東洋医学で言う毒

漢方食養生

2023年7月18日。写真は箱根、大涌谷です。

漢方薬の副作用発現率

30年ほど前に小柴胡湯で間質性肺炎の副作用がテレビや新聞で報道されました。そのニュースに驚いたのを覚えています。
それまで漢方薬による副作用は、胸焼けや下痢などの胃腸障害や軽微なものしかなかったと思います。

その後発表された副作用の発現率を参考に載せます。
1995年発表、漢方薬の副作用発現率。富山医科薬科大学寺澤教授
胃腸障害100分の1
薬疹1000分の1
肝機能障害10000分の1
低カリウム血症1000分の1
間質性肺炎70000分の1

本来の漢方薬は、東洋医学の証に合わせて運用されます。
しかし、ダイエットで防風通聖散がブームになると防風通聖散の副作用が増えます。
化学薬品の副作用防止で小柴胡湯が使われると小柴胡の副作用報告が増えます。

漢方薬の原料

漢方薬の原料の質が以前より随分と悪くなっていると感じています。
原料品質の問題も漢方薬の副作用が増加している一因だと思われます。

漢方薬の品質を保ち、次の世代に漢方医学を伝えるため、私達は原料を選別し薬局内で製造し煎じ薬を中心に提供しています。
またエキス剤などでも原料の質が良いと判断した製薬会社を選ぶようにしています。

適、不適診

化学薬品や漢方薬などをOTオーリングテスト、爪楊枝テスト、入江FTエフティ、糸練功などの筋力テストで診ると、その病態に合っているかどうか判断が出来ます。適不適診です。

また、それらの薬物が病態に合う合わないかだけでなく、生体に合うかどうかの判断もできます。副作用診です。

適、不適診では、その人の病態に合っているかどうか診ます。
副作用診では、その人の生体全体に合っているかどうか診ます。

また薬物だけでなく、食品などもその人の現在の病態や体質の状態に合っているかどうか、筋力テストでは判断できます。

生体に異物の反応

ここに落とし穴があります。

筋力テストはYes、Noの判断です。
OTのクローズ、FTと糸練功のスムースは可の反応です。
OTのオープン、FTと糸練功のスティックは不可の反応です。

すべての食物は、野菜でも魚でも肉でも人間の生体にとって異物です。
多かれ少なかれNOの反応がでます。

NOの反応は、その人に合っていないのでしょうか。
薬物では、副作用が出るのでしょうか。

副作用診

ヨーグルトを筋力テストであるOT、FT、糸練功で見てみて下さい。

ヨーグルトの反応

ヨーグルトは、朝も夕方も副作用診の反応は弱く、朝夕での変化はありません。

しかし同じ乳製品である牛乳は、朝より夕方に副作用診に強く反応します。
ヨーグルトは発酵し温になっているせいか。ミネラルの吸収率が朝と夕方で日内変動するからか分かりません。

紫根の反応

漢方薬の紫根をOT、FT、糸練功で診てみて下さい。
誰でもNOの反応が出ます。合う人は居ません。

今度は紫根を煎じます。副作用診をしても、合わない人は激減します。
紫根は粉砕機で熱を加えても駄目です。紫根の毒、肝臓毒は煎じる事により熱分解ではなく加水分解されるのだと思われます。

牛肉の反応

牛肉を食べると、心包や膻中、中丹田に強力な熱が発生します。それも、かなりの長時間です。OT、FT、糸練功で確認して見て下さい。これは副作用なのでしょうか。

人体は牛肉を口中で噛み唾液と混ぜ、胃では胃液と混ぜ、十二指腸では膵液や胆汁と混和し、小腸大腸を通し吸収します。更に肝臓で分解、再合成し人体に同化させます。
そして栄養分として使われ人体は生きていきます。

技術と経験

強力な副作用診が出るから牛肉を食べないのか。
筋力テストのOT、FT、糸練功では判断できません。経験的に大丈夫だから食べるのです。

筋力テストのOT、FT、糸練功は単なる技術です。
判断を決めるのは、経験より出た理論や、本草学、漢方理論です。

漢方薬の毒とは

漢方では副作用と言う言葉はありません。
毒あり、毒なしと。毒と言う言葉を使います。

では漢方で言う毒と副作用の違いは何でしょう。
年配の方の中には三白の害を覚えていらっしゃる方も多いと思います。東洋医学では白砂糖、白い塩、白米にも毒ありと考えます。

長く10年、20年食べ続けた時、漢方薬を飲み続けた時、身体にマイナスになるかどうかで判断します。

上薬、中薬、下薬

漢方薬には上薬、中薬、下薬があります。
下薬は毒があるから急性病に対応し、中薬は毒が少ないから慢性病へ、上薬は毒が無いため健康で長生きするため服用します。

昔、黄帝内経が書かれた1800年前は1種類のみの上薬で薬酒をつけていました。
そして数種の薬酒を使い分け、毎日少しづつ飲んで健康維持や病気予防、初期の病気の治療をしていました。
そして薬酒で治らない時に初めて漢方薬を使用していました。

東洋医学は経験医学ですので、何百年と人々が服用、或いは食べて毒があるかどうか判断してきています。
現代薬理学の副作用とは感性が異なります。

食毒と食効、食事の効果

塩は鹹です。鹹の味には潤の働きがあります。
肉体労働や運動などで発汗を多くする人は、脱水を防ぐため潤の鹹を多くします。

逆に浮腫みのある人は鹹を減らします。
潤の働きが身体に有効になる場合と、逆に潤の働きが身体に有害になる場合があります。

白い塩でも天然塩でも岩塩でも鹹、潤は変わりません。
潤の働きを理解した上で、より良い塩は何なのか求めます。
潤の働きを燥の食材で調和、中和するのが食養生です。漢方薬の運用と同じです。