突発性血小板減少症。かけ橋掲載分
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発熱体質、喉の違和感
1945年生、女性
50代後半の女性より相談を受けた。夕方になると微熱が出る。17年前から、夕方に37度前後の微熱が出る状態が続いているとのこと。病院での検査は特に異常はなくこれといった治療法は無かった。
東洋医学では、夕方の微熱は少陽病位の熱になる。相談を受けながら、原因不明の発熱を改善する事は出来ると確信した。
少陽病に用いる漢方薬を2種類投薬した。合数は順調に改善するものの、1年近く服用しても微熱はなかなか下がらない。
新たな治療点が見つかった
捉えていた治療点が7合近くまで改善された頃、新たな治療点が見つかった。この治療点は、膵臓が原因と思われる太陽病の発熱だった。少陽病の治療と併せて太陽病の治療にも取り組んだ。病院の検査では、相変わらず異常は無い。糸練功にて、膵臓が炎症している可能性を疑ったところ、ご本人も少し糖尿病の気があるとおっしゃられた。
血糖値の上昇予防に、糖分をエネルギーに変換する力を高める事と食事によって基礎体力を強くする事も大切だと考えお伝えした。
微熱が落ち着き治りかけの頃、喉の痛みと発赤を訴えられた。喉仏の裏側に違和感があるとの事。発熱体質の漢方治療を終了し、喉の痛み、違和感に対する治療を開始した。
今までと異なる新たな漢方治療をする場合でも、2年間微熱の漢方薬を継続されていたので、比較的早い改善が期待出来た。喉の痛み、違和感は1ヶ月毎に著効を示し症状は全く出なくなった。
副腎皮質ホルモンが効ききらない突発性血小板減少症
1965年生、女性
2003年の秋、30代の女性から相談を受けた。
同年5月より副腎皮質ホルモン5ミリグラムを服用するも、血小板は2万4千まで低下、漢方相談に来局された。
突発性血小板減少症に対して血液やリンパに働く漢方薬を投薬。
前月2万6千台だった血小板が5万台まで上昇。漢方治療開始時には副腎皮質ホルモン7ミリグラムを服用していたが、漢方薬を飲み始めて2ヶ月後には5ミリグラムに減薬。更に半年後、副腎皮質ホルモン4ミリグラムまで減薬出来た。副腎皮質ホルモンを減量しても、久しぶりに血小板は10万台にまで上昇してきた。生理後は血小板が下がるものの、その後は11万台まで回復。副腎皮質ホルモンの減薬も順調に進んだ。
副腎皮質ホルモンを手放すことが出来た
2004年6月には、副腎皮質ホルモン1ミリグラムまで減量となり、更に3ヶ月後、副腎皮質ホルモン隔日1ミリグラムまで減量となった。漢方治療を始めて1年が経った時、副腎皮質ホルモンを手放すことが出来た。副腎皮質ホルモン中止後も、血小板の数値は安定し、1ヶ月に1度の病院の検査も2ヶ月に1度の割合になった。漢方薬を飲むようになってから、疲れにくく、体調も良くなった事を実感出来ると大変喜ばれていた。その後、血小板は15万台で落ち着いてきた。
突発性血小板減少症は難病であるが、漢方薬で順調に改善した著効例であった。