漢方薬の不思議な疑問。人参、牡蠣、甘草

東洋医学概念

2022年9月11日。写真は、大分県由布市、由布岳です。

白人参

漢方を勉強した人では、白人参で血圧が上昇する高血圧の人がいらっしゃるのは周知の事実です。
しかし動物実験では、人参は血流を改善するため、血管抵抗を減らし逆に血圧を下げるそうです。

では何故、人間では血圧が上昇する人がいるのでしょうか。
長年疑問に思ってきたことでした。

苓桂朮甘湯と白人参

今から20年程前に白人参で血圧上昇する人は、目黒玄龍子の八面体質論の若衆面を呈する人が多い事に気付きました。
糸練功で確認すると、若衆面の人は五志の憂と言うストレスや自律神経の異常の反応点に苓桂朮甘湯証が有るのです。

苓桂朮甘湯証の人の手掌に白人参を載せ、糸練功で副作用診を取ると血圧の異常を取る事が出来ます。
苓桂朮甘湯証は茯苓、白朮の胃内停水が原因により、桂枝、甘草の気の上衝が起きる病態です。

白人参は水を呼ぶ」と言われ潤の働きです。苓桂朮甘湯証の胃内停水が酷くなります。
また白人参は補気剤で苓桂朮甘湯証の気の上衝も酷くなると考えられます。
結果、白人参で血圧が上昇するのではと推測されます。

牡蠣

小柴胡湯加牡蠣などの牡蠣を服用すると、便秘になる人がいます。牡蛎の中のカルシウムが腸の平滑筋を収縮させ便秘になる場合があります。
また血管の平滑筋も収縮させるため狭心症や心筋梗塞、血圧の上昇などに影響を与える事があります。

しかし、同じ牡蠣なのに桂枝加竜骨牡蠣湯などでは便秘になった人の経験がありません。不思議でした。
化石の竜骨、マンモスや哺乳類の化石が入っているからかもと思い始めました。

化石の牡蠣

後日に知ったことですが、中国では日本の様に生の牡蠣殻を牡蠣として使っていないのです。
中国では牡蠣殻の化石を牡蠣として使っています。
しかも殻の厚さが数センチから10数センチ以上もある古代の大きな牡蠣殻です。

推測で分かりませんが、化石の牡蠣や化石の竜骨には岩塩と同じように土の中の微量ミネラルが含まれているからかもしれません。

甘草

低カリウム血症と言う言葉を聞かれた方も多いかと思います。
筋力が低下し疲労感や不整脈浮腫み、血圧上昇などの症状を呈します。

カリウムは体液に伴い体外へ排出されやすいです。その為、発汗や下痢、嘔吐、尿などでもカリウムは失われていきます、

利尿降圧剤を服用していると、低カリウム血症になり易いのも利尿によるカリウム低下です。昔は利尿降圧剤とカリウム剤を必ず併用し投薬されていました。

カリウムはサラダなどの生野菜、豆類、果物など、多くの野菜類に含まれています。

生甘草

漢方薬の甘草による低カリウム血症も時々話題に上ります。
漢方の古典に従うと漢方薬は炙甘草を使用し、生甘草は直接触れて効果を期待する甘草湯、桔梗湯のみになっています。
しかし現在の日本では炙甘草湯を除き、すべての漢方薬が生甘草を使用するのが通例となっています。その分、古典より甘草量を減らして日本では生甘草が処方されています。

動物実験では人間に換算し1日量4、5グラムの生甘草を1年以上継続すると低カリウム血症が発症するようです。

通常の漢方薬には1日量1から1.5グラムの甘草が含まれています。低カリウム血症を発症する3分の1から、4分の1量の甘草量ですので普通の方は心配いりません。

人参湯や桂枝甘草竜骨牡蛎湯などは1日量3グラムの甘草量ですので、野菜嫌いの方や利尿降圧剤を服用、副腎やアルドステロンなどに問題のある方は低カリウム血症を起こしやすいので注意が必要です。

食品添加物の甘草

また、甘草のグリチルリチン酸は甘味料として食品添加物としても使われます。砂糖の200倍の甘さがあるため天然の甘味料として様々な食材に大量に使われています。
また甘草の黄色で色付けされた漬物などもあります。

私達は漢方薬以外にも食品添加物として甘草を摂取しています。野菜嫌いの方や野菜不足の方は特に気を付けなければいけません。

昔は問題にも成らなかった漢方薬による低カリウム血症。生活環境や食の変化により問題になる事も増えてきたように思われます。