グルテン、カゼインアレルギーの解消

漢方理論

写真は大分県由布市由布岳です。

遅延型アレルギー。漢方研究会で発表

太陽堂漢薬局が発表報告した論文。論文、改善例のご案内はこちら

グルテン、カゼインアレルギー

2020年11月、伝統漢方研究会第17回全国大会。日本、伝漢研合同論文発表会

木下順一朗。福岡県、太陽堂漢薬局

諸言

尋常性乾癬で治療をされている男性がいらっしゃいます。全身に尋常性乾癬が広がり、発赤し粉を吹いたような鱗屑が大量に噴き出していました。特に首から上が酷く顏全体が発赤し症状がありました。

防風通聖散加薏苡仁で少しづつ改善していました。防風通聖散は臓毒証体質ですので、この患者さんの腸内を浄化しようと考えました。エビオスをお勧めしドラックストアで購入して頂きました。

1か月後、乾癬の痒みが取れ、急速に改善が始まりだしていました。あまりの変化に驚き、糸練功で調べるとグルテンアレルギーの反応がありました。乾癬部分の反応はグルテンを入れるとマイナス1合に下がります。

外国の大学の研究報告

ノルウェーのオスロー大学の研究では、発達障害の子供さんはグルテンとカゼインの摂取にて尿中ペプチドが増える事が報告されています。グルテンとカゼインの食事制限をすると尿中ペプチドが減少し、発達障害の症状が改善したと報告されています。アメリカのフロリダ大学やイギリスのサンダーランド大学からも同様の研究報告があります。

太陽堂漢薬局の発達障害の患者さんもグルテンとカゼインによるアレルギー反応が全員にあることを確認し、上記大学の報告と糸練功の結果が一致しています。

遅延型アレルギー

グルテンとカゼインのアレルギーは、一般の即時型アレルギーと異なり、遅延型アレルギーと言われています。摂取後3から数ヶ月してから症状が出ると言われています。精神症状、皮膚症状、胃腸症状、免疫異常等の多岐にわたる多数の症状が報告されています。

  1. 精神神経症では、注意欠如、うつ症状、不安感、記憶力低下、他
  2. 皮膚症状では、肌のカサツキ、皮膚の何らかのトラブル、他
  3. 胃腸症状では、胃痛、吐き気、腹部痙攣、便の異常、他
  4. 全身症状では、体重減少、浮腫み、慢性疲労、日中の睡魔、免疫異常、他

腸内での動き

グルテンはその粘り気により、腸内に引っ付きます。カゼインは分子量が大きく消化酵素を持たない人間では、同様に腸に負担を掛けています。免疫を司るリンパ球の70パーセントが存在する小腸の機能が損なわれると考えられます。エビオスを服用し尋常性乾癬が改善したのも腸内細菌叢が改善したからだと考えられます。

アレルギー中和、毒消し

小麦文化の西洋食の中に、グルテンの解毒中和する食材が無いか、糸練功にてスクリーニングし検討を始めました。最初に見つかったのが黒胡椒です。その後、和食のワサビにも同様の働きがあり、生タコ、茹タコ、レーズン、ブルーベリー、酢などにもグルテンとカゼインの害を中和することを糸練功で確認しています。

腸内の浄化

大黄牡丹皮湯を急性虫垂炎に使用すると、数時間後に排便があり虫垂炎が改善します。あまりの改善スピードの速さのため、抗菌作用では考えられないと以前より感じていました。虫垂部分の化膿を剥ぎ取るのではと考えていました。

大黄牡丹皮湯の構成生薬を糸練功にて調べると、冬瓜子がグルテンとカゼインの害を取ることが分かりました。糸練功で見ると、冬瓜子と同じウリ科のスイカの成熟していない白い種、キュウリの種、メロンの種などにも同様の働きが有ります。

非結核性抗酸菌症とカゼイン

非結核性抗酸菌症の患者さん全員に、カゼインアレルギーがある事を糸練功で確認をしています。遅延型アレルギーの症状の一つに体重減少があります。非結核性抗酸菌症の患者さんに痩せ型の人が多い理由かもしれません。肺MAC菌の反応部分は露蜂房でも消失しますが、冬瓜子でも消失します。

結語

グルテンとカゼインは、皮膚病や発達障害だけでなく、免疫や様々なお病気に影響を与えていると思われます。

今回ご報告しました遅延型アレルギーの中和解毒をしていると考えられる黒胡椒、ワサビ、生タコ、茹タコ、レーズン、ブルーベリー、酢。腸内の浄化をすると考えられる冬瓜子。治りにくい患者さんの治療の一助になればと願います。