1ヶ月以上の長引く咳

呼吸器の病
長崎_島原城

写真は、長崎県島原市の島原城です。

気管支炎。間質性肺炎。かけ橋掲載分

太陽堂漢薬局の患者さんに、毎月お配りしています。論文、改善例のご案内はこちら

気咳

1970年生、男性

数年前、不眠や食欲不振の漢方治療を行った男性から咳の相談を受けた。喉の痛みから始まり、酷い咳が止まらない状態が1ヶ月以上続いている。病院でレントゲン検査や血液検査を行ったが、特に異常はみられなかった。東洋医学的に咳や痰の証を判断する際、症状のタイプが非常に重要である。乾いた咳、痰が絡んだ咳、下から突き上げてくる咳、顏を真っ赤にしながらの咳、痰量が多いなどこの患者さんは、気咳と言うストレス性の咳と思われた。

漢方薬服用を開始して1ヶ月、まだ酷い咳が出る。組み合わせた薬方を見直し、気滞を改善する方意を強めて漢薬を組み立てた。更に1ヶ月後、咳はかなり落ち着いて来た。漢方薬が切れてから1週間程経った時の来局であったが、体調はとても良い。治療途中は出来るだけ間隔を空けずに漢方薬を服用する大切さをお伝えした。漢方治療開始から3ヶ月後、咳は殆ど出なくなった。症状を早く治める目的でお飲み頂いていた、気滞改善の補助剤を休止した。咳が治まっているので、患者さんからそろそろ漢方薬を止めたいとの相談を受けたが、この方は気咳の出やすい体質である。今後の再発防止を考えるとまだ漢方治療を終える段階ではない。体質改善の締めくくりとして、漢方薬を1日1回へ減量し3ヶ月間服用の後、治療終了となった。

咳が出やすい間質性肺炎

1952年生、男性

5年前の健康診断で肺の炎症を指摘を受け、検査の結果、間質性肺炎と診断された。病院での治療はステロイド剤が中心となり、病気の進行を遅らせる事を目標としている為、漢方薬で体質改善を行いたいと男性より相談を受けた。寒暖差により咳が出やすく、朝方には痰が絡み息苦しさを感じる事があると言う。男性には、肺の炎症を抑え、滋陰作用のある煎じ薬と、肺の線維化の進行を遅らせ、改善を期待できる野ブドウエキスをお出しした。また養生として以下をお勧めした。

  1. 潤の作用があるバラ科の果物。リンゴ、梨、サクランボ、梅や海藻類、蜂蜜を摂取する事
  2. 乾燥の働きがある苦い物、アクのある物は控えめにする事
  3. 心肺機能を高める為に、ウォーキング等の有酸素運動をする事

服用前の血液検査KL-6は2800U/mlであったが、3ヶ月服用後は、2000U/mlまで下がり、半年後には1100U/mlまで下がっていた。基準値は、500U/ml以下の為もう暫く服用が必要だが咳や痰も減り、生活の質は向上していると嬉しいご報告もあった。太陽堂では、間質性肺炎の治療法を確立しており、多くの方が寛解している。