疲労、心労で不眠症、下痢、頭痛、手足の冷え症状

自律神経失調症

自律神経の調節が必要な体質。かけ橋掲載分

漢方太陽堂の患者さんに、毎月お配りしています。
論文、改善例のご案内はこちら

2度目の自律神経失調症

1965年生、女性

10年以上前に前身の鹿児島時代の漢方太陽堂で自律神経の治療を受けて症状が消失し、漢方薬を卒業された女性から相談を受けた。

その後10年間調子が良かったが、疲労、心労などが重なり最近再び不眠症、下痢、頭痛、生理痛、手足の冷えなどの症状が起きるようになってしまったとのことだった。

一度、体質改善をしていると次の漢方治療は早い

一度体質改善をされている場合、漢方薬の効果は非常に早く現れることが多い。
今回の場合も糸練功でお調べして、身体に力が付く漢方薬をお出ししたところ、1ヵ月後には毎晩ぐっすり眠る事が出来るようになり、下痢、生理痛症状も大幅な改善を見せた。

脾虚の食養生と生活

身体に力が付く漢方薬は脾虚、胃腸の消化や吸収能力の低下によるエネルギーの低下がベースにある為、食事面では脾を補い身体に力がつく穀類、根菜類を積極的に食べるように指導した。
また体力が落ちている状態の為、激しい運動や発汗のしすぎなどは暫らく控えて貰うようにした。

2ヵ月後には手足の冷えが改善して12月なのに辛くないと喜ばれた。また頭痛も天気が悪い日に気になる位で、普段は痛む事が無くなった。

その後も順調に合数が改善し、やがて頭痛も天候に左右されなくなり、11ヵ月目からは漢方薬の量を段階的に減らせるようになった。

症状消失後も再発防止のために服用を続け、飲み始めてから2年後に無事漢方薬を卒業する事が出来た。

自律神経失調症。不安が原因で吐き気、喉の不快感

1972年生、男性

胃部の不快感により毎日吐き気を催す男性より相談を受けた。
食道などの検査も異常がなく、ピロリ菌検査も陰性。逆流性食道炎もないとの診断を受けていた。

五志の憂の自律神経の異常

糸練功で確認した所、五志の憂に自律神経の調節が必要な体質と気の上焦が停滞する体質を確認する。

五志の憂とは、東洋医学の概念で怒、喜、思、悲、恐の5種の精神状態を言う。自律神経の調節をするエキス剤と気の上焦を促すエキス剤と補助剤にて治療を開始する。

漢方治療から1ヵ月後

喉の不快感は楽になっているとの事だった。合数は、経絡の部分が3.5、臓腑の部分が5.1に確認が見られ順調な回復を見せた。
漢方治療から2ヵ月後には、喉の不快感はなく合数も7合を越えて順調な回復を見せた。

漢方治療から10ヵ月後

喉の不快感の症状も全く感じなくなり合数も10合まで上がっていた。正常眼圧緑内障の治療も併用する事になり最近知られている免疫系、自律神経などに影響を及ぼす第五頚椎に対する漢方薬に切り替えた。

漢方治療から1年10ヵ月後

第五頚椎の合数も10合を越え、五志の憂の合数も10合から低くなる事なく治療終了となった。

今回の例は、毎日の胃部の不快感や、検査も異常がない為に不安が五志の憂を悪化させていたのかもしれない。
症状と共に不安を取り除き症状を改善させられたのは非常に喜ばしい事である。

口渇。鬱病。うつ病。

1971年生、男性

10年以上続く口渇と鬱病でお悩みの男性から相談を受けた。
東洋医学では、口渇は裏熱を帯びた状態である。裏熱は、胃の熱、腸の熱、血糖値の上昇等、様々な事が考えられる。
この男性の場合、自律神経の失調が原因となり、裏熱の状態を呈していた。東洋医学的な病位は陽明病。

漢方治療と向精神薬

鬱の状態に、少陽病位から陽明病位である神経過敏になりがちな体質を確認。体質改善の漢方薬と併せて、裏熱を冷ます清熱剤をお出しした。
病院では、3種類の向精神薬を処方されていたが、漢方治療を始めるにあたり自己判断で中止。
向精神薬は、徐々に減薬しないと様々な不調が出てくる。すぐに服薬を再開するよう指導した。

