脾臓全摘、膵臓半分摘出。3ヵ月後大動脈のリンパ癌再発

がん

リンパ癌再発。「かけ橋」掲載分

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悪性腫瘍。悪性リンパ腫の女性

(60歳代、女性。No.450)

平成14年4月、悪性リンパ腫が発覚。
白血球数が23.000まで上昇。骨髓免疫、リンパの腫れ、白血球増加に対する漢方薬を投薬した。

治療開始より2年後、漢方薬を減量した。

更に10ヵ月経った時、首の右横のリンパはやや縮小した感じだった。

平成17年8月には病院の抗癌剤による点滴治療で殆どのリンパ腫が消失。腸のリンパの一部に2個残った。この時点から毎月1週間、内服抗癌剤の治療を行う予定。漢方薬では抗癌剤に耐えられる身体造りとリンパ腫の治療に全力投球した。

4ヵ月後のPET検査では異常なし。その後の血液検査でもLDHが改善されてきた。この年は漢方薬の服用期間が空いた時期もあったが、PET検査での異常は見当たらなかった。

約半年間、漢方治療が途絶えた。PET検査で腸の部分に少し色の着いた所が出現した。煎じ薬による体質改善の治療を行った。

1ヵ月後の検査では、腹部大動脈周囲リンパに5mmのPET集積があった。漢方薬では更に免疫力増強を図り、1ヵ月の服用で、PET集積が綺麗に消えていた。

それから8ヵ月間、再度漢方治療が途絶えた。その後、完全に消失し再発しないよう抗癌剤と漢方薬を併用する事とした。

9ヵ月後、画像診断、血液検査、全ての検査で異常が無くなっていた。病院のほうでも抗癌剤治療を今後は止める方針となった。

胃癌を克服して

(40歳代、女性。No.1719)

十二指腸・胃・脾臓全摘、膵臓半分摘出。3ヵ月後大動脈のリンパ癌再発。手術後7ヶ月経ち来店されました。

抗がん剤の副作用や疲れがきつく体力が無いとの事。再発防止の為に漢方薬を希望され来局されました。糸練功で確認、病院治療は上手く行っていると思われ、免疫や腫瘍の成長要因が1~3合に幾つかみられました。免疫アップの治療を3~4ヶ月続け、その後様子をみて体力回復の漢方治療と並行して行く事としました。

3ヶ月後、TSー1(抗がん剤)の副作用で、体力・食欲が激減している。糸練功で臓腑病・脾・陰証3合2+に体力をつけていく体質を確認しました。

6ヵ月後、貧血症状もあり、検査数値も高くなったり、低くなったりしていたが、安定してきた。免疫力も糸練功の合数では臓腑病・腎・陰証5合2+まで改善してきました。

24ヶ月後、検査数値も落ち着き、風邪を引く事も無く過ごされています。

  • 免疫力A-臓腑病、心、陰証9.1合、+(2)
  • 腫瘍部分の反応A-臓腑病、小腸、陰証9.7合、+(2)
  • 免疫力B-臓腑病、腎、陰証9.7合、+(1)
  • 血流の状態-臓腑病、肝、陽証9.8合、+(1)
  • 腫瘍部分の反応B-臓腑病、心、陽証9.8合、+(1)
  • 腫瘍部分の反応C-臓腑病、腎、陽証6.4合、2+

多くの方が癌と闘い副作用に苦しまれておられる中、漢方薬で症状が改善し、お役に立っている事は嬉しい限りです。

前立腺癌。重粒子線治療を中止した男性

(1951年生、男性。No.7802)

病院の定期検査で、前立腺癌と診断された男性から相談を受けた。

自覚症状は全くないが、検査結果を拝見するとPSA12(前立腺の腫瘍マーカー)であった。病院では4以下が正常とされており、10以上の70%は癌と診断される方が多い様である。

悪性腫瘍に対して当薬局の治療方法は、以下である。
1.悪性腫瘍が自ら自滅する力(アポトーシス)を速める
2.免疫力を上げて腫瘍をやっつける力を高める(悪性度を下げる)
3.悪性腫瘍の畑を潰して再発を防ぐ

問診と糸錬功により、騰竜湯証を捉えた。補助剤として、太陽堂オリジナルの粉薬を2種類お出しした。
また食養生として
①アルコール・もち米・鶏皮・唐辛子・油脂物等を減らす
②緑の野菜や穀類豆類を多く摂る食養生をお勧めした。

服用開始から約1ヶ月後PSAは、3.2まで下がった。

3ヶ月後には、0.1以下となり正常範囲となった。
病院では、重粒子線治療も予定していたが中止になったそうである。
この男性は、非常に著効であった。

漢方薬は、身体を正常化する作用があるが、前立腺癌イコール騰竜湯ではない。
お一人お一人に合った漢方薬をお出しする事と養生をしっかり守って頂く事で、早期に改善出来た例である。

乳がん。術後療法の副作用により薬を中断した女性

(1964年生、女性。No.7440)

元々当薬局で乳癌の腫瘍に対する漢方薬を服用中の女性から、とある相談を受けた。

乳癌の術後療法としてホルモン剤を服用した所、火照りや悲しくなるといった症状が出たとの事。ホルモン剤は自己判断で止められたそうだが、更年期症状に似た症状が出続けている状態であった。

糸練功で確認した所、諸症状に対して桂枝甘草竜骨牡蠣湯証を捉えた。
上気(気が巡らず身体の上部に集中)することで生じる精神症状や顔の火照りを目的として良く用いられる。
今までの乳癌に対する漢方薬と、桂枝甘草竜骨牡蠣湯の両方で治療を開始。

養生としては、軽い運動による発汗や、白胡椒、ワサビなどの気の発散を促す食材を摂るといった、発散の養生をお勧めした。

服用開始から4ヶ月経過後には調子が上向きになってきた。

半年経過する頃には体調が安定、9ヶ月後に乳癌の方が要治療の反応が消失、病院の検査でも異常無しとのことで、こちらは漢方治療を終了とした。

1年経過後に再び火照りと寝汗の症状が出現。
糸練功で再確認した所、柴胡桂枝乾姜湯証を捉えた。
前述の上気を改善する他、ホルモンの調節や脾胃を補う働きがある。

桂枝甘草竜骨牡蠣湯を、柴胡桂枝乾姜湯に切り替えて治療を再開。

変更後1ヶ月で早くも改善傾向、3ヶ月経過する頃には症状がほとんど無くなった。

その後も状態は安定していたため、減薬を繰り返しながら1年3ヶ月でこちらの漢方薬も治療を終了とした。