痒みで夜も眠れない。かけ橋掲載分
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汗を掻く時期に頚部や肘の内側に痒みや赤味。お悩みの女性
1986年生、女性
アトピー性皮膚炎でお悩みの女性から相談を受けた。5年程前からステロイドは止めているが幼少の頃からずっと症状があり、特に夏場、湿度が高く汗を掻く時期になると頚部や肘の内側を中心に痒みや赤味が悪化するとのことだった。
甘い物、白砂糖は皮膚病を悪化
糸練功で確認した所、アトピー性皮膚炎に対して十味敗毒散証を確認した。養生として皮膚病は甘い物、特に白砂糖、脂物で悪化するため出来るだけ控え、緑の野菜を積極的に食べるようにして頂いた。
改善は順調に進み3ヶ月後には痒みが大幅に軽減したが、まだ不安定な状態の為、体調や季節の変わり目などによって痒みが増減する状態が続いた。梅雨時期に入り湿度が上がると再び汗を掻く部分の痒みが強くなったが、湿による痒みに効果のある消風散を合わせることで翌月には痒みも治まった。
漢方治療を開始して1年後
冬場に入ると今度は手指を中心に乾燥による痒み、湿疹が目立ってきたため処方を温清飲に変更した。
アトピー性皮膚炎の場合、幾つかの証が混在していることがあり、治療の途中で漢方薬を変更する事は良くあることである。
漢方治療を開始して1年半後
再び梅雨時期に入り、少し痒みが出たものの前年に比べるととても楽だと喜んで頂いた。
また翌年の冬には洗剤を使っても指先が荒れることが無くなった。治療開始から3年後に色素沈着も消失し、体質改善が完了して汗を掻いても痒みが出なくなり漢方薬を卒業することが出来た。
アトピー性皮膚炎。痒みで夜も眠れない
1975年生、男性
アトピー性皮膚炎の症状で困っている青年から相談を受けた。高校生の頃から症状が出だし、良かったり悪かったりを繰り返していた。
炎症症状に対して標治法の漢方治療
5ヵ月程前から急激に悪化したとのこと。特に目の周りや額、首周りを中心に炎症症状が強く出ている。聞けば痒みで夜も良く眠れないとのことだった。まずは炎症症状に対して標治法として梔子拍皮湯を処方し、痒み、赤みが少し落ち着いた。
その後、本治部のアレルギー体質改善の漢方治療
3ヵ月後から本治のアレルギー体質改善を目的に小柴胡湯へと切り替えた。また糸練功にてアレルギチェックを行い、アレルゲンとなる食物も控えてもらうよう指導を行った。
体質改善が進めば、それまでアレルギーの原因となっていた食物も問題なく食べられるようになってきた。漢方薬を欠かさず飲み、食事にも気をつけたため、半年後には痒み湿疹ともに治まり、ほとんど気にならないところまで改善した。
正月に実家に帰省した際には、食事の乱れと実家で飼っている室内犬に長時間接したため一時的に悪化があったが、その後食事を見直したためすぐに症状は持ち直した。
第五頚椎への漢方薬のアプローチ
その後、自律神経、免疫系などに作用する第五頚椎に対する漢方薬が、アレルギーにも大いに効果があることを糸練功で確認した上で第五頚椎の治療に切り替えて良い状態を続けている。更に、体質改善が進んだため、5年程前から悩まされていた冬場の指のあかぎれも、今年の冬は一切起こらなかったと喜ばれていた。
夏場に悪化するアトピー性皮膚炎
1969年生、女性
2004年12月、30代半ばの女性より相談を受けた。去年の夏より、夏場になると腕に痒みを伴う湿疹が出来る。時計のベルトの皮にかぶれ、手首から腕にかけて徐々に拡がり、腕全体が腫れ上がったとの事。
ゆっくり体質改善をして行きたい
