写真は、大分自動車道の山田SA横の卑弥呼の墓と言われる長田大塚古墳です。九州横断自動車道が計画された当時、直線にて計画された路線中に長田大塚古墳があり、宮内庁から計画変更を指示され、古墳を迂回させカーブを作ったと言われます。
掻痒症、皮膚の赤味。かけ橋掲載分
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掻痒症。全身に痒み
1953年生、女性
9月頃からお腹や背中に痒みが出始め、皮膚科を転々とするが一向に改善が見られない女性から相談を受けた。11月に初めて来局された時、全身に痒みがあり、引っ搔き傷も多く、最近は夜も眠れなくなってきたと辛そうに話された。掻痒症は一般的には、冬の乾いた外気と皮脂の欠乏、発汗の低下等が合わさって生じる状態で、50代以上の方が起こりやすい。東洋医学では、陰証の皮膚病で血虚が原因と考える。問診と糸練功にて血虚を補う四物湯の方位である当帰飲子の煎じ薬と補助剤の牡蠣肉エキスをお出しした。また、食養生では、白砂糖、甘い物を控えて頂き、身体に潤いが出来る海藻類や果物類をお勧めした。
1ヶ月後、痒みが減り、夜も眠れるようになった。引っ搔き傷が減ってきたと報告。
2か月後、痒みが無くなり、肌も艶々になってきた。
3ヶ月後、お友達から、肌の色が白くなったねと言われ若返った様だと非常に喜ばれた。
3ヶ月の治療期間で原因不明と言われた掻痒症が完全に良くなった著効な例であった。今後も漢方薬だけでなく、食養生もしっかりと患者様にお伝えしていきたい。
長年悩まされた皮膚の痒み、赤みが改善
1963年生、女性
アレルギー体質により、5年程前から顔と手に症状が出ているという女性から相談を受けた。目の周りが赤くて痒い、フェイスラインもむず痒く化粧が出来ない、利き手の指の付け根も痒いとの事。糸練功で確認した所、痒みに対して温清飲証を確認した。温清飲は、血虚を補う四物湯と、血熱を鎮める黄連解毒湯を合わせた方剤で、主に血毒が原因の症状を解消する。血毒を悪化させないよう、甘い物、ナッツ類を控える食養生を伝えて治療開始。
1ヶ月すると水泡のような症状が出て、痒みが続くとの事。痒みや炎症には、日本茶の出がらしで冷湿布をすると良い。中に含まれるタンニンの消炎作用を利用する。冷湿布の養生を伝えてから7ヶ月すると、顔の痒みは治まったが、水泡は残っているとの事。糸練功で確認すると、温清飲中の四物湯、黄連解毒湯の比率に変化があった。1対1の比率を変更して治療を再開、1ヶ月すると痒み、水疱ともに改善してきているとの事。その後は時折、症状が出る事もあったが、痒みや赤み、水疱がほとんど出ない日が続いた。減薬を何度か行いながら、服用開始から2年半ほどで治療終了とした。
漢方薬は、対症療法ではなく体質改善を目的とする。一般に発症と寛解を繰り返すような病態でも、服用を続けることで再発しない体質を作ることが可能である。