写真は、中国雲南省大理市の築1000年の崇聖寺三塔です。
卵管狭窄、原因不明の不妊症。かけ橋掲載分
太陽堂漢薬局の患者さんに、毎月お配りしています。論文、改善例のご案内はこちら
卵管狭窄から妊娠
1982年生、女性
卵管は、精子や卵子、受精卵の通り道となる重要な部分であるが、炎症等の影響で狭くなったり、詰まってしまう事がある。
西洋医学では、
- 体外受精
- バルーンを膨らませ卵管を広げる手術FTを薦められる。
しかし、手術では原因を取り除く訳ではない為、術後1年で再発をしやすい。今回相談に来られた患者さんも同様で、FT半年で卵管狭窄を再発している。このままでは妊娠できないと言う不安から来局された。
東洋医学的に卵管狭窄、閉塞は、瘀血、血滞の滞りと水毒、水の滞りが原因であると考える。
糸練功では、六君子湯証と甲字湯証を確認した。水毒を去る働きのある六君子湯をベースに、炎症の原因を駆瘀血剤である太陽堂オリジナルの漢方を用いて卵管狭窄の改善に取り組む。また同時に赤ちゃんの為の苗床作り、妊娠しやすい体質もしていく。養生としては、疲労、ストレスを避けて、細胞やホルモンの原料となるタンパク質を摂る事、脂肪分の少ない魚介類、味噌、水溶性繊維質を積極的に食して頂く様伝えた。
服用開始から4か月後、卵管検査で狭窄が解消したと嬉しい報告を受けた。その後、赤ちゃんを授かり現在安定期に入られた。
卵管狭窄、閉塞は漢方治療の有効例が非常に多い。手術で再発を繰り返す方は、一度漢方薬を試して頂きたい。
病名がつかない病は、東洋医学が強い
1995年生、女性
不妊とは、妊娠を望む健康な男女が避妊しないで性交渉を行っているにも関わらず一定期間(1年以上)妊娠しない場合、不妊症と診断される。相談に来た女性は、約2年ほどタイミングを取っていたが妊娠に至らなかった。また産婦人科では異常所見は見当たらず、漢方に頼りたいと相談に来られた。
基礎体温表をみせていただくと、生理前に基礎体温が下がり始め、生理後に基礎体温が上がっていた。 糸練功と問診、基礎体温により人参当芍散証を確認した。また細胞内のミトコンドリアを活性化させ代謝を活発にする働きのある補助剤をお出しした。食事では、鶏肉や豚肉、ニンニクなど力をつける食事と浄化作用のある緑の濃い野菜をお勧めした。
服用から1ヶ月後、半夏厚朴湯証を捉えた。甲状腺機能低下が疑われるため人参当芍散に半夏厚朴湯を合わせて服用頂いた。
それから3か月後、無事に妊娠したと嬉しいご報告を頂いた。
不妊の原因は様々あるが、西洋医学的な原因がハッキリしている場合はその治療を行う事で妊娠へのアプローチはできる。しかし近年は原因不明が増え、西洋医学的治療は非常に難しくなっているようだ。甲状腺機能低下と不妊との関連についても様々な報告があるが、この女性の場合は、東洋医学の証立てが上手いき、早い段階で妊娠に辿り着いた。