痔ろう。かけ橋掲載分
太陽堂漢薬局の患者さんに、毎月お配りしています。論文、改善例のご案内はこちら
出血と排膿を繰り返す痔ろう
1960年生、男性
病院では手術しかないと言われた痔ろうの男性からご相談を受ける。長時間座っていると化膿しているようにジクジク痛み、イボ状の出っ張りが負担になり、その場しのぎの治療ではなく根本治療を考えておられた。
糸練功で確認した所、痔核の証と痔ろうの証の2種類を確認した。
肝臓の門脈圧亢進による痔核に使用する漢方薬、痔ろうの証には太陽堂漢薬局で治療法を確立した漢方薬、痔核と痔ろうのどちらも治療が必要だった。
痔ろう、痔核共に甘い物は悪化の原因になり、便秘や下痢も出来る限り起こらないように乳酸菌製剤をお出しした。
痔ろうと痔核の漢方治療
痔ろうと痔核の治療を同時に進めている為、1日の服用回数が多くて大変と言われていたが、きっちり服用され治療を続けておられた。3ヵ月漢方薬を服用され、症状は小康状態だが、以前とは違い今までより悪くならない事は実感されていた。1年経過した時には痒みや出血の度合いなどがグッと少なくなったと喜ばれていた。
痔核の治療は終了する事が出来たが、痔ろうは3年経過して腫れる状態が減りとても調子良く過ごせるようになられた。治療をしている段階で腫れが全くない時期なども少しずつ増え、漢方薬も段々と減らせるようになっていた。最終的には3日置きに1回漢方薬をお飲み頂き治療を進めた。
治療開始から9年と長い間治療をされたが、病院では手術を勧められていた痔ろうが完治された例だった。
少量の出血後に排膿を繰り返す
1951生、男性
シコリの様な腫れがあり、2週間毎の間隔で出血と膿が出る状態を繰り返している痔瘻のご相談を受けた。通常は痛みが出る事は無いが、排膿前は腫れて痛みが出てしまうと大変お困りだった。
糸練功にて状態を確認し、痔瘻に急性期を過ぎた可能性疾患の証と、腫れに対して痔核による証を確認した。
太陽堂漢薬局には多くの痔核、痔瘻の患者様がおり、経験上、正式処方より代用の炎症を取り血流を増す補助剤を使用する方が、治癒率が増し患者様の負担も減る事が分かっていた。また腫れの状態に対して、血液を上手く流す駆瘀血作用のある漢方薬を用い治療を開始した。
治療開始から3ヵ月
「なんとなく腫れも小さくなり楽になってきたような気がする。下痢の状態も少し改善されている」と、長い間悩まされていた事だったので喜んでいらっしゃた。
治療開始から5ヵ月
「小さな腫れに伴い膿も出る事はありますが、以前に比べれば格段に楽になった」と仰っていた。
治療開始から1年経過
「症状を忘れてしまう事もある。膿は微かに滲む程度」と、大変改善されている事を実感されていた。
痔瘻は長年掛けて化膿を繰り返し、出来た瘻管は自然には改善する事は無く、西洋医学では手術のみになる。太陽堂漢薬局の目指す完治は、膿を残さず自然と瘻管が塞がる状態が治療終了となる。今回の男性も長い治療期間にはなったが、諦めずに治療し、漢方治療と体質改善を終える事が出来た。
大量の膿と出血による痔ろうが治った男性
1963年生、男性
5年前に痔ろうと診断され、長く放置した男性より相談を受けた。
病院の肛門科では、元々お尻は血流が悪く化膿も治り難い為、西洋医学的には手術しか方法がないと言われた。
当時は痛みがあまりなかった為放置していた。ある日突然、大量の膿と出血があり、痛みが強い時は左側の腹部や膝までズキズキし、神経が圧迫されている様だと訴えられた。
痔ろうの養生法
糸練功で確認し、化膿症で使用する托裏消毒散の方意を組み込んだ当薬局開発の漢方製剤に漢方の抗菌薬を服用頂く事とした。また食事は化膿を悪化させる甘い物やアルコールを控えて頂く事。疲労が溜まると免疫が落ち悪化しやすい事等、痔ろうの養生法についてご説明した。
2か月後、痛みが和らぎ膿の頻度や量が減り出血もなくなった。1年後、殆ど痛みや症状が消失された。その後はご自身の判断で漢方治療を終了されたため再発を繰り返す事となった。
痔ろうは、肛門周囲が化膿し瘻菅を形成する治りにくい痔の疾患であり、暴飲暴食や疲労等ですぐに悪化してしまう事等をお伝えし再発しない段階まで服用頂きたい事をお伝えした。
最終的には7年と長い治療期間を経たが、手術しか方法がないと言われた痔ろうが完治された症例でした。
漢方薬と養生で人工肛門を免れた男性
1962年生、男性
7年ほど前に病院で痔ろうと診断された男性から相談を受けた。
下痢等で肛門にあるポケットの中に細菌が入り込みトンネルを作るのが、痔ろうである。
一般的に痔ろうは、薬では治らず外科的治療が必要とされている。また放置すると人工肛門になる可能性もあり、出来るだけ早い治療が有効である。
痔ろうの主な症状は、痛み、腫れ、膿が出る等であり、時に発熱を伴う事もある。男性の症状も同様であり非常にお辛い様であった。
当薬局で開発した粉薬
問診と糸錬功にて托裏消毒散証を捉えたが、当薬局で開発した粉薬が経験的に非常に有効である為、粉薬と免疫力を上げる事で菌を殺す働きのある漢方薬をお出しした。また養生が非常に大切である為、以下の内容をお伝えした。
- 免疫力を落とさない、。甘い物や白砂糖を極力減らす。ストレスを溜めない。上手に発散する。
- 身体の温めすぎ、代謝が活発になりすぎる事を減らす。アルコール、ニンニク、もち米の摂りすぎ。長風呂やこたつ等で患部を温めすぎる事
服用開始から半年後、症状が軽くなり膿の量が減ってきたとのご報告があった。完治するまでには時間がかかるが、着実に改善している。西洋医学で難しい治療でも、漢方薬で改善出来る例であった。