骨量減少
骨粗鬆症とは、加齢とともにカルシウムが流出し骨量が減少。もろくなって骨折しやすくなる疾患です。
高齢者や、閉経後5年から10年の女性によく起こります。閉経すると女性ホルモンのエストロゲンが分泌されなくなるため、カルシウムが不足し起きる老化現象の一つが骨粗鬆症です。
骨量減少だけでは症状はありませんが、骨粗鬆症になると骨折しやすくなり痛みが出ます。
骨粗鬆症の食事生
骨粗鬆症にとって体重は最大の負担になります。
食事では、味付けを薄味にしたほうが食べ過ぎません。腰痛や膝痛があり、体重がある方は減量が必要になります。
炭水化物や脂肪を控えめに、たんぱく質やカルシウムなどのミネラル、ビタミンを多く含んだ食事を心掛けます。また食事の時はゆっくりよく噛んで召し上がるようにしましょう。早食いすると食品の栄養成分がうまく吸収されないだけでなく、大食いしてしまう可能性があります。
骨粗鬆症では、海のミネラルを多く含む海草、小魚は積極的に摂るようにします。
カルシウム、ミネラル
骨粗鬆症を防ぐためにも、イワシやシシャモ、ジャコなどの小魚、海草、豆腐などからカルシウムを摂るようにしましょう。特に海草などの海産物はおすすめです。
骨はカルシウムだけで出来ているのではありません。6から7割のリン酸カルシウムを中心に他のミネラルやタンパク質のコラーゲンで出来ています。ミネラルの体内への吸収、利用を考えると、牛乳のみによるカルシウム摂取はお勧めしていません。
また玄米は2000年以上前から粳米コウベイの名前で漢方薬として使われています。玄米の効能は多血症で血圧が高く、血糖値が高い等の升の状態に効果があります。反対に貧血の人や骨の弱い人は、より貧血や低血圧、骨密度の低下が進行します。
薬理学的には玄米中のフィチン酸が身体のミネラルを排泄します。カルシウムも排泄しますのでカルシウム拮抗剤を服用した時と同じように血管の収縮を抑制しますので高血症の人などには合っている面があります。しかし骨の弱い人には、玄米は禁忌となります。
吸収率を上げる
ミネラルの吸収率は朝夕で変化します。朝の吸収率は低く夕方以降は吸収率が上がる傾向にあると言われます。海産物などはミネラルが豊富です。夕食で摂ると効率が良いです。
またカルシウムなどのミネラルはアルカリ金属です。酸性の酢などと合わすと食品中のカルシウムなどを引っ張り出します。ワカメの酢の物、南蛮漬け、サラダにドレッシングなどです。ドレッシングは酢と植物油、マヨネーズは酢と卵黄です。
人間の身体は血液も尿も汗も酸アルカリ度PHは一定です。酢や酸性の食品の摂取が多すぎると、体液のPHを一定に保つため体内の骨のミネラルと中和しないといけません。結果として身体からミネラルが漏れ出していきます。
酢は食品中のミネラルを抽出しますのでミネラルを吸収しやすくします。逆に摂り過ぎると自分の身体からミネラルを排泄します。酢は使いようです。
たんぱく質
たんぱく質の摂取が不十分だと新陳代謝が衰え、血管がもろくなります。脂肪の少ない白身の肉、魚、卵、大豆製品などに良質のたんぱく質が含まれています。
ビタミンC
ビタミンCは、骨粗鬆症の方の結合組織のコラーゲンを作るのに欠かせません。ビタミンCというと、すぐ果物やレモンを思い浮かべますが、キャベツやブロッコリ、ピーマン等の野菜にも多く含まれています。
果物は漢方でいう潤の働きをするものが多く、湿、水毒のトラブルである関節痛の方にはお勧めできません。
ムコ多糖類と骨粗鬆症
ネバネバ物質です。骨粗鬆症の方の肌や関節にて潤いを保ち、関節の動きをスムーズにします。オクラ、山芋、モロヘイヤなどのネバネバ食品にも含まれていますが、植物性のものは少量です。
骨ごと煮込んだ魚や肉の煮こごりがお勧めです。肉は毎日摂ると脂質過剰の心配がありますから、魚の煮こごりが良いでしょう。
お魚を煮つけする時、昔は梅干しをつんざいて入れていました。煮つける事で煮こごりも出ますが、梅の酸性により魚の骨の成分が出てきます。骨を食べなくてもミネラル成分が魚の肉にも染みこみます。
ビタミンB群
神経の働きを正常に保ちます。枝豆、ソラマメ、モロヘイヤ、菜の花、豚肉、ウナギ、お味噌料理などバランスよく食べましょう。
ビタミンE
血管の老化を防ぎ、血液の循環を良くし、緊張した筋肉を和らげます。落花生、モロヘイヤ、赤ピーマン、大根葉、かぶの葉などに多く含まれています。
骨粗鬆症を回復させる漢方
漢方治療は、骨粗鬆症を治す事を目的とした治療ではありません。
老化に伴う腰痛や関節症の漢方治療をすると、痛みが消失するだけでなく、結果として骨粗鬆症の改善に繋がります。
骨粗鬆症から起きる腰痛や関節症の治療を漢方薬で行います。痛みの無い生活に戻れる人が多いです。
養生法
両膝や股関節を痛めると立つことも歩く事も出来なくなります。外出や運動も出来なくなります。家の中での日常生活も不自由になります。
大腿四頭筋を鍛える
膝を守るため大腿四頭筋を鍛えるのが良いです。プールや散歩、歩く事、特に坂道や階段はお勧めです。
室内ではスクワットが良いのでしょうが、膝に負担が来ることがあります。スクワットが出来ない場合は椅子に座り足を横に伸ばし足先に重みを下げると良いです。この方法だと膝に負担を掛けずに大腿四頭筋から股関節周りの筋肉まで鍛えられます。太陽堂漢薬局では印刷物にて詳しく指導しています。