2024年5月28日。写真は、大阪市天王寺区、聖徳太子 が作られた四天王寺の五重塔です。最上階には聖徳太子が百済の王から頂いたと言われる仏舎利が収められています。
夏場に脱水や熱中症になる方が増えています。東洋医学では水分補給も大事ですが、水分の保有能力が重要だと考えています。水分の保有能力が燥湿です。
子供の肌は瑞々しく、年齢が上がると乾燥した肌になりやすいです。肺炎などを除き、子供の咳は痰が多く薄い傾向にあります。年配者の咳は痰が濃く粘っこい傾向があります。
漢方では年齢が上がると水分の保有能力が下がり脱水しやすい状態になると考えています。逆に浮腫みすい人は水分の保有能力が高すぎるため湿の状態だと考えています。
体表の燥は老人に現れやすく、体表の湿は小児に現れやすいです。
燥湿に影響を与える収散と五味
燥湿は東洋医学の収散や五味との関係が強いです。収散や五味は水分の保有能力を調整します。食養生が非常に大事です。
収散
収散は身体や漢方薬、食材の性質です。身体が収の状態の時は、散の漢方薬や食養が合います。逆に身体が散の状態の時は、収の漢方薬や食材を合わせます。
収は潤
収の働きは潤にもなり、身体に潤いをつけます。どういった物が収に成るのでしょう。
根菜類
山芋、人参、サツマイモ、葛、サトイモなど
酸味
酸味は収で内臓熱を収めます。体液消失の時に漢方薬では五味子を使います。バラ科のイチゴ、梅、桃、アンズ、リンゴなど、酢の物など
燥湿とは関係なしに、散の症状である下痢、多汗、ニキビ、吹き出物、化膿、油性肌、多尿、鼻水などの時に収の酸味や根菜類などの食材や漢方薬を用います。
散は燥
散の働きは燥にもなり、身体を乾燥させる傾向があります。
葉物、菊花などの花、タケノコなどの芽物、野菜や果物の皮部分、昆布。ウリ科のキュウリ、メロン、冬瓜、カボチャ、スイカ。ナス科の茄子、ピーマン、パプリカ、唐辛子。バナナは散で便秘などに良いです。
辛み
利尿の働きがあり一般に燥ですが、潤の食材もあります。ニンニク、ラッキョウ、ニラ、ネギ、生姜、大根、紫蘇、胡椒、山椒、カレー。漢方薬では細辛、麻黄などです。
燥湿とは関係なしに、収の症状である便秘、無汗、荒れ性肌、尿不利、水肥り、鼻閉、胃もたれなどに散の食材や漢方薬を用います。
五味
素問臓器法時論篇第二十二、至真要大論によると、五味は臓腑との関係が強いです。同時に五味には燥湿の働きに対する強弱があります。
塩からい、鹹は潤
潤いを作り硬い物を柔らげ降ろします。塩分、海産物などです。漢方薬では地黄や芒消などです。
苦みは燥
苦みは乾燥し堅め排泄します。漢方では湿熱を除くために使用します。柿、苦瓜、茄子、ホウレン草などのアクがある、或いは苦みのある食材です。漢方薬では黄連、黄芩、黄柏、山梔子、苦参などです。
難しく考えなくても良いです
苦みは燥、辛みはやや燥。塩からいは潤、酸味はやや潤だけでも覚えていると十分かもしれません。
日常で口に出来る蜂蜜も強力な潤の働きがあります。漢方薬でも蜂蜜は丸剤として燥の状態に使われます。