非結核性抗酸菌症(肺MAC症)について
非結核性抗酸菌症は、結核菌以外の抗酸菌の感染により発病します。抗酸菌の中には結核菌とそれ以外の菌があり、150を超える菌種がいると言われています。マック菌(アビウム、イントラセルラレの2種類)が一番多く全体の80%を占めています。次がカンサシ菌です。
非結核性抗酸菌症は結核菌以外の抗酸菌による肺の慢性感染症です。
これらの非結核性抗酸菌は、川、土壌、空気中にも自然環境に存在しており、ご家庭のお風呂にもいます。
非結核性抗酸菌症とは
非結核性抗酸菌症(肺MAC症)は、免疫力が低下した時に抗酸菌に感染すると、心臓横の肺の下肺野部分に病巣が出来、繊維化していきます。
初期の段階では症状が見られず、緩やかに進行していきます。
非結核性抗酸菌症が進行すると咳、痰、血痰、喀血等の症状が出てきます。
非結核性抗酸菌症は、結核菌と異なり、人から人へは感染しません。最近20~30年で患者数は急増しています。
理由は分かりませんが、非結核性抗酸菌症(肺MAC症)の患者さんは、女性の方が圧倒的に多いです。
また漢方太陽堂の患者さんに於いては、殆どの患者さんが中年以降の痩せた方です。統計学の調査でも、この病気は肥った患者さんには少ないというデータが有ります。
非結核性抗酸菌症(肺MAC症)と漢方
この病気になると、病状が徐々に進行していきます。
西洋医学の治療では、非結核性抗酸菌症に結核のお薬を応用していきますが、現在のところ完治させることは望めない状況にあります。
また年齢が上がると、西洋薬による副作用(肝臓障害、腎障害、味覚障害、胃腸障害、視力障害他)等が問題となっています。
進行すると肺炎で犯された肺組織は線維化していきます。線維化すると柔らかい組織は硬くなり、風船の様な肺の機能は失われていきます。
また病気が進行すると体力が衰え微熱が出だします。東洋医学で言う「往来寒熱」です。朝方は平熱に近く、夕方以降に微熱が出て寝汗をかくようになります。そして体力は更に衰えていきます。
東洋医学ではこの線維化を防ぐ漢方薬があります。また微熱のある方は、まず微熱が出ないよう体力をつける治療から始めていきます。
漢方太陽堂では、非結核性抗酸菌症の漢方治療を見つけ多くの改善例があります。また後遺症となる繊維化に対応する治療もご準備しています。
血痰・喀血
非結核性抗酸菌症(肺MAC症)は、肺の下部に病巣が出来やすいです。
また漢方太陽堂の患者さんでは、気管支拡張症を併発されていらっしゃる方が多いです。特に血痰が出る時に気管支拡張症をお持ちの方は、大量の喀血をすることがあります。
漢方太陽堂で専門の治療
非結核性抗酸菌症(肺MAC症)の治療とは別に、気管支拡張症のある場合は、それ専門の治療も併用します。
また喀血の多い人には止血効果のある漢方薬を併用し、喀血量を最低限に減らすようにしていきます。
対応する漢方薬
伝統医学である日本漢方古方派を中心とした代表的な漢方をご紹介します。
桔梗湯
二味の漢方ですが効果も鋭いです。咳が出て胸がはって苦しく、膿様の喀痰を長い間出している人に用います。気管支拡張症の人にも適します。
扁桃炎や咽頭炎、喉頭炎に使用する機会が多い処方です。化膿の傾向がある場合です。胸が張って苦しく、膿様の喀痰と咳が続く場合に使用します。肺炎や気管支拡張症にも応用します。
麦門冬湯(バクモンドウトウ)
東洋医学で「大逆上気(ダイギャクジョウキ)」と言われる病態に使用します。気が上昇し顔が赤くなるほどの緊迫性の咳が出て咳嗽する時。痰が切れ難く激しく咳き込みます。上昇する気は熱を帯びるため、気管支は乾燥し痰は黄色の濃い痰になります。痰が切れるまで激しい咳は続きます。痰が切れると一応咳は落ち着きます。
