頭痛

頭痛

頭痛の原因

慢性的に経過する頭痛の原因は、西洋医学的にはまだ明らかになっていません。また同時に肩こりや吐き気を伴う患者さんも多いです。
発作時には食欲不振や嘔吐、血圧亢進などを伴う事があります。

頭痛は、様々な原因が推測されます。血管性、ストレス、筋肉の緊張、ヒスタミン他。そのため西洋医学的には対処療法しかなく、患者さんは長年苦しむことになります。
また脳卒中の一つとしての症状もありますので注意が必要です。

頭痛の西洋医学的治療

慢性頭痛の薬物療法として、鎮痛消炎剤、カフェイン、抗うつ剤、テグレートール、麦角アルカロイド等があります。どれも症状に対する対処療法であり、原因を除く治療ではありません。

頭痛の漢方治療

漢方では頭痛は原因別に治療を行います。
漢方治療では、多くの患者さんが痛みから開放されます。漢方薬で治らない人の方が少ないくらいです。

10年来、20年来の偏頭痛が漢方薬で根治し再発せずに喜ばれることが多いです。
漢方では原因を、内臓の冷え、水毒、瘀血等の東洋医学独特の見方で治療し根治させていきます。

頭痛に繁用される漢方薬

頭痛に使われる漢方薬をご紹介します。

五苓散

のどが渇き水分摂取が多い傾向にあります。汗をかき、尿の量は少ない傾向にある方の頭痛に使用します。五苓散には川芎を追加すると効果が増します。

以前に治療した患者さんでは、事故後の後遺症で頭痛がする中学生の男の子を五苓散加川芎で治した経験があります。

呉茱萸湯

手足が冷えやすく、発作時には吐いたり、回転性めまいや激しい頭痛がします。顔が発作時に赤くなる人もいます。また閃輝暗点や嘔吐を伴うこともあります。

冷たいかき氷などを食べると、頭が痛くなることがあります。胃が冷える事で胃の周囲の血管が拡張し血液を流し胃を温めようとします。その時に反射的に脳の血管も拡張され頭が痛くなることがあります。
これの慢性的な状態が呉茱萸湯証の頭痛です。

養生法

冷たい物、苦い物、アクの強い物を避けると頭痛が起こりにくくなります。冷たく苦いビールは禁物です。

桂枝人参湯

胃腸が弱く下痢がちで、のぼせ傾向があります。冷え性で頭痛の発作時には下痢したり吐いたりの胃腸症状が出ることがあります。

呉茱萸湯証は胃が冷えていました。桂枝人参湯証は胃ではなく腸が冷えて同様の頭痛が生じた病態だと漢方では考えています。
腸の冷えの為、下痢がちな方が多いです。

釣藤散

早朝時の頭痛、頭重感が強く、目の充血や肩こり等があります。また精神的にはイライラ感や、ややウツ傾向があることがあります。

脳動脈硬化症気味の方に使用されます。早朝にする頭痛が目標になります。釣藤散を服用すると脳動脈硬化症も改善すると言われます。

半夏白朮天麻湯

胃腸が弱く、昼食後に眠くなる傾向があります。これを漢方では脾虚と捉えます。また動悸やめまいの症状を伴う人もいます。
頭痛がする時は、半夏白朮天麻湯に川芎を加味します。
また高血圧症の場合は白芷を加味します。半夏白朮天麻湯証の高血圧は最低血圧が高いタイプが多いです。経営者や細かい神経を使われるお仕事の方に多い高血圧症です。

脳の血管が一時的に収縮して生じる一過性脳虚血発作にも適応する場合があります。

漢方太陽堂での改善例報告

頭痛が改善された患者さんからの報告です。

ガンガン痛む偏頭痛とメニエール病

20歳代女性
半年前に辛いめまい眩暈があり、最近、それほど辛くはないけれども、酷い時は立てない位、回っています。目を閉じていても回っているのがわかります。半年に1回位、疲れた時にめまい症状が辛い。
天気、雨で酷くなる頭痛もあります。側頭部の下あたり、或いはこめかみあたりが痛く、ズキンズキン、ガンガンいつも痛みます。20歳位の時から痛いときは痛み止めを飲みます。

治療1ヵ月後、たまに吐き気がします

酷い症状は出てないですが、漢方薬の煎じ薬を飲んだ後はたまに吐き気がします。

治療3ヵ月後、偏頭痛はまだあります

メニエール病の方は、だいぶ良くなってきた感じがします。頭痛はまだあります。

治療4ヵ月後、メニエールの方はだいぶ良くなってきた感じがします

最近はメニエールの方は、だいぶ良くなってきた感じがします。

治療5ヵ月後、だいぶん治まってきた感じがします

だいぶ治まってきた感じがします。頭痛は天気によって左右されますが、良いです。

漢方太陽堂より

まだお若い方ですが、頭痛と回転性めまいに悩み、ご来局ご相談。症状がきつい時には立てない程で、慢性的にもあったようです。
最初は、漢方薬を飲んで吐いてしまったりといったトラブルもありましたが、服用時間を変えるなどで対応し、今は症状がだいぶ治まってきたとの事。吐き気が治まってから症状改善が速まったように思います。