2.苦い(アクの有る食材、ゴボウ、ナス、ホウレン草、ゴーヤ他)
3.甘い(穀類、イモ類他)
4.辛い(ネギ、ニンニク、ニラ、玉ねぎ、大根、香辛料他)
5.塩辛い(海産物他)
の五種類を摂ります。
五色では
1.青い(濃緑色野菜他)
2.赤い(肉類、赤い果実や紫ブドウ他)
3.黄色い(黄色野菜、淡色野菜、穀物他)
4.白い(山芋、大根、白ネギ、玉ねぎ他)
5.黒い(黒胡麻、海藻類他)
の五種類です。
「摂り過ぎの害。不足の害」があります。
「食養生は適当に。いい加減なのが一番」です。