2023年4月4日。写真は大分県由布市、由布岳の山頂西峰です。
自分は脇役
私事ですが、23歳で漢方の世界に入り、その後20年ほど漢方の古典や本などを猛勉強しました。勉強した漢方の本は積み上げると天井を超え2階へ届くほどだったと思います。1年勉強しても解らず3年勉強しても理解できないと言われる漢方の古典も、20年以上かけ何とか理解できるレベルになりました。その間、色んな先生にお教え頂きました。ご指導いただいた先輩方にも感謝しています。
勉強も自分の我が儘
40歳を過ぎた頃から漢方の講師で全国を回ることが多くなりました。その頃からです。漢方の世界で自分は何をすれば良い、何をしたいか。考えが浮かばなくなりました。
一生の仕事は漢方と決めていたのに、幼稚園の先生になりたい、小料理屋を出したいと思ったのもこの頃です。漢方を勉強したのも自分の知識欲で、自分の欲望、自分のため、自分の我が儘からだったのではと思います。
自分の人生で自分は脇役
その頃、温泉を経営する知り合いの初老の男性から「喉頭がんと診断されました。自分の身体にメスは入れない。先生に命を預けます」と言われました。僕の漢方は何のためだったのか。その男性と一緒に癌腫との闘いが始まりました。
頼って下さる患者さんに喜んでもらう、笑顔を作ってあげたい。それが自分の仕事だと思いました。漢方を志す若い人達を応援したい。自分の学んだ漢方を若い人の役に立てたいと教え始めました。
何をしたら良いのか、迷いが無くなりました。空虚に成らなくなりました。やっと救われました。
「自分の人生で、自分は脇役」自分の周りも輝き、自分も輝ける場が出来ました。
東洋医学に触れて
伝統漢方研究会が発足し、東洋医学と糸練功の勉強が始まり20年以上が経ちました。入会される先生がたには様々な方がいらっしゃいます。薬剤師、登録販売者、医師、鍼灸師、整体師、看護師、他。
また入会の動機も様々だと思います。漢方に興味があるのは全員です。入会動機は経営安定のため、競争相手との差別化、収入を上げたい。入会動機は何でも構いません。
辞められる先生方
途中で伝統漢方研究会を辞められる先生方もいらっしゃいます。今までメーカーからの情報を頼りに販売、治療されていたのが、色々な漢方薬や商材を、最低の効くか効かないかだけでも、ご自分の糸練功で判断出来るようになります。1、2年では高度な治療は出来ませんが、それでも構いません。
目的を持たれた先生方
また、東洋医学や漢方の面白みに気付かれる先生も多いです。私もそうでした。治癒率を上げるため頑張っていらっしゃる先生方も多いです。伝統漢方研究会に入り、人生感が変わった先生方もいらっしゃいます。
伝統医学を伝承
間中善雄先生から入江正先生へと受け継がれた技と理論。丹波康頼の医心方から始まり高野山の空海による康平本傷寒論、比叡山の最澄による康治本傷寒論、栄西禅師の喫茶養生記など。日本で守られきた2000年前からの伝統医学。この東洋医学、伝統医学を次の世代へ伝承できれば、日本の後世派、古方派にとり更に発展の基礎になります。
ショック、残念です
思い起こせば、30代初めに入江正先生に出会い入江フィンガーテストをお教えいただきました。入江FTに合数の概念やセンサーと労宮の概念、気功の調身の技術を入れ、ミスや勘違いの少ない現在の糸練功が出来あがりました。東洋医学を目指す先生方に糸練功をお教えし始めてから30年が過ぎました。
腕が落ちた先生方
現在の伝統漢方研究会で会員の先生方が糸練功をしているのを見ていると、非常に残念なことに気づきます。20年近く糸練功をされているはずの先生の技が、まだ1から2年しか訓練していない先生方より感度が悪くミスが多いのです。ショックです。以前は、その先生もあれほど腕が有ったのに。今はボロボロです。しかも本人はそれに気づいていないのです。自分は出来ると勘違いされ思い込んでいらっしゃいます。
糸練功には訓練が必要
糸練功は生体物理学に基づく筋力テストです。お教えすると誰にでもできます。FTやオーリングテストと同じです。ただ訓練すると感度が高くなり、ミスを起こしにくくなります。
筋力テストですが、ミスを起こしにくくする訓練をしないとミスが多すぎるため、簡易な判断しかできず現実の複雑な臨床には使いずらいです。
訓練をしていない先生方が多すぎます。たった1日7、8分です。それをさぼり出すと臨床には使えません。
最も起こしやすいミスが脳の思い込みです。思い込みとの闘いは、糸練功を行う人間にとって永遠のテーマです。
愚痴です。お許しください。