
心筋梗塞による胸痛と体力が衰えた心不全。患者さんとの「かけ橋」
漢方太陽堂の患者さんに、毎月お配りしています。
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手術予定の心筋梗塞患者さん
(昭和17年生、男性。No.2375)
患者さんは3年前心筋梗塞でフセン治療の手術を行っている。しかし今年4月より心筋梗塞の症状が再悪化、朝方運動時に胸痛を訴えられる。3ヵ月後に再手術の予定である。
病院の検査では冠状動脈が石灰化しているとの事。バファリンCとパナルジンの投薬を受けている。
眼瞼は充血、水分の摂取が多く降圧剤を服用中。舌下静脈は怒張。
糸練功で調べると心経陽証1合Ⅲに心筋梗塞の激痛を捉える上焦の水毒証。
小腸経陰証-0.5合+(3)に心悸亢進の水毒+気の上衝証、心臓がかなり弱っていると思われる。
更に膀胱の腑陽証3.5合Ⅱに五志の憂(自律神経のアンバランス)を確認。
心経陽証に漢方薬Ⅰ。小腸経陰証に漢方薬Ⅱ、膀胱陽証に漢方薬Ⅲを選択投与する。
3ヵ月後、心経5.5合、小腸経7合、膀胱の腑7合に改善。体調も良く心筋梗塞の症状も薄れたので手術を延期する事にしたとの事。
10ヵ月後、心経9合、小腸経10合、膀胱の腑10合に改善。心筋梗塞の症状は消失。病院の検査でも「手術の必要は無くなった」と言われ、患者さんは喜ばれた。
その後、患者さんは病院の新薬を止められ漢方薬だけの治療に専念された。
1年2ヵ月後、全ての状態が10合±になり、漢方薬を中止し再発防止を行う事とする。
その後、現在に至るも心筋梗塞は再発せず、駅より漢方太陽堂まで汗を掻きながら、元気に歩いて来局されている。
心不全で体力が衰えた状態から座位が取れるまで
(1928年生、女性。No.5384)
漢方太陽堂で漢方治療をされていた女性から、微熱が続き食欲低下により体力が衰えたお母様のご相談を受けた。
血液検査の異常は無いが、毎日の生活も困難な状態になっていた。横になる時間が増え、身体を動かす事も減っていた。往診して頂けるドクターに巡り合い、うっ血性心不全と診断された。
糸練功にて、心臓の反応に「脾虚を補う証」と「体力改善に働きがとても強い証」を確認した。漢方薬の服用が困難な事もあり、スポンジに漢方薬を染み込ませ、少しずつ吸入して頂いた。嘔吐が続いてしまう事もあったが、次第に体力を取り戻し、食事の量も少しずつ増えて行った。食事が摂れるようになり、体力も戻っていった。
その頃、肺に雑音があり、胸水が溜まっているとドクターから診断を受けた。心臓機能を高める事で、肺の機能も高まるが、肺からの影響が大きいと判断し、「心臓の機能を高める働きをする煎じ薬」を「肺の機能を良くする煎じ薬」へ切り替え、治療を再開した。
2週間後には会話が普通に行える様になり、単座位も可能なまでに回復をされてきた。
それから2週間経過した頃には、肺の雑音も改善しており、車椅子への移乗も少しずつ取り入れる事が出来る様になっていた。
桜の咲く頃になると、車椅子で花見を楽しむ事が出来るまでに回復していた。ドクターも驚く程の回復ぶりに改めて漢方薬の力を確認した。