漢方治療開始から2ヵ月後

合数は最初の山である4合を越してきた。

半年後

9.5合まで改善され、病態の勢いを現す厚みもプラスマイナスとほぼ勢いが無くなってきた。糸練功にてチェックし向精神薬を減量し始めた。

それから2ヵ月後

症状が出た時はすぐに服薬することを条件に、向精神薬を全て中止した。中止後10日程で不眠になり、少量を再開。無理せず減薬するよう指導した。向精神薬が完全に無くなり、状態はかなり改善されてきた。

再発防止

合数も10合プラスマイナスで安定している。漢方薬も少しずつ減量出来るようになってきた。食養生を指導しながら、再発防止の為、暫くの間、漢方薬をお続け頂いた。

自律神経失調症。非常に強い疲労感

14歳、男性

お父様より、14歳の息子さんの相談を受けた。

疲労感

非常に強い疲労感があるとの事。一般的に、疲労感は原因として大きく分け、肉体的疲労と精神的疲労がある。
肉体疲労の原因は、胃腸機能の低下、肝臓の弱りなど。精神的疲労の原因は、ストレスによる自律神経の乱れが考えられる。
漢方では、証、体質を決定する事によって原因を推測する事が出来る。

患者さんを糸練功で確認すると、大腸瀉0.5合4プラス自律神経の調節が必要な体質が出現していた。
この体質の方は心身ともにデリケートな体質である。アレルギーが出やすく、ストレスとの関係も深い証、体質になる。

息子さんの疲労は、精神的ストレスによるものと思われた。

ストレスを解消する

漢方薬を投薬

1ヵ月後

糸練功の結果は4合1プラスまで改善されていた。

更に1ヵ月後

7.5合プラス1まで改善。一度は6.8合プラス3まで下がったものの、毎月9合プラス1、9.5合プラスマイナス1と順調に改善し、疲労感などの症状が消失し、漢方治療卒業となった。

治療途中、ストレスが加わると一時的に悪化する時期も出てくるが、漢方薬には同じストレスを受けても乗り越えられる、ストレスに強い体質作りをする効果がある。

自律神経失調症。味覚と臭覚が無い男性

1935年生、男性

私の親戚の紹介で相談に来られた男性。ある幼稚園の園長先生である。
話を聞くと、1ヶ月ほど前から舌に感覚が無くなり味覚が消失し同時に臭いも感じなくなったと訴えられる。

病院で治療するも改善せず、近くの薬局で霊芝、牡蠣肉エキス、スクアレンを服用しているとの事である。
腎炎で蛋白尿がある。元来は脈が遅く50台であるが、現在は80台になっているとの事である。

東洋医学の診断は脾虚

身長158センチメートル、体重46キログラム、軟便。舌診は微白苔、潤の状態。脾虚が窺える。
問診の結果、神経質で自律神経の異常による知覚神経障害が原因の味覚、臭覚異常だと思われた。

糸練功で診ると右上焦肺大腸経1合に陰証の強い反応3プラスがある。
薬方は自律神経を調節するエキス剤と胃内停水を改善するエキス剤、また気剤として気の衰えを改善する丸剤の変方を選薬した。

自律神経を調節するエキス剤と胃内停水を改善するエキス剤は2対3の割合である。

15日後、臭覚が回復、著効である。糸練功の結果はまだ3合2プラスである。引き続き漢方治療を継続し、約7ヶ月で治療終了となった。

脱肛と前立腺肥大も

この方はその後、脱肛や前立腺肥大、メニエール氏病の治療を御希望され、約6年間お付き合いする事となった。

味覚障害の漢方治療

今まで味覚障害を何人もみて来たが、自律神経の知覚神経障害の治療で全員良くなっている。一般に言われる亜鉛やミネラルの不足だけが問題なのかと疑問に思う。
また、どの病気でも病歴が短いほど治りが早く、病歴が長いほど治りも遅い傾向にある。