前にかがむのも痛くて靴下も履けない

腰痛

坐骨神経痛。かけ橋掲載分

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腰から足指先までの強い痺れ

1956年生、女性

2004年4月、県外の薬局の先生から紹介で患者さんを受けた。
出産時の事故により、下半身不随で車椅子生活を送っている。
腰から足指先まで強い痺れがある。座ると痛みや痺れが増してくるので、普通に座る事もとても辛い。仰向けに寝ると時々右手にも痺れが出てくるとの事。
問診と糸練功で調べた結果、車椅子生活での血流の低下と知覚神経の乱れによる痺れと思われた。

漢方薬を飲み始めて1ヵ月後、下半身の痺れや痛みはまだ辛いけれど精神的に随分楽になってきた。焦らず安心して取り組んで行きたいと仰っていた。
半年後、精神的に不安になった時や神経過敏になった時は症状も悪くなるようだったが、すぐに気持ちを前向きに切り替えられ、心穏やかに治療に励まれていた。
漢方治療開始から一年経った頃には、痺れのピークが過ぎて来たようだった。その後、気が付くと仰向けに寝ている時があり、そんな時でも苦痛に感じる事はなく手の痺れも起こらなくなってきた。
更に1年半後、10日間の海外旅行へ行かれた。旅行中元気に過ごす事が出来て、ご家族の方はもちろん、ご本人が一番驚いておられた。
ご自身で整体法を始められ、調子がとても良い。知覚神経障害も10合まで改善され、約5年間の漢方治療を終えられた。

腰から来る神経痛

1969年、女性

2007年7月、神経痛でお悩みの女性から相談を受けた。
最初は、左腰の骨盤の後ろからズキズキするような痛みから始まり、今は、痛みが左の足膝まで広がってきたと言う。天気の悪い日は特に痛くて殆ど動けず、前にかがむのも痛くて靴下も履けないとの事。
病院でレントゲンを撮るものの特に異常はないと言われ、別の病院に行くと腰から来る神経痛と言われたと言う。
糸練功にて骨を丈夫にし痛みを改善する漢方薬を確認。グルコサミン含有の接骨木製剤とニンニク製剤を同時にご服用頂いた。
飲み始めて3ヵ月後、歩行や階段の昇り降りは普通に出来るようになられた。更に2ヵ月後、早歩きや小走りも出来るようになり、大変喜ばれていた。
漢方薬を続けて10ヵ月後、初診時に0合1プラスだった合数が6.7合1プラスまで改善。腰に負担が掛からないようご養生され、リハビリも励んでおられた。
初診から1年後、湿度が高くなると腰が重だるくなるものの、リハビリをすると感覚が戻られる。再発防止力を高めるため、煎じ薬へ切り替える事とした。
煎じ薬に切り替え3ヵ月後、概ね良好の状態が続き、合数も9.5合プラス1まで改善。筋力がつくようストレッチも始められた。体質の改善、再発の防止の為に正式処方の煎じ薬に切り替え、お値段もお安くする事が出来た。
6ヶ月後、合数が10合プラスマイナスの状態まで改善。それから3ヶ月して漢方治療卒業となり治療を終えた。

病院の検査で異常が認められない坐骨神経痛

1964年生、女性

突然右臀部にじわじわと痛みが走り出したご婦人の相談を受けた。
以前にも右の股関節が痛くなり、歩くのにコキっとする事があったそうである。
病院の検査では特に異常は無い。強いて言えば右骨盤が浅いとの事。
電気治療と腰の牽引を数回行った。しかし一向に良くならず、右臀部の痛みはだんだん酷くなった。最初はボルタレン1錠で驚くほど痛みが止まったが、最近はあまり効かなくなってきたそうである。座薬もいまいちとの事。
思い起こせば、中学生の頃から腰が痛く、長時間歩いたり立ったりすると、たちまち腰痛が発症していたとの事。
糸練功で調べると、腰の付近で胃の腑陽証1合4プラス。
椎間板ヘルニアが原因の坐骨神経痛と思われる桂枝二越婢一湯証を確認する。