病院より塗り薬を処方され一旦治ったものの、それ以来、手首に湿疹が出来やすく、なかなか治らない。漢方薬代や漢方薬の効果があるかなど、不安気なご様子だったが、毎年夏になるとアレルギーが原因と思われる症状が出てくるので、ゆっくりと体質改善して行きたいと希望された。
漢方治療から1ヶ月後
アトピーと湿疹に対して十味敗毒散を投薬し、食事について生活養生をお伝えした。1ヶ月後、酷い痒みは治まってきた。ちょうど冬場だったので、症状の酷くなる夏場にまた悪化しないよう治療を続けたいとの事。
漢方治療から半年が経過
7月頃から肘の内側など汗をかいた所が痒くなるが例年の湿疹は治まっている。アトピーに対して、更に消風散を追加投薬し、体質改善の強化を図った。
漢方治療から1年後
1年後の夏は汗をかいても痒みが無いとの事。夏の終わりから秋口にかけて疲れると湿疹が出ていたが、春先には漢方薬を減量することが出来た。それから更に1年半の間、漢方薬を続けられ、約5年にわたる漢方治療による体質改善を終えられた。
小児期からのアトピー性皮膚炎
1977年生、女性
小さい頃からアトピー性皮膚炎を患っているという女性から相談を受けた。小児期から高校生の頃まで、ステロイドの塗り薬を塗って症状を抑えていたと言う。その後は治まったり出たりを繰り返していたが、1年ほど前にお子様を出産してから、また症状が酷くなってきた。
アトピー性皮膚炎の漢方薬
特に両肘と両膝の内側にアトピーがあり、痒みと炎症が強く出ている。問診と糸練功により、証として胆の腑、陽証、十味敗毒湯加減証。肺の臓、陽証、桂枝加黄耆湯証。生体内環境の証として肝の臓、陽証、加味逍遙散加減証が確認できた。いずれも0合付近だった。
提案の漢方薬を飲み始めて
提案した2種類の漢方薬を飲み始めて2ヵ月は症状に変化がなかったが、3ヵ月目には、痒みが落ち着いてきて体の調子が全体的に良いとの事。
漢方治療から5ヶ月を過ぎた頃から
5ヵ月を過ぎる頃には、見た目にも肌が綺麗になっているのが分かり、ご本人もとても喜んでおられた。今まで確認していた証が改善してきた事もあり、新たに更に深いと思われる体質の生体内環境が確認できた為、先月よりその漢方薬を飲み、更なる体質の改善と再発の防止に向けて取り組んでいる。
全身のアトピー性皮膚炎を訴える女性
1967年生、女性
顔、身体に痒みと赤みを伴うアトピー性皮膚炎をお持ちの女性より相談を受けた。来局の半年前より急激に悪化したという。その症状は元々、子供の頃よりあった。
避けたほうが良い食品について
糸練功でお身体の状態を確認した所、標治部として、胆の腑、陽証、加味逍遙散証。本治部として肝の臓、陽証、荊芥連翹湯証があった。同時に、避けた方が良い食品についても糸練功で確認し伝えた。
漢方薬服用数ヵ月後
痒みも軽減し夜も眠れるようになり、周りの方からも「綺麗になったね」と言われるほど症状が治まってきた。しかし、翌年の春に花粉などが原因と思われる湿疹が首から上に出てきた。糸練功では、経絡病、急性の病として3つの証が確認できたので、一時的にその証の漢方薬に切り替えた。
漢方薬服用から2年が経過した頃
肌もツルツルになり、アトピーで黒ずんでいた部分も色が取れてきたので、ご本人もとても喜ばれていた。漢方治療の締めくくりとして、元の体質としての部分や現在出ている症状の大元となる証、生体内環境を確認したので、その漢方薬で再発防止、体質改善に向けて取り組んでいる。
一時的に症状が悪化した時期もあったが、患者さんが諦めずに取り組まれたため、良い結果に繋がったと思われる例であった。