熟睡しすぎる事が原因の夜尿症

その他の精神神経症
大分中津市_羅漢寺

写真は、大分県中津市、羅漢寺です。

夜尿症。不登校。かけ橋掲載分

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小学生の夜尿症

2009年生、男性

1ヶ月に20日以上おねしょをしてしまう7歳の男子のお母様から相談を受けた。西洋医学では、5歳以降で月に1回以上のおねしょが3ヶ月以上続くと夜尿症と診断される。

東洋医学では

  1. 脾虚による筋肉の弱り
  2. 生まれながらの腎虚
  3. 体質的に実証である

が考えられる。

問診票と糸練功で確認した所、体質の葛根湯証であった。葛根湯には覚醒作用のある麻黄が含まれている為、熟睡しすぎる事を防ぐ事が出来る。養生としては、寝る前にトイレに行く習慣をつけ、就寝二時間前は水分を控える様にして頂いた。服用開始から5か月、おねしょの回数は減り始めたが一進一退の状態は続いた。糸練功では葛根湯証の改善が見えてくると、脾虚による小建中湯証を捉える事が出来た。その為体質の治療だけでなく脾虚の治療も開始した。中途覚醒が出来るようになり、最初の来店から1年半かかったが、今では全く漏れる事がなくなった。

男の子は勿論の事だが、お母様も諦めずに信じて服用を続けてくれたお陰である。風邪の引き始めで周知されている葛根湯だが、首より上の痛み、副鼻腔炎、扁桃炎、結膜炎、蕁麻疹等。体質により応用範囲は広い。

不登校が改善し、通えるようになった

2015年生、女性

担任の先生が怖くて学校に通えなくなった小学二年生のお母さんから相談を受けた。夜は睡眠不足が続き、寝付いても先生から叱られる夢を見て、パニックになり起きてしまう。食欲もなくなり、心配な様子だった。

東洋医学では、睡眠障害や不登校、不安などに対して五志の憂の治療を行う。五志とは、東洋医学の概念で「怒、喜、思、悲、恐」の五種の精神状態を表し、このバランスが崩れる事で起こると考えられる。糸練功で確認すると「桂枝甘草龍骨牡蛎湯証」を確認した。牡蛎に強い反応が見られたため、牡蛎を増量した。身体が牡蛎を強く求めていることから、ミネラル不足も考えられる為、海藻類や小魚を積極的に摂るよう勧めた。また生活の養生として、ストレッチや散歩、少し長めのお風呂などで汗をかき、発散するようお伝えした。

飲み始めて一ヶ月の間に、一度だけ学校に行くことが出来た。また、夜も以前よりぐっすり眠ることが出来るようになり、怖い夢が減ってきたとの報告を受けた。

その後は波がありながらも、徐々に学校に行ける日が増えていき、10ヶ月で漢方薬を終了とした。小中学生の不登校は毎年増え続け2024年度過去最高の35万人いると言われている。西洋の力が及びにくい精神疾患は、東洋医学の力も信じて頼ってほしい。