写真は、鹿児島市谷山の慈眼寺に流れる和田川です。
ウイルス感染のイボ。円形脱毛症。かけ橋掲載分
太陽堂漢薬局の患者さんに、毎月お配りしています。論文、改善例のご案内はこちら
大きなイボがいくつも
1977年生、女性
元々足に湿疹があり、そこにウイルスが感染してイボが出来た女性のご家族から相談を受けた。患部を診ると、手で足首を掴んだような形の大きなイボがいくつも出来ていた。皮膚は赤黒く盛り上がっており、線維化していた。
糸練功で確認したところ、桂枝加黄耆湯証を捉えた。皮膚の状態を改善し、イボが出来にくい体質になるよう、煎じ薬と一緒に薏苡仁を入れた粉薬も合わせてお出しした。
また、この女性は日頃から疲れやすく、肉体的にも精神的にも辛い様子だったため、疲労感に効果のある牡蠣肉エキスも服用いただいた。疲れが溜まると免疫力が落ちて皮膚の改善が遅くなってしまう。
養生としては、免疫力を落とさないよう甘い物。特に白砂糖を控え、しっかり睡眠を取るようお伝えした。また、免疫力を上げるキノコ類や海藻類を積極的に摂っていただいた。グルテンアレルギーの反応も見られたため、小麦粉を減らし、その毒消しとなるブラックペッパーやわさび、タコ、レーズンなどもおすすめした。
服用後しばらくは一進一退を繰り返したが、7ヶ月後、周りから見ても違いが分かるほどオウトツが減り、赤みも引いてきた。
その後は徐々に薬味を変えたり減薬したりしながら漢方薬を続け、何も湿疹が出ていない状態にまで改善し治療を終了した。時々出ていた蕁麻疹もすっかり出なくなり、根本から体質改善した症例だった。
円形脱毛症が治った女性
1984年生、女性
後頭部に円形脱毛の症状が現れた女性から相談を受けた。身内の不幸と職場でのストレスが重なり、気づくと脱毛していたとの事。診ると五百円玉程の大きさで、できたばかりのようだった。糸練功で確認したところ、桂枝加竜骨牡蠣湯証を捉えた。特に牡蠣に強い反応が見られたので、牡蠣の量を増やして漢方薬を処方した。養生としては、以下の内容をお伝えした。
- 海藻類や小魚など、ミネラルを多く含む食材を摂る
- 食事はしっかり噛んで食べ、唾液を出すように心掛ける
- ストレッチや半身浴で適度に発汗する
- 特に下半身のストレッチを行い、血流を良くする
翌月、脱毛部分の真ん中を中心に髪が生え始めた。その後少しずつ髪の量が増えていき3ヶ月目にはコシのある髪の毛が全体を覆って脱毛が分からないくらいまでになった。他の箇所に再発する事もなく、順調に改善が進んだため、半年で治療を終了した。
円形脱毛症の原因は多岐に渡る。血虚と言われる血の機能不足、ストレス、腎の弱り、自己免疫疾患など、どこに原因があるのかを見極める事が大切になる。太陽堂漢薬局では、問診と合わせて糸練功で証を捉えるため、改善を早く実感していただける事が多いように思う。