八綱分類、虚実とは

漢方コラム
舞鶴公園2

写真は、福岡市、舞鶴公園です。

八綱分類の虚実とは

体質や病を診る漢方の伝統的診察方法である八綱分類の虚実について書きます。

虚実とは

体力がある人が実証、体力がない人が虚証ではありません。病邪の実が実証、正気の虚が虚証です。体力がある人は病邪の実が出やすいです。体力のない人は正気の虚が出やすいだけです。

太陽病

虚証から桂枝湯証、葛根湯証、麻黄湯証、大青竜湯証の実証へ推移します。太陽陽明の合病の場合は石膏を薬味として入れることが多いです。葛根湯加石膏、麻黄湯加石膏、越婢湯などです。陽明病は全て実証ですので葛根湯より葛根湯加石膏の方がより実証になります。麻黄湯も麻黄湯加石膏の方が実証になります。大青竜湯は太陽病位に配当されていますが太陽陽明の合病だと思われます。

少陽病

少陽病では柴胡剤と瀉心湯の流れと太陽少陽の合病があります。表と裏に症状があれば少陽病ですので、他に非常に多くの薬方があります。柴胡剤では虚証から、柴胡桂枝乾姜湯、小柴胡湯、柴胡加竜骨牡蠣湯、大柴胡湯の順です。瀉心湯では虚証から、甘草瀉心湯、生姜瀉心湯、半夏瀉心湯、三黄瀉心湯。太陽少陽の合病では柴胡桂枝湯、柴葛解肌湯など。桂麻各半湯、桂麻三兄弟などは桂枝湯と麻黄湯、越婢湯の合方ですが表と裏に症状があり少陽病に配当されます。

陽明病

陽明病は3つに分けると解りやすいです。脱水、瘀血、便秘です。脱水では木防已湯、増損木防已湯、白虎湯などの石膏剤が中心となります。五苓散も裏証の方意は陽明病です、頭痛などの表証と裏証に症状があるため少陽病位に配当されています。瘀血では桃核承気湯などが陽明病です。桂枝茯苓丸も裏証は陽明病位ですが上気などの表証があるか、虚実が中間証からやや実証なので少陽病に配当されています。腸の熱証では調胃承気湯、小承気湯、大承気湯など大黄剤と芒硝剤があります。大承気湯、小承気湯に厚朴が配合されているのは便秘も気塊と捉えているからだと思われます。私は調胃承気湯は一時的な便秘に使用することが多く慢性の便秘には使用しません。糸練功で診ると今朝の排便が無い人は皆さん調胃承気湯証があるからです。また承気湯はジョウキトウと発音されていますが、本来はジョッキトウです。

太陰病

太陰病は虚熱があるため桂枝が配合された処方が多いです。小建中湯や桂枝加芍薬湯、八味丸などです。当帰芍薬散なども気が厚い川芎などが配合されています。太陽堂漢薬局では、太陰病に使う桂皮は味が厚いベトナム桂皮を使用しています。陽病には気が厚い広南桂皮を使用します。太陰病で実証なのは桂枝加芍薬大黄湯です。やや虚証なのは大黄附子湯です。虚証から順に大建中湯、八味丸、小建中湯、桂枝加芍薬湯の順です。血虚には当帰芍薬散が代表です。太陰病の瘀血には温経湯などを使用します。

少陰病

少陰病は附子剤が中心となります。四逆湯、甘草附子湯、麻黄附子甘草湯、麻黄附子細辛湯、附子湯、真武湯などです。痛みや神経痛に使う附子は毒消しをした加工附子が使われます。ただ加工附子には心臓を補う働きが弱くなります。越婢加朮附湯など麻黄を含む場合は炮附子を使うか加工附子を使うか考えないといけません