変形性膝関節症

関節症

関節症

関節痛の中で一番多いのが、腰痛で25パーセント、次がひざ痛で18パーセント、肩の痛みが10パーセントです。

変形性膝関節症で痛む原因の多くは加齢による関節の老化です。関節を作る骨の表面は、厚さ3から5ミリの関節軟骨で覆われ、骨と骨が直接摩擦しないようになっています。

血管がない関節軟骨は、関節包の滑膜から分泌される関節液によって栄養をとっています。

変形性膝関節症の関節

年をとると、軟骨の水分が減少し軟骨細胞の代謝が衰えます。そして軟骨の表面がザラザラになります。そのため関節を動かすたびに軟骨がこすれて、表面が削り取られ剥がれます。

変形性膝関節症以外、一般的な関節症の原因として考えられること

関節軟骨の磨耗、変形

加齢、O脚、スポーツによる障害、変形性膝関節症、変形性脊椎症、肩関節周囲炎の四十肩、五十肩、野球肩など。

関節の炎症

細菌感染、自己免疫の膠原病、尿酸値上昇、化膿性関節炎、肩関節周囲炎症、慢性関節リウマチなど

打撲、捻挫

捻挫、半月板損傷、靭帯損傷、脱臼、骨折など

スポーツ障害

野球ひじ、野球肩、テニスひじなど

骨粗鬆症

頚椎、腰椎椎間板ヘルニア、脊椎分離症、脊椎すべり症など。また骨粗しょう症があると変形性膝関節症は、治りにくくなってしまいます。

先天的なもの

生まれつき関節の構造や機能に欠陥がある場合。奇形など。

変形性膝関節症の病態

変形性膝関節症は、関節の骨表面を覆う関節軟骨が磨り減り、内側の骨がこすれて痛みや炎症が起こったり、関節の動きを補助をする半月板が損傷し、切れた組織が関節の間に入って炎症を起こす疾患です。

関節が変形します

膝関節が磨り減って、ひざの関節が変形し痛みや炎症が起きます。

軟骨が磨り減ると内側の骨が現われて直接触れるため、それが刺激となり関節面の骨が硬くなる骨硬化が起こったり、骨のへりに骨棘というトゲのような突起や骨堤という堤防上の突っ張りが現われてきます。

膝関節は、主に太ももの骨の大たい骨とすねの骨の脛骨から成っており、骨の端は関節軟骨という軟らかい組織でで覆われています。

弾力性に富んだ組織からなる軟骨は、衝撃を和らげたり関節の動きを滑らかにしてくれます。膝関節の中は、滑膜から分泌される関節液で満たされており、スムーズに動くように、また軟骨へ栄養を供給しています。

クッションである軟骨のすり減りや筋力の低下、肥満による加重などが要因となって、膝の関節に炎症が起きたり関節が変形したりして痛みが生じるのが、変形性膝関節症です。

変形性膝関節症の原因は

  • 筋肉の衰え。筋肉が衰えると負担が変形性膝関節症を起こしやすくなります。
  • O脚。日本人に多いO脚は、大きな負担をかけてしまいます。
  • 肥満。体重が増えると負担が増えます。
  • 激しい運動や怪我などで半月板や靭帯が傷つき、膝関節が損傷した場合。
  • 中高年女性。変形性膝関節症は女性に多い疾患です。ホルモンや筋肉量、肥満、骨粗しょう症などとの関連が考えられます。
  • ヘバーデン結節。40から50代女性によく見られる、手の指第一関節が節くれたつ疾患。この疾患のある方によく変形性膝関節症がみられます。

変形性膝関節症と異なる、もう一つの関節症の膠原病とは

膠原病は、免疫異常によって関節や臓器などが障害される病気です。1つの病気でなく、共通点をもった病気の総称です。関節リウマチも膠原病の一つですが、その他に膠原病による関節痛もあります。

膠原病は、接着剤の材料である膠(ニカワ)のもととなる膠原繊維、コラーゲン繊維に由来しています。膠原繊維は、身体の組織をつくるため、細胞と細胞をつないでいる結合組織にある繊維で、ここに病気が起こっている状態を膠原病といいます。原因は不明であり、難病指定されているものもあります。

膠原病の関節症を大きく分けると

  • リウマチ性疾患、変形性関節症、痛風など関節が痛くなる病気。
  • 結合組織疾患。結合組織が破壊され細胞や組織などに障害が起こる。
  • 自己免疫疾患。異物を攻撃して排除する免疫機能が自分自身に対して働く病気。

膠原病によくみられる症状

  • あちこちの関節が痛む。
  • 原因不明の発熱が続く。
  • 筋肉痛がある、筋肉が低下した。
  • 冷えたり緊張すると指先が紫や白色になるレイノー。
  • 発疹があるが、痛み、痒みはない。

膝関節の養生


膝関節は腰よりも体重による負担が大きいために、体重を落とし太ももの筋肉を鍛えないと治りが悪く、再発しやすいです。太ももを鍛えれば鍛えるほど、治りが早く再発しにくくなります。

膝の運動

太ももを通常の方法で鍛えると、膝関節の弱い方は急激な負担が掛かり返って酷くなることがあります。

太陽堂漢薬局がお勧めする運動

  1. 椅子に腰掛けます。
  2. 片足を足首を曲げたまま、上げられるところまで上げます。10秒程保つ。
  3. 慣れてきたら両手を片方の膝の上に置いて、軽く足を下に押し付けるように負荷をかけて上記2をする。
  4. この運動を1日10分ほど行うと太ももが鍛えられ膝関節の治りも早く、再発もしにくくなります。
  5. 上記3が慣れてきたら、ご自分の力に応じ、買い物袋に水などが入ったペットボトルなどを入れ、足首に掛け足を上げた姿勢を限界まで保つのも良いですよ。

漢方治療で変形性膝関節症を改善

変形性膝関節症の痛みや腫れが漢方薬で改善する目安は、御自分で歩行が可能かどうかです。何かに頼って伝い歩きをするのではなく、痛くても歩行が出来れば漢方で治せる確立が高くなります。もちろん治療が早ければ早いほど、改善も早くなります。

また変形性膝関節症は、体重を減量することにより膝への負担が減り、更に漢方での改善が早くなります。