非結核性抗酸菌症(肺MAC症)の方の痰は黄色の濃い人が多く、「大逆上記」に当てはまります。
咽喉が乾燥していらいらと違和感を生じ、そのため声が枯れる咽喉不利(インコウフリ)といった症状の人に用います。
喀血が多い場合は黄連(オウレン)と阿膠(アキョウ)を加味し、上気の熱が強い時は石膏(セッコウ)を加味します。
麦門冬湯は滋潤作用が強いです。食品では蜂蜜が滋潤作用が強く、肺を潤します。漢方太陽堂の患者さんにはお勧めしています。
竹葉石膏湯(チクヨウセッコウトウ)
麦門冬湯から大棗(タイソウ)を抜き、清熱作用の強い竹葉と石膏を加えた処方です。
麦門冬湯証に似ていますが、更に熱性の強い場合に使用します。
麦門冬湯証と同じ黄色の痰ですが、竹葉石膏湯証の方が痰の量は多いです。
竹葉の清熱清心作用は、非結核性抗酸菌症(肺MAC症)の方の咳に合うようです。
口渇、口乾のある人、寝汗などがある場合に用います。
発熱が長引いて余熱が残り、痰が多く咳が激しく呼吸が浅表となり心下部が冷えて嘔吐することがある人に用います。
口舌乾燥し、食欲不振、寝汗などがあり、痩せて身体枯燥し皮膚が乾燥する傾向にあり、肌が熱く触れることがある人に用います。
補中益気湯(ホチュウエッキトウ)
名前の通り「中(消化器)」を補い、元気を益す処方です。
衰弱の傾向があり、衰えが激しく、微熱や寝汗があります。少陽病(ショウヨウビョウ)の虚証から太陰病(タイインビョウ)にまたいで使われます。長引いた微熱には補中益気湯をまず考えます。
貧血が進んでいると当帰(トウキ)を加味し、食欲がない時は人参を増量して使うと効果的です。また西洋参(セイヨウジン)などを追加すると更に効力が上がります。
人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)
体力が衰えた「気血両虚」の十全大補湯(ジュウゼンダイホトウ)証に似て、更に心肺機能が落ちている時に使用します。太陰病の虚証タイプです。
体力が衰え微熱が引かず、食欲もない状態です。
微熱が長引く時は、他に清暑益気湯(セイショエッキトウ)証、当帰六黄湯(トウキリクオウトウ)証などとの鑑別が必要となります。
薏苡仁・野蒲陶
イボに使われることで有名なヨクイニン。非結核性抗酸菌症(肺MAC症)の患者さんに使用すると症状が緩和されることが多いです。線維化を緩和する働きがあるのではと推測されます。
薏苡仁は、油性成分と水性成分を含んでいます。しかしエキス剤の場合は水性成分のみになり、油性成分が入っていませんので効力が薄いと考えられます。
また民間療法で使われていた野蒲陶も症状が軽くなる方が多いようです。
喀血に対し
非結核性抗酸菌症や気管支拡張症で喀血がある時は、上記漢方薬に黄解散(オウゲサン)、田七人参(デンシチニンジン)等を併用し、喀血を減らします。
実際の改善改善例
非結核性抗酸菌症を改善、治癒さされた患者さんからの報告です。
漢方の不思議な力を信じて。
非結核性抗酸菌症(肺MAC症)の病巣が殆どわからないようになっている
女性75歳薬歴No.6622
4月20日に病院で肺のレントゲン撮影をしていただきました。結果は、右肺の出血で血管を詰めたところは、病巣が殆どわからないようになっているとの事。
そして左肺の下に割と抗酸菌がはびこって広がっていたところは、縮小しつつある変化がみられるそうです。それで、又、3か月後にレントゲンを撮って変化を見てみましょうと言う事でした。
