アレルギー性鼻炎と副鼻腔炎。かけ橋掲載分
花粉症。慢性化した鼻炎
1968年生、男性
30代の男性よりアレルギー性鼻炎の相談を受けた。中学生の頃から患っていて長く苦しまれていた。
アレルギー性鼻炎は東洋医学では、水毒の状態である。もう少し細かく分類すると溢飮の状態になる。溢飮は名前の如く、水分が多く溢れている。涙、鼻水、痰、汗、浮腫等。加えて、溜飲は胃内停水を呈している場合もあるのだが、その場合は、水毒がかなり強い状態になる。
漢方治療では、小青竜湯や苓甘姜味辛夏仁湯を用いて溢飮を改善する。鼻炎が長引き、炎症が出てくると、漢方薬は上焦の炎症を抑える葛根湯加川芎辛夷や葛根湯加桔梗石膏等を用いる。慢性的に炎症が続くと、より熱をとる荊芥連翹湯へ。慢性炎症がかなり長引くと、鼻の内部が硬くなり、鼻茸、足裏に出来るタコのようなものが出来始める。このような状態には排膿散及湯を頻用するのだが、治療にも非常に時間を要する。
相談当初、水毒を改善する漢方薬を1ヶ月間内服の後、上焦の炎症を抑える漢方薬へ切り替えた。治療途中、頭痛や喉の腫れも出てきたのだが、発表、発散の働きのある粉剤と上焦の炎症を抑える漢方薬でいずれにも対応する事が出来た。
合数が安定してくると、自覚症状の改善も毎月ごとにみられるようになってきた。だんだん良くなってくるのを実感出来、大変喜ばれていた。再発防止の為、10合プラスマイナスを保った後、漢方治療を終了した。
アレルギー性鼻炎の女性
1965年生、女性
アレルギー性鼻炎の相談。くしゃみ、鼻水、鼻閉の症状。
糸練功でチェックすると、左下焦、膀胱1.5合5プラスに、上焦の炎症が出やすい体質のアレルギー性鼻炎がある。利水製剤、アレルギー体質を改善する粉薬が適応。右上焦4合プラス1に慢性炎症が長引く原因での副鼻腔炎あり、曲参製剤が適応。
副鼻腔炎は、プラス1で程度が軽いため様子を見る事とする。利水製剤2包と利水作用のある補助剤4カプセルを投与。
15日目、左下焦、アレルギー性鼻炎は3合に改善。自覚症状の改善はまだ無く症状が続いている。
45日目、アレルギー性鼻炎6.5合1プラスに改善。症状もわずかに改善が見られる。同時に副鼻腔炎も6.5合プラス3に改善。
4ヶ月目、アレルギー性鼻炎8.5合プラス1、副鼻腔炎8合プラス1に改善。この頃より症状が殆ど消えてくる。
5ヶ月目、アレルギー性鼻炎9合プラス1、副鼻腔炎10合プラスマイナス。症状は全て消失する。
副鼻腔炎の治療はしないにも関わらず、改善治癒した。これはアレルギー性鼻炎の刺激によって起こっていた状態だったと思われる。
その為、アレルギー性鼻炎の改善と共に副鼻腔炎が改善したのではないかと推測される。
アレルギー性鼻炎と副鼻腔炎の子供
1994年生、女性
アレルギー性鼻炎と副鼻腔炎の相談。くしゃみ、鼻水、鼻閉の症状。
糸練功でチェックすると、左下焦、膀胱1.5合2プラスに太陽病と溢飮証のアレルギー性鼻炎がある。アレルギー体質を改善する粉剤、抗ウイルス作用のある利水製剤が適応。左下焦、膀胱2.5合1プラスに葛根湯をベースとした証の副鼻腔炎あり、免疫力をつける曲蔘製剤が適応。
利水製剤1包と副鼻腔炎に使う煎じ薬を投与。
15日目、アレルギー性鼻炎は2.5合1プラス、副鼻腔炎は3合1プラスに改善。
45日目、アレルギー性鼻炎7合プラス1に改善。副鼻腔炎も6.5合プラス3に改善。
4ヶ月目、アレルギー性鼻炎8合プラス1、副鼻腔炎8.5合プラス1に改善。症状が殆ど消失する。
5ヶ月目、アレルギー性鼻炎9合プラスマイナス1、副鼻腔炎10合プラスマイナス1。
アレルギー性鼻炎、蓄膿症共症状は全て消失する。完治を目指し現在も服用中である。