写真は、松江城二の丸の興雲閣です。
痔核、痔ろう。かけ橋掲載分
太陽堂漢薬局の患者さんに、毎月お配りしています。論文、改善例のご案内はこちら
手術後再発の痔核
1950年生、女性
4年程前に痔核の手術を行ったが、手術直後から痒みが始まり、2年前には痔核を確認。病院では再手術を勧められたが、再発を繰り返す不安がある為、漢方薬の治療を考え当薬局を訪れられた。
痔核の原因は、内臓下部の血滞、血栓である。問診票と糸練功にて、乙字湯加味方を確認した。
この漢方薬は、肝臓の門脈圧を低下し、肛門部血流を促し痔核を縮小する事で、脱肛も同時に改善する漢方薬である。当薬局では、漢方薬と養生の両輪で進めて行く為、日常生活での注意点などを説明し治療を開始した。
血流改善に結びつく事
- 散歩やウォーキング等行う
- 入浴、下肢の血流を上に向けてマッサージする事も有効
- 緑色の濃い野菜を多めに摂る
- 便通を良くする。便秘は、痛みや腫れの原因となります
悪化しやすい事
- アルコール、唐辛子等の刺激物
- 過度なストレスで血管が収縮し、血流が悪くなります
服用開始2か月目、痔核が柔らかくなった。
6か月後、痔核が3分の1程度に小さくなった。
便通も改善され1年2ヶ月後、痔核が消失し症状もなく落ち着いた為、漢方薬終了となった。養生をしっかり守って頂いた事が早い改善に繋がった例であった。
内服で完治できた痔ろう
1954年生、男性
長年痔ろうに悩まされている男性より相談を受けた。痔ろうは、お尻に膿のトンネルができ化膿を繰り返す病気である。原因は主に肛門腺に細菌が入り込むことで、炎症し腫れや痛みを起こす。男性はしこりがあり度々腫れる為、椅子に座り難くなってきたそうだ。
痔ろうを完治させる為には、現代医学では手術以外方法がなく、術式によっては肛門括約筋ごと除去する事があり、お尻を締める事が出来なくなる。できれば手術を回避したいと漢方薬を検討された。
問診と糸練功により菌を殺し、排膿を促す漢方薬をお出しした。また痔ろうの改善には養生がとても大切な事をお伝えした。
痔ろうを悪化させる要因として注意すべきことは
- 免疫力が低下する。白砂糖を含む甘いものの摂取など
- 身体を温めすぎて炎症を促す。温泉や長風呂など
- 代謝が活発になる。アルコール、ニンニク、もち米など
服用から2ヶ月後、「今までの痛みが10分の1程度まで落ち着いてきた。腫れが急速に小さくなり、嘘のようだ」と嬉しいご報告を受けた。
その後、停滞する時期もあったが、少しずつ改善しながら無事に漢方薬を終了出来るところまで辿り着いた。当薬局は、長年の経験によりオリジナルの漢方薬で完治できる方法を見つけている。内服で痔ろうを完治できると非常に喜ばれている。