自分の感想としては、大分良くなりつつあるなあと云う事を感じております。
病院の医師によれば、この抗酸菌は縮こまったり膨らんだりしながら、拡大していく抗酸菌だとの事です。それで、油断は出来ませんので根気強く漢方薬を続けて行こうと思っております。
漢方太陽堂から患者さんへ
こんにちは。レントゲンの状態が改善していた様で良かったですね。こちらも嬉しく思います。
糸練功の合数も順調に改善していましたよ。咳などの状態も更に改善していきます。漢方薬に変更ありませんので、続けてお飲み頂き様子をみてお過ごし下さいね。
非結核性抗酸菌症は、乾燥すると咳が出易くなります。これからの時期は乾燥し難くなりますが、咳が出る時は加湿する様にしてみて下さいね。
肺の影が薄くなっている
薬歴No.6679女性62歳
本日、漢方薬届きました。有難う御座いました。
それで本日、○○病院でレントゲン検査をして頂きましたが、「この前より、肺の影が薄くなっている」との事でした。
漢方薬が確かに効いてきているとの実感し、嬉しかったです。「この調子で行けば、来年の3月か4月に検査をしてみましょう」との事でした。
以上、結果報告でした。
漢方太陽堂からコメント
こんにちは。メール拝見致しました。
症状が改善してきて、レントゲン結果も伴っていたとの事で、こちらも安心致しました。これも○○様がきちっと漢方薬を飲まれている結果だと思います。
時間はかかるかもしれませんが、引き続き頑張って行きましょうね。また何か体調に違和感を感じましたら、いつでもご連絡下さいね。
咳もほとんど出ません
女性64歳薬歴No.6705
おかげさまでとても良好です。咳もほとんどでません。調子良く過ごしています。
漢方太陽堂から患者さんへ
こんにちは。咳が殆ど出ず、順調に改善が進み本当に良かったです。
咳、肺MAC菌、肺の繊維化、全て消失する様にこれからもご一緒に取り組んで行きましょうね。非結核性抗酸菌症の漢方薬に変わりありませんので引き続き飲んで様子を見られてくださいね。
変わらずいい状態です
女性64歳薬歴No.6705
おかげさまで先月と変わらずいい状態です。咳もほとんど出ません。
漢方太陽堂から患者さんへ
こんにちは。引き続き調子良くお過ごしの様ですね。非結核性抗酸菌症の咳も殆ど出ていないとの事で安心しました。
「免疫を上げる漢方薬」と「菌を除去する薬味」は、特定の菌だけでなく幅広い抗菌作用が期待出来ます。これからもっと非結核性抗酸菌症の改善を進めましょうね。
お薬に変わりありませんので引き続き飲んで様子を見られて下さいね。
非結核性抗酸菌症の影が薄くなってくれて安心致しました
女性53歳薬歴No.6698
お世話になっております。7月下旬のレントゲン検査では、少し非結核性抗酸菌症の影が薄くなっているとの事でした。良かったです。
しかし、病院では「体力があるうちに3種類の薬を飲んでみましょうという」という事になりました。質問ですが、3種類の病院薬を飲みながら漢方薬は飲んでも大丈夫なのでしょうか。
現在の症状は、咳や痰も減っている、出ない日もあるので、薬代も高額になっていますので、漢方は菌を倒す薬を中心にしていただき、出来れば他の漢方は無くすなり、量を減らすなりしていただきたいと思います。
漢方太陽堂から患者さんへ
こんにちは。少しでも影が薄くなっていて安心しました。今お出ししている漢方薬はすべて非結核性抗酸菌症を改善する処方です。
肺を潤す煎じ薬は、咳や痰に使用する漢方です。菌に対しての東洋医学独自の抗菌薬だけでは働きが弱くなりますので、まだ、煎じ薬を減らさないほうが良いと思います。ご了承下さいね。
