卵管の通りが悪く、5センチメートル以上の子宮筋腫も

不妊症

妊娠。かけ橋掲載分

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不妊症に対し糸練功で反応

1973年生、女性

糸練功でお調べした所、不妊に対する反応として白朮散証と当帰散証を確認しました。白朮散証は、身体の冷えが強い方に合う漢方薬です。
基礎体温表を拝見すると低体温期が36度を下回っており、また御自身も冷え性でお困りとの事でした。低体温期でも36.2度を上回るようになると妊娠の確立は高くなります。
また当帰散証の方は、精子や受精卵を異物として排除してしまうために流産し易い不育症の傾向が見られます。漢方治療を開始すると順調に合数の改善が見られ、半年後には冷えの自覚症状の改善が見られるようになりました。

治療開始1年後には、体質の改善に合わせて漢方薬を切り替え、その後も順調な改善が見られ、治療開始1年半後基礎体温表の形も随分整った頃に無事妊娠されました。

妊娠後は、安胎薬として2種類の散剤をお出ししました。

安胎薬を飲む事で、妊娠中毒症のリスクが軽くなり、生まれてくる赤ちゃんも丈夫になります。また出産後には、母乳の出が良くなります。
途中逆子になった時は、お灸のアドバイスをする事で元の位置に戻り、とても元気な赤ちゃんを出産されました。

妊娠をご希望の女性

1976年生、女性

結婚して5年、なかなか妊娠しづらいという女性から相談を受けた。
冷え性と生理痛はあるものの、産婦人科では特に異常はないと言われたという。また、ご自身の判断で当帰芍薬散を服用中であった。
詳しく問診し基礎体温表を拝見した所、全体的に乱れており、月経が始まっても体温が下がらない事が確認出来た。

糸練功で調べると、本治部として大腸腑、陽証、桂枝茯苓丸証、標治部として、肝臓、陰証、当帰散証が確認できた。漢方薬と同時に養生も大切だと伝え、食事についてもアドバイスをした。
漢方薬を飲み始めてから、生理前と生理中の痛みが徐々に軽減され、経血の塊も少なくなってきたとの事から、瘀血の状態が改善されてきたのではないかと考えられる。基礎体温表も高温期と低温期がハッキリ分かれてきて良い状態になっていると考えられた。
その後、状態にはあまり変化がなく服用を始めてから1年が過ぎようとしていた頃、妊娠したという喜びの報告を受けた。

それからは、妊娠の安定のために安胎薬として当帰散を続けて頂き、無事に男の子を出産された。
この方は、養生の重要性を理解して下さり、また、糸練功の結果から合数が改善してゆく様子や、私達のアドバイスをとても励みにして下さった。患者さんと私達の二人三脚で取り組めた例である。

妊娠。子宮筋腫でお悩みの女性

1974年生、女性

不妊で悩んでおられる女性から相談を受けた。卵管の通りが悪く、5センチメートル以上の子宮筋腫もある。糸練功では大腸の陽証、桂枝茯苓丸証を確認。また、ご主人も精子の検査で精子の数が少なく基準の4分の1程しかなかった。ご主人の治療も同時に始めた。

漢方治療で子宮筋腫が縮小した為、体外受精に挑戦して成熟卵が38個もとれ卵巣が腫れる可能性があると言われ子宮に戻す事を今回はせず凍結した。
5ヶ月後、体外受精を受ける。体外受精の結果、妊娠反応はプラス。まだ4週の初めで胎児の確認はできないが、糸練功にて確認後、流産防止の漢方薬を処方するも1ヵ月後、残念ながら繋留流産。

4ヶ月後、生理が来たので、受精卵を子宮に戻したが内膜が薄かったのか、着床はしなかった。今回成功しなかったので2ヶ月程婦人科の治療をストップし漢方治療に専念する。
5ヶ月後、子宮内膜が12.7ミリ。二つの受精卵を戻す。
6ヶ月後、胎芽を確認。心拍も確認。流産防止の漢方薬、安胎薬を選薬。養生としてなるべく安静にするように指導した。
元気な女の赤ちゃんを無事出産。私共も大変嬉しく、お祝い申し上げました。
不妊治療を始めて36ヶ月。様々と辛い事もあったかと思います。漢方治療と体外受精治療の双方で出来た大きな仕事です。本当に嬉しい例でした。

不妊でお悩みの女性

1977年生、女性

結婚1年目。産婦人科では特に異常なしと言われた女性から不妊の相談を受けた。
日頃、基礎体温を付けている。高温期が短めで体温も上がりにくい。生理周期は35日前後、5日程度前後し、夏場は特に周期が長くなる。また足に青あざがよくできるとの事。

糸練功で調べると、不妊の反応穴に胆の腑陽証。0.1合3プラスに当帰散証、同じく胆の腑陽証0.2合4プラスに当帰芍薬散証を確認する。
1ヶ月後、生理痛が全く無く今までこんなに快適に生理期間を過ごした事は無かったとの事。更に1ヶ月後、病院での検査で陽性反応が出たものの自然流産してしまった。
搔爬術後の調子は良く、2ヶ月後より生理が来るようになり、足の青あざも出来なくなってきた。気持ちを前向きに生活養生も楽しく心掛けているご様子。
術後より6ヶ月後、当帰散証の標治を新たに確認。1ヶ月間様子見の後、適量診をした所、今まで通りの分量で大丈夫だと思われた。

それから2ヶ月後、妊娠検査薬で反応があり、2週間後に病院で心拍音が確認できた。

妊娠が分かってから頭痛、吐き気と共に悪阻がひどい様子だった。しかし6週半を過ぎた頃より治まった様だった。

3ヶ月の漢方治療で妊娠

1969年生、女性

子供を希望してから5年が経過するが妊娠しないとの事。

婦人科でホルモン治療をしていた様だが妊娠の経験は1度もないという。
基礎体温も全体的に低く、高温期になっても中々体温上昇がみられない、卵巣嚢胞の傾向もあった。身長158センチメートル、体重55キログラム。問診を行うと手足の冷え、寝汗、便通が硬いとの訴え。
糸練功で不妊症の反応穴を調べてみると問診の際、訴えられていた卵巣嚢胞の異常を肺の陽証0合1プラスに認める。

その他、不妊症の反応穴から胆の陰証1.5合1プラス。ホルモンの状態として膀胱の陽証0.5合1プラスに異常が確認された。同時に卵管の異常として脾の陰証5合の1プラスが確認されたが、合数が高い位置にあったため投薬は見合わせた。
この結果から瘀血とホルモンのバランスが崩れていると判断し、卵巣嚢胞には駆瘀血丸、ホルモンのバランスには当帰散を投薬。
2ヶ月後、それぞれの合数は肺の陽証2.5合1プラス、胆の陰証4合1プラスに改善。その翌月、妊娠したとの報告があった。

治療前は5年が経過しても妊娠せず婦人科での治療も上手く行っていないとお聞きしていたので、正直な所、治療は長期間に渡ると考えていた。

僅か3ヶ月の服用での妊娠。漢方医学の不思議さを感じる例であった。