1ヶ月後、痛い部位が徐々に下がってきたとの事。これは坐骨神経痛特有の改善の兆候である。
3ヶ月後、病院で椎間板ヘルニアと診断される。早急な手術の必要はなく、減量と運動を指示された。
その後、一進一退を繰り返しながら腰痛が随分楽になった頃、右の股関節の痛みが酷くなってきた。そちらにも対応できるように薬方を組み換えた。

9ヶ月後、坐骨神経痛は殆ど感じなくなった。活動しすぎて股関節の痛みが酷い時はロキソニンを服用している。

10ヶ月後、坐骨神経痛、股関節痛とも快方に向かっているのが実感できると言われた。患者さんの自覚症状が改善したこの時、合数は7.4合であった。

坐骨神経痛と臀部の激しい痛み

1945年生、男性

患者さんは15年前来の腰痛、坐骨神経痛で苦しんでおられた。2年程前より臀部が激しく痛み、座る事も出来ないと訴えられる。
身長170センチ、体重75キログラム。よく水を飲み寝汗を掻くそうである。日中の発汗は少なく小便も正常。最高血圧140、最低血圧95と最低血圧がやや高め。
糸練功で調べると第4腰椎にヘルニアと思える異常、胃の腑陰証2.5合4プラスを確認。臀部を調べるとヘルニアとは別に合数の異なる異常がある。五志の憂と合数が重なる事を確認。証を取ると肝の臓陽証2.5合3プラス硬い脳血管を軟らかくする漢方薬証である。
血管を軟らかくする漢方薬証は病態として脳動脈硬化を伴う事が多い。本人に確認すると10年前に脳梗塞をしたとの事。東洋医学的には脳梗塞と、神経痛と思われる臀部の痛みは同じ原因である。
5月13日より漢方治療を開始。硬い脳血管を軟らかくする漢方薬、清熱作用のある丸剤を投与。
7月16日、硬い脳血管を軟らかくする漢方薬証9合プラスマイナス1、ヘルニア7.5合プラスマイナス1に改善。本人も「痛みが緩和し座れるようになった」との事。
翌年1月6日、硬い脳血管を軟らかくする漢方薬証、ヘルニア共に10合プラスマイナスで安定し、治療終了となる。
漢方太陽堂には、このような痛みや痺れなど、五志と重なる知覚神経障害の患者さんが多く相談に来られる。いづれも様々な治療を繰り返し神経痛、後遺症、ヘルニア、骨化などの診断を受けている。

夜に痛みが増す坐骨神経痛

1943年生、女性

坐骨神経痛で悩む主婦の方。痛みが強く整形外科に通っておられる。神経ブロックの注射も試みたが、痛みは変わらないとの事。
夜になると痛みが強くなるとの事。身長152センチメートル、体重59キログラム、口渇があり水分摂取が多く小便量もやや多く、発汗しやすく、舌診は燥湿中間で微白苔、やや便秘がちである。
糸練功でみると膀胱腑陽証0合4プラスに骨の修復を助ける漢方薬証、同じく膀胱経陰証。0.5合3プラスに筋肉の収縮緊張を確認。
骨の修復を助ける漢方薬証の為、骨粗鬆症を伴った椎間板ヘルニアもしくは脊椎すべり症が推測される。
5月10日、骨の修復を助ける漢方薬と青皮製剤、葉緑素と牡蠣製剤、筋肉の緊張を解す外用を選薬投薬する。
6月22日、筋肉の緊張が4.5合、腰椎が6合。少し調子が良いとの事。7合を越すまでは無理をすると直ぐに悪化する事をお伝えし、コルセットを出来るだけ着けておく様に指示する。
7月24日、筋肉の緊張が5合、腰椎が6.5合。順調に改善している。
8月20日、筋肉の緊張が6.8合、腰椎が3合。重い物を持ち無理をしたとの事。一時的に3合となり悪化。くれぐれも無理をしないように注意。
翌年1月25日、筋肉の緊張が7合プラスマイナス1、腰椎が9合プラスマイナス。痛みは殆ど無い。
翌年3月29日、腰椎が10合プラスマイナス。痛みはなし。
翌年5月31日、腰椎が10合プラスマイナス。治療終了となる。

1年間の治療にて骨粗鬆症性の坐骨神経痛が改善した例である。