病院薬との併用は大丈夫です。お飲み頂いて様子をみて下さいね。
右肺下の影が2箇所薄くなっていました
女性56歳薬歴No.6912
2月に病院に定期健診に行ったら、先生からいきなり「非結核性抗酸菌症の影が薄くなっている」と言われました。肺の右下の影が2箇所薄くなっていました。
咳は空咳っぽくなって、痰が前より減ってきました。
漢方太陽堂から患者さんへ
非結核性抗酸菌症の検査結果が良くなっていたようで、影も薄くなり安心致しました。
菌が減ってくる事で、咳や痰、繊維化と全てが良くなっていきます。症状を同時に漢方治療していく事でより改善が早くなります。
非結核性抗酸菌症は漢方薬の服用回数が多く大変かと思いますが、完治を目指して一緒に頑張っていきましょうね。
非結核性抗酸菌症(肺MAC症)なのに、フルマラソンを完走しました
薬歴No.7030女性57歳
先月、病院に行きました。先生は「左肺下の影が少し小さくなってるね」と仰ってました。
病院の検査は1ヶ月に1度だったのが、2ヶ月に1度になりました。
フルマラソンを完走しましたが、息苦しさはありませんでした。
漢方太陽堂からコメント
左肺下の影の縮小がみられて良かったですね。
非結核性抗酸菌症(肺MAC症)の菌が減ってくると、その分、炎症も落ち着いて来ると思います。
今後の検査で更に影が縮小すると良いですね。
レントゲンを撮ったら影が薄くなっている
薬歴No.7184女性60歳
漢方薬を飲み始めて3ヵ月になります。
特に変化は感じてなかったんですが、この前レントゲンを撮ったら「影が薄くなっている」と言われました。
漢方太陽堂からコメント
糸練功で見る限りですが、早いスピードで改善し始めているようです。
肺の影が薄くなっていた様で良かったですね。
○○様は、症状が出ていらっしゃらないので、改善度合いが分かり難いと思いますが、実際に変化が現れると安心ですね。
これからも順調に改善が進むよう、漢方薬とご養生をお続け下さい。
咳痰が出なくなりました
薬歴No.7060女性60歳
漢方薬は慣れました。
1週間程で非結核性抗酸菌症(肺MAC症)の咳は無くなり、痰も無くなりました。夜も痰が出なくなりました。
2~3日位すると熱が出ていたのが、それも無くなりました。
病院薬の治療では熱が出る症状が何ヶ月も続いてあったのが、漢方薬を飲み始めてピタッと無くなりました。それに胸の苦しさもありません。
3ヶ月ごとに検査へ行っています。次は10月始めに行きます。
漢方太陽堂からコメント
漢方薬をお飲み頂いてから1週間程で、すぐに効果を実感する事が出来て良かったです。
疲れなどにより時々、症状が出てしまう事もあるかと思います。その時は、お身体を休めてゆっくりされる事もご養生ですよ。
漢方治療は始まったばかりですが、これから更に症状が起こり難くする為にも、甘い物を控えて改善速度を早めて治療を進めていきましょうね。
レントゲンで初めて影が薄くなっていました
薬歴No.7092女性56歳
朝の咳がまだ出ますが、日中の咳は殆ど出なくなっています。
病院の検査のレントゲンで、初めて影が薄くなっていました。
漢方太陽堂からコメント
レントゲンでの影が薄くなっていたようで本当に良かったですね。
日中の咳もだいぶ減ってきている様なので安心しました。
引き続き、漢方薬を忘れずにお飲み頂き、ご養生されて下さいね。
お病気に対して
非結核性抗酸菌症(肺MAC症)は、西洋医学では確実な治療法が無く、患者さんの不安は大きいです。
10年近く前に、漢方太陽堂では独自の漢方治療法を見つけました。その後も治療法の改良を続けています。非常に多くの患者さんに喜